給与計算の誤りにより年末調整の還付が多かった事例

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先日,友人から相談を受けた事例にこういうものがありました。
「年末調整で戻ってきた金額が去年の半分なんですけど・・・」
戻ってきた金額は,平成20年は約12万円,平成21年(今年)は約6万円でした。
平成20年末と平成21年末の収入,家族構成その他の状況は変わりません。
(毎年住宅ローン控除を受けています。)
給与明細の内容も聞きながら確認してみると,
その原因は,平成20年以前の給与計算の間違いでした。

間違いの内容
給与を支給する際に給与から天引きする源泉所得税を計算します。
平成20年はその計算が間違っており,毎月5,000円ほど多めに天引きされていました・・・。
年末調整時には計算が合っていたので,トータルとしての損得はありません。
この方の場合,通常は6万円の還付です。
平成20年は,年間で5,000円×12=6万円多く天引きされていた分も還付されていたということです。
もし,年末調整も間違っていたら・・・と思うと怖いですね。
平成21年の給与計算からは正しい処理になっています。
(その当時,会社側からなんらかのアナウンスはあったようです。結構大手なんですが・・・。)
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・正しい処理
毎月 5,000円天引き→ 年間6万円天引き
年末調整の結果,税金は0→6万円全額が還付。
・間違った処理
毎月 1万円天引き→年間12万円天引き
年末調整の結果,税金は0→12万円天引き
※年末調整は,計算した税金と年間で天引きされた金額を比較し,
天引きされた金額が多い場合は還付となります。
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おそらく給与計算は会社で行い,
年末調整は外部で行っていたのでしょう。
念のため,平成19年も確認すると,同じ状況でした。
還付額が多くなるケース
年末調整の還付額が多くなるケースとしては,
次の3つが考えられます。
1 給与計算の誤り
 上記の事例のとおりです。
 天引きされている金額が多い場合は還付が多くなりますし,
 少ない場合は追加で徴収されます。
2 年の途中で扶養親族の増減があった場合
 例えば,11月に奥さんが扶養の範囲で,子供が生まれた場合は,
 1月~10月は扶養親族1名(奥さんのみ)
 11月~12月は扶養親族2名
 で源泉所得税を引かれています。
 ※扶養親族の数で源泉所得税の金額が変わります。
 こちらを参照していただければ幸いです。
 給与の源泉徴収のしくみ

3 給与の金額が大幅に減少した場合(転職等含む)
 
「税金の計算は,会社がやってくれているから大丈夫」と思わずに
ある程度のチェックの必要性はあります。
次回開催の勉強会は,ちょうど今回の事例のような内容を扱いますので,
ご活用いただければ幸いです。
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【編集後記】
今日から仕事始めです。
今年は,明日からのところも多いので,連絡は控えて,
ひたすら内部処理(月次決算,法定調書・契約書・ニュースレター作成など)を行っています。
毎月クライアントに送付させていただいているニュースレターは,
税制改正特集号です。
基本的な事項のみニュースレターで発行し,訪問時に個別の情報提供を行います。
【読み終わった本】

パラパラめくって比べる会計/牧口 晴一
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ページをめくって,決算書の動きを図で比較できる本。
明日発行のメルマガで取り上げる予定です。

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