手持ちのお金以上に税金を支払うケース

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税金は,利益等を得た場合に発生しますので,
その得た利益等を残していれば,
通常は手持のお金で税金を支払うことができます。
しかし,
「持っているお金(現金・預金)以上の税金が発生し,支払えなくなる・・・」
こういうケースが起こる可能性はあります。
このようなケースを3つ挙げてみました。
法人税・所得税の場合
法人や個人事業主は原則として利益が出なければ,
税金かかりません。
通常は手持ちのお金で税金を支払うことが出来るはずです。
しかし,次のような例の場合は,
手持ちのお金以上に税金が発生してしまいます。
【例1】
1億円の売上があった場合,その売上に対して,税金がかかります。
(その売上にかかった経費(原価)は引くことができます)
代金を回収できていれば問題はありませんが,
もし代金を回収できていなければ,手持ちのお金がないため,
税金を支払うのは困難になります。
【例2】
在庫は,経費に計上することができません。
しかし,在庫を仕入れるときにはお金が出ていきます。
税金は収益-経費で計算しますので,税金が出ていくお金以上に発生する可能性があります。
「なぜ在庫を減らすべきか?」はこちらの記事をご覧ください。
【例3】
交際費を一定以上支払うと税金がかかってしまいます。
交際費を使いすぎていた場合は,手持ちのお金よりも税金が多くなる可能性があります。
【例4】
銀行や取引先向けに粉飾(黒字と見せかける)していれば,
当然,手持ちのお金以上に税金が出て行きます。
この例は,出来るかぎり避けたいものです。
消費税の場合
消費税は,原則として,預かった消費税から支払った消費税を差し引いて計算します。
この計算方法では,
利益が出ていなくても,消費税を支払う可能性があります。
利益が出ていないときは,手持ちのお金が少ない場合が多いため,
納税が困難になります。

相続税・贈与税の場合
相続や贈与を受けた場合,一定以上の金額だと税金が発生します。
もし相続したものや贈与を受けたものがお金,つまり現金や預金だったら,
そのお金で税金を支払うことができます。
しかし,相続したものや贈与を受けたものが不動産や株式だった場合は,
手持のお金がないのに税金を支払わなければいけません。
不動産や株式自体で支払う制度もありますが,現実的にはそれらの財産を売却する必要があります。
現在住んでいる不動産や自分の会社の株式である場合には,
すんなり売却するわけにもいきません・・・。
これらのケースでは,最悪借金をして,税金を支払うことになってしまいます。
節税して税金を減らしても,支払うことができなければ意味がありません。
税金のしくみを理解し,納税まで視野に入れた資金繰りが必要とされます。
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【編集後記】
昨日から今日の午後にかけて,事務所にこもり,
業務に集中しています。
おかげで,法人申告,年末調整など,ずいぶんと業務が進みました。
夕方からは打ち合わせ2件です。
【読み終わった本】

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