税理士が税理士紹介会社を使わない理由

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個人・法人が税理士を探す場合、税理士がお客様を探す場合、税理士紹介会社を利用する方法があります。
ただ、税理士側としては、絶対に利用しません。
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税理士紹介会社のしくみ

税理士紹介会社とは、個人・法人に税理士を紹介する会社です。
個人・法人側は無料、税理士側が紹介手数料を払います。

その紹介手数料は、会社によって違いますが、
・年間15万円
・顧問料の年間合計額の50%から75%+固定費月5万円+初期費用など
・初年度は、顧問料の年間合計額の50%、次年度以降は、40%、30%など
といったパターンがあり、非常に高額です。
プランがあり、高額なものだと優先的に紹介してもらえる制度もあります。

たとえば、年間の顧問料合計が100万円だとしたら、50%の紹介手数料の場合、50万円が経費として出ていくので、お客様から年間100万円いただいても、利益は50万円です。

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税理士紹介会社は、税理士を探そうにもみつからない、税理士がお客様を増やそうとしてもうまくいかないという問題を解決してくれています。

ただし、私は一切利用していません。
さらには、利用しないことを税理士にすすめています。

私が税理士紹介会社を利用しない理由

私が税理士紹介会社を利用しない理由は、次の3つです。

1 顧客獲得コストが高い

50%の紹介手数料は高すぎます。
ビジネスは利益を重視しなければいけません。
そのアドバイスをする税理士が、コストをかけすぎるのは、問題外でしょう。

「自ら広告宣伝するよりも安い」という考え方もありますが、それは高額なHPを作り、ネットで有料広告を出しているケースです。
今やHPやブログにお金はほとんどかかりませんし、自分で作れます。
TwitterやFacebookもありますので、仕事を得るルートはいくらでもあるのです。

年間100万円の契約をいただいても、「年間」ですのですべての報酬が入ってくるのは1年間かかります。
しかし、紹介手数料の50万円は、契約後にすぐ払わなければいけないのです。
資金繰り的にも好ましくありません。
資金繰りについてアドバイスする税理士としては、とてもできないことです。

50%の手数料を支払った場合にモチベーションも下がる可能性があります。

2 税理士紹介会社を増やしたくないため

といっても、手数料を支払えば、50%の利益を得ることができます。
それでも仕事を増やすというのも1つの手でしょう。
正直、その手数料を払うことはできますが、私が利用してしまうと、税理士紹介会社の売上になってしまい、存続してしまうことになります。
もちろん、それほど莫大な手数料を払うわけではありませんが、その一助となることはさけたいのです。

メルマガや書籍などで、税理士の独立をサポートしている立場ですし、多少なりとも背中を見られている以上、税理士紹介会社は利用できませんし、したくありません。

税理士紹介会社、一時期よりもだいぶ減ってきましたが、もうちょっと減らしたいと思っています。
マネーフォワードという会計ソフト会社も、税理士紹介をビジネスにしているので、嫌いです。
税理士を敵に回す可能性があるのに・・と思ったりします。

3 顧客獲得力を身につけるため

独立当初、多くの先輩税理士に、税理士紹介会社をすすめられました。

「まずは数を増やすように」
「紹介会社に気に入られるかどうかが勝負」
「お菓子とかもっていくといいよ、優先的に紹介してもらえるので」
とありがたいアドバイスをいただきましたが、スルー。

ゆくゆくは、自分でお客様を獲得できる力が必要だと思ったからです。
税理士紹介会社を利用して一時的に仕事を得ても後が続きません。
ましてや薄い粗利です。

たとえ苦労しようとも、自分で考え、自分で行動していた方が、お客様を獲得する、お客様に選んでいただける力はつきます。
スルーして正解でした。
もちろん、今も十分な力があるとはいえませんので、日々磨いています。

税理士側の問題もある

税理士紹介会社が存続するのは、税理士側にも問題があります。

顧客獲得コストの犠牲

普通なら、税理士紹介会社は利用しないはずですが、それでも多額の顧客獲得コストを払うのは、
・独立したての税理士
・大規模な税理士事務所・税理士法人
といったところが考えられます。

独立したての場合は、前述した顧客獲得力が身につかない、自分が疲弊するといった犠牲があり、大規模な税理士事務所・税理士法人の場合は、スタッフが犠牲になってしまうのです。
利益が減るのでその分をまかなうために、長時間労働や低賃金にならざるを得ません。

固定費をまかなうために

人を増やし、オフィスを広げ、高額なシステムを導入し、固定費が増大してしまうと、どうしても売上が欲しくなります。
薄い粗利でもとらざるを得ません。
そのために顧客獲得コストを払ってでも、紹介会社を利用せざるを得ないのです。

税理士のアドバイスとして、固定費を増やしてはいけない、粗利を考えるべきというものがありますが、その罠に自身が陥ってしまっています。

ネットの活用

税理士紹介会社はネットでおもに活動しています。
税理士も同じフィールドに出て戦わなければ勝てません。
ネット上で税理士を探しても見つからない、HPがあってもどういう税理士がわからない、値段も不明瞭といった現状が、税理士紹介会社を優位に立たせるのです。

税理士紹介会社が語る「税理士の選び方」「税理士の相場」「税理士の現状」など、まったく意味がありません。

ネットを活用して、自らの存在を示す必要性があります。
前述のようにコストはかかりません。
私はHP、ブログ合わせての運営コストは年間1万円弱です。
有料広告は一切使っていません。
きれいなHPをお金をかけて作るより、自分の言葉で心を込めて作りましょう。

また、「地名+税理士」という検索を狙っても今は通用しません。
それこそ税理士紹介会社が検索結果に出てくるだけです。
もっと違ったキーワードでトップを狙う必要があります。

 

 





【編集後記】
デジカメの調子が悪いので、修理に出すことに。
秋葉原のソニーのサービスステーションに着いたと思ったら定休日でした・・・。
チェックが甘かったです。
今日か明日出直します。
今後はランで行こうかと。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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