社長は簿記検定を受けるべきか。『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ』おかげさまで重版となりました!

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『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ』,おかげさまで重版となりました。
発売後10日で重版が決まり、ほっとしています。
お買い上げいただいた皆様のおかげです。
今日は、書籍にも取り上げている「社長は簿記検定を受けるべきか」について書きます。
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社長は簿記検定を受けるべきか

結論から書くと、
「別に簿記検定を受ける必要はありません」

もちろん、受けるにこしたことはありませんが、もっと先に知るべきことはありますし、簿記検定にはムダな知識も多いのです。

簿記検定は、あらゆる会社のあらゆる取引を勉強しなければいけません。
社長にとって必要のないことも多いのです。
知識として仕入れるには最適ですが、実際に使えるか、会社の数字が読めるようになるか、というと必ずしもそうではありません。

例えば、簿記検定では次のような問題が出ます。

 

・現金50,000円を当座預金に預け入れた。

当座預金使っていない会社の社長には必要ありません(^_^;)

 

・東京商店から商品100,000円を仕入れ、その代金のうち半分は小切手を振り出し支払い、残りは来月末に支払うこととした。

仕入がない会社、小切手を使っていない会社には必要ありません。
そもそも東京商店という架空の会社の事例を出されてもピンとこないでしょう。

 

・大阪商店へ商品300,000円を売上げ、代金のうち100,000円は同店振出の約束手形を受け取り、残りは来月末に約束手形で受け取ることとした。

手形を使っていない会社にはまったく必要ありません。
今や手形を使う会社はどんどん減っていますが、簿記の勉強としてはやらざるを得ないのです。

 

以上のような自分の会社では使わない事例も多く、さらに次のような表も作らされます。
今はこういった表は作りません。
会計ソフトでできるからです。
(知識としては知っておいても損はありませんが)
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必ずしも簿記検定ありきではありません。

 

 

私も苦手でした……。

昔、ブログにも書いたことがあるのですが、私も簿記は苦手でした。
まあ、今は得意かというと、普通だと思います。

最初に簿記の勉強をした20歳のときは、本当に訳がわからず、嫌いでした。
数学が得意だったので、「簿記も数字だからなんとでもなる!」と思っていたら、こてんぱんにやられたのです。

簿記では、数字を使いますが、計算力ではなく、実は簿記特有の知識を身につけることが求められます。

いきおいで受けた簿記検定3級はあえなく不合格。
発憤して猛勉強して簿記検定2級には合格しましたが、本当に理解したわけではなく、たまたま受かったようなものです。

その2年後に、簿記検定1級に挑戦するも、あえなく不合格。
簿記はしばらく封印しました(^_^;)

その5年後に、税理士試験を受けることになり、当然、簿記も勉強することとなったのです。
(「簿記論」という科目があります)

かなり苦戦しつつ合格できましたが、本当の意味でわかったとは言えず、試験後に、税理士事務所に勤めてようやく簿記がわかるようになりました。

税理士事務所で担当させていただいた10数社の数字を見たり、担当先の社長とお話しさせていただいたりすることで、数字がどうやって世の中で使われているかを理解できたからです。

このことから、ある程度の知識と事例があることが、数字を理解することの近道であり、効率的な方法だと考えています。

 

 

自分の会社の数字が一番勉強になる

では、社長にとって事例とは何か?というと、自社の数字です。

自社の数字が一番勉強になります。

前提となるある程度の簿記知識は、自社の数字を元に経理担当者や税理士(税理士事務所)にピンポイントで解説してもらえばいいでしょう。

私はお客様に「簿記検定をとってください」とも「簿記を勉強してください」とも言ったことがありません。
最高の教材・テキストである自社の数字があるため、それを元に解説しているだけです。
冒頭の事例のような、会社に必要のない知識は一切話しません。

今回、『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ』では、社長が自社の数字を読むための知識について取り上げ、あくまで「自社の数字を読む」ことをサポートする書籍として位置づけています。

実は、私自身、独立して自社の数字を見るようになって、パワーアップしました。
お客様ゼロ、売上ゼロでスタートし、銀行からお金を借り資金繰りに苦しみながら、生き残るために自分の数字を見ている経験は何事にも代えがたいものといえます。
今考えると、税理士事務所の一担当者だったときや経理担当者だったときは、ホント青臭かったと思います(^_^;)

本書を片手に自社の数字を読んでみていただければ、幸いです。

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【編集後記】

昨日、システム会社の方と打ち合わせ。
私が普段Excelでやっていることを、ノウハウとして提供させていただく仕事です。
昨日は、資金繰り表作成についてでした。
Excelから会計ソフトへの取込、会計ソフトのデータのExcelでの集計、伝票形式で入力するシステム、現金出納帳などいろいりとお役に立てそうです。

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