扶養控除の改正【平成22年税制改正】

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昨日,ようやく平成22年税制改正の内容が発表となりました。
今回は扶養控除関係について整理してみます。
個人の税金計算
個人の税金(所得税・住民税)は次のように計算されます。
(所得-所得控除)×税率-税額控除・・・・①

 

所得
所得とは,
給料の場合,給料(額面金額)-給与所得控除
個人事業主の場合,収入-経費-(青色申告特別控除)
で計算します。
給与所得控除とは,次の表により計算したものです。

1年間の収入 給与所得控除
1,800,000円以下 収入金額×40%(※)
1,800,000円超    3,600,000円以下 収入金額×30% +  180,000円
3,600,000円超    6,600,000円以下 収入金額×20% +  540,000円
6,600,000円超    10,000,000円以下 収入金額×10% + 1,200,000円
10,000,000円超 収入金額× 5% + 1,700,000円

(※)この金額が65万円以下となるときは65万円
年収500万円だったら,500万円×20%+54万円=154万円が給与所得控除です。
年収500万円の方は,154万円の経費が認められているということになります。

 

所得控除
所得控除には,社会保険料控除(健康保険や年金),生命保険料控除,医療費控除などがあり,
その中に扶養控除もあります。

 

現在の扶養控除【所得税】
扶養控除は,一定の所得以下の親族(子,親など)がいる場合に適用されます。
一定の所得とは,
所得税法上では,合計所得金額38万円以下,
給料の金額でいうと,年間103万以下
です。
所得税の扶養控除の金額は,基本的には38万円です。
上記の算式①のとおり,所得から38万円を引いたものに税率をかけて税金をします。
この扶養控除は,対象となる扶養親族の年齢により,金額が加算されます。
加算される金額は,次の図のようになります。
EX-IT|
年齢は,その年の12月31日現在で判定します。
16歳以上19歳未満(高校生) +25万円
19歳以上23歳未満(大学生) +25万円
70歳以上で同居していない場合 +10万円
70歳以上で同居している場合   +20万円
税制改正によりこの規定が変更になります。

 

税制改正後の扶養控除【所得税】
平成23年分より所得税の扶養控除は次のようになります。
平成22年分=来年からではありません。
EX-IT|
点線部分が改正点です。
Aの改正
16歳未満(中学生以下)について
38万円の扶養控除→0
となります。
これは,子ども手当(平成22年6月から1人当たり月13,000円。平成23年以降は月26,000円の予定)
の支給に伴うものです。
Bの改正
16歳以上19歳未満(高校生)について
+25万円の扶養控除(上乗せ分)→0
となります。
これは,高校の授業料無償化に伴うものです。
同様に住民税も改正されました。

 

現在の扶養控除【住民税】
現在の扶養控除は次の図のとおりです。
控除額が所得税とは異なります。
扶養控除の基本金額は,33万円です。
EX-IT|

 

税制改正後の扶養控除【住民税】
所得税と同様の趣旨から,
16歳未満及び16歳以上19歳未満について,控除額が変更されます。
平成24年度の住民税からの変更となります。
EX-IT|

 

実質的な損得は?
今回の税制改正では,扶養控除が廃止されますので,
増税です。
その増税の金額は,個々の税率によって決まってきます。
住民税の税率は一律10%です。
所得税の税率は,(所得-所得控除)の金額によって5%~40%となります。
税率が10%の方で,中学生のお子さんがいる場合,
38万円×10%=38,000円が増税額です。
子ども手当,高校無償化による収入から増税額を差し引いたものが実質的な損得です。
例えば,
平成23年 年収700万円 子ども2人(小学生2人)の場合,
増税額は所得税・住民税で年間96,000円となります。
子ども手当が子ども1人当たり月26,000円支給されると,
26,000円×2×12=624,000円の収入です。
実質的な損得は,624,000円-96,000円=528,000円となります。
収入や家族構成など,ケースによって損得は変わってきます。

 

 
追記:5/25(火)に給与に関する税金の勉強会を開催します。
詳細はこちらの記事を参照してください。
・「給与に関する税金のしくみ勉強会」開催のお知らせ
 
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【編集後記】
私が使っている名刺管理ソフトがアップデートで
Windows7に対応するようになりました。
対応していないソフトはXPモードというもので動かしていたのですが,
うれしいことです。
あとは,税務系のソフトの対応ですね。
需要が少ないためか,対応は遅めです。
【読み終わった本】

法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)/奥村佳史
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法人税上の取り扱いについて,事例を挙げながら解説した本。
内容的には中級者向けかと思います。

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