資金繰りを楽にするための「管理」のポイント

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「資金繰りが不安」
「資金繰り表を作成できない」
という声をよく聞きます。
資金繰りとは,取引(入金と支払)の結果,お金がどう増減するかを管理することです。
この定義どおり,資金繰りは「管理」がポイントとなります。
「管理」すべきなのは,支払期限,入金・支払の方法,サイトです。
支払期限
支払期限は事前に契約等で取り決めを行います。
入金と支払の支払期限の違いは,
支払が相手先から支払期限が提示されることが多いのに対して,
入金はこちらから支払期限を提示しなければいけない点です。
例えば,仕入先から,請求書が届くと,
「支払期限○月○日」と書かれています。
当然,得意先に請求書を発行する際も
支払期限を明記する必要があります。
意外と支払期限が書かれていない請求書が多いのも現実です。
入金の予定がたたなければ,資金繰りの計画も立てることができません。
支払期限は明記しましょう。
入金方法・支払方法
入金や支払の方法は次の3つがあります。
A 後払い
 モノの購入,サービスを受けた後に支払期限が来るもので,
 通常は請求書を発行して,後日支払う方法です。
 例えば,月末締め翌月払いでは,
 月末までに発注したものを翌月の末日に支払います。
 締め日が,20日や25日などの場合,
 支払日が翌々月の末日,又は翌月10日などの場合もあります。
 クレジットカード払いもこの後払いに属します。
B 現金払い
 モノの購入,サービスを受ける時期と同時に支払期限が来るもので,
 その場で現金で支払う場合,振り込む場合です。
C 前払い
 モノを購入する前,サービスを受ける前に支払期限が来るもので,
 前もって支払を行う場合です。
 契約によっては,取引金額の1/2を支払うケースなどもあります。
入金,支払について,このA~Cを意識することで,
資金繰りが楽になります。

入金のサイト
締め日から期限までの期間をサイトといいます。
入金のサイトは,できるだけ短い方が好ましいです。
上記の方法を資金繰り的に望ましい順に並べると,
C→B→Aとなります。
ただし,支払方法は,相手先の承諾が必要となります。
可能であるならば,Cの前払で入金してもらうのが
もっとも資金繰りには有効です。
取引先に言いづらい・・・というケースもありますが,
交渉する価値はあります。
支払う側で考えると,意外と前払で支払っているものは多いものです。
支払のサイト
支払サイトは,できるだけ長い方が好ましいです。
上記の方法を資金繰り的に望ましい順に並べると,
A→B→Cとなります。
取引開始後しばらくは,Cの前払いで,
取引を重ねると,Aの後払い(請求書払い)になるケースもあります。
支払で重要なのは,
言われたままに支払わないこと
請求書が到着してすぐに支払わないことです。
そのためには事前の取り決めで,
支払サイトを確認しておく必要があります。
曖昧な取引先のサイトは,再確認しておきましょう。
サイトを意識せずに資金繰りを「管理」することはできません。

資金繰りが苦しいケース・楽なケース
支払方法別に資金繰りが苦しくなるケースは,
主に次のようなものがあります。
入金 A(後払い)        支払 B(現金払い)
入金 A(翌々月末に後払い) 支払 A(翌月末に後払い)
入金 B(現金払い)       支払 C(前払い)
資金繰りが楽になるケースは,
主に次のようなものがあります。
入金 B(現金払い) 支払 A(後払い)
入金 C(前払い)   支払 A(後払い)
入金と支払の方法,タイミングにより,資金繰りが楽になるか苦しくなるかが決まります。
資金繰りは支払期限,方法,サイトを意識的に管理しましょう。
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【編集後記】
昨日は,10:00~19:00までセミナーでした。
ブランディングに関するセミナーです。
昨日は全3回行われるうちの2回目。
課題は多いです・・・。
【読み終わった本】

平林都の接遇道/平林 都
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著者はエチカの鏡にも出演された平林都さん。
接遇について「5つの約束事」,「10大接客用語」など,
シンプルだが,意外とできていないという項目が
挙げられており,
是非とも,日々の習慣に取り入れたいと思います。

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