税金の方程式その1 所得税(給料)

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税金の方程式
税金=(収入-経費)×税率-税額控除

税金は,収入から経費を引いたもの,つまり利益に税率をかけて計算します。
利益が大きければ多いほど税率が上がっていく仕組みです。
なお,税額控除とは税率をかけて計算した後にさらに差し引くことができる金額をいいます。
今回は,給料に関する税金についてまとめてみました。
給料の場合,税金の種類は所得税及び住民税です。
ここでは,所得税について考えてみましょう。

所得税=(収入-経費)×税率-税額控除
この場合,「収入」は,いわゆる給料の額面金額といわれるものになります。
所得税や健康保険などを引かれる前の金額です。
例えば,年間の給料(額面金額)が400万円で所得税など差し引かれている金額が20万円の場合
「収入」は400万円です。
400万円から20万円を引いた380万円を一般的に手取金額といいます。
では,給料の場合の「経費」とはどういうものでしょうか?
一般的に「経費」とは,領収書を保存し,記録することで認められるものです。
しかし,給料を受け取る場合は,領収書を保存することはありませんので,
「経費」は認められないのでしょうか?
実は,給料の場合も「経費」が認められています。
その「経費」には,次の2つがあります。
(1) 給与所得控除
この「経費」は,次の式により計算されるものです。

1年間の収入 給与所得控除
1,800,000円以下 収入金額×40%(※)
1,800,000円超    3,600,000円以下 収入金額×30% +  180,000円
3,600,000円超    6,600,000円以下 収入金額×20% +  540,000円
6,600,000円超    10,000,000円以下 収入金額×10% + 1,200,000円
10,000,000円超 収入金額× 5% + 1,700,000円

(※)この金額が65万円以下となるときは65万円
年収400万円の場合には,給与所得控除は400万円×20%+54万円=134万円となります。
給料を得て仕事をする場合は,
洋服(スーツ等含む),靴,手帳など自分の負担での出費があります。
その出費を経費と認めているわけです。
給与所得控除は,”このくらいの経費を使うだろう”ということで,概算で計算されたものですので,
上記の例で実際に年間134万円の経費を使っていなくても計上できます。
逆に年間134万以上の経費を使っていても原則としてそれ以上の計上は認められていません。
「それ以上使ってるのに・・・・・」という場合もあるでしょうが。

(2) 所得控除
実際に支払った金額や家族構成等により差し引くことができるものを所得控除といいます。
所得控除には次のようなものがあります。(証明書,領収書が必要なものもあります。)
健康保険料,厚生年金,国民年金等
生命保険料や医療費のうち一定の金額
一定の収入以下の扶養親族や配偶者に応じた金額
基礎控除(だれでも38万円の控除があります)
などです。
方程式を整理してみます。
基本の方程式
所得税 =(収入-経費)×税率-税額控除
上記の経費(給与所得控除,所得控除)を加味した場合
所得税 =(収入-給与所得控除-所得控除)×税率-税額控除
上記の式の(収入-給与所得控除)を給与所得といいます。
税率は(収入-給与所得控除-所得控除)=Aの金額により,次のように定められています。

Aの金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

上記の例で所得控除を80万円(社会保険料+基礎控除)とすると,
(収入-給与所得控除-所得控除)
=400万円-134万円-80万円
=186万円(=A)
186万円は上の表で見ると,税率 5% 控除額 0円ですので,
所得税の金額は186万円×5%-0=9万3,000円となります。
なお,所得税の税額控除は
住宅ローン控除(住宅をローンで購入した場合,一定の税金が控除されます)などがあります。
例えば,1,500万円の住宅ローンを今年組んだと仮定すると,
1,500万円×1%=15万円
が税額控除の金額です。
したがって,18万6,000円-15万円=3万6,000円が所得税の金額となります。
方程式シリーズの次回以降の予定です。
所得税(個人事業主)
法人税
相続税
贈与税
番外編 消費税

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