会社の経費のうち税金の対象となるもの

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1/24  所得税をワークで学べる「源泉徴収票の読み方」勉強会 井ノ上陽一税理士事務所 
法人が支払う交際費には税金がかかります。
基本的に交際費の10%が税金の対象となりますが,
資本金が1億円超である法人は全額,
資本金が1億円以下である法人でも年間交際費が600万円を超える場合は全額
が税金の対象です。
「税金の対象となる」とは,
決算書上は,経費となっていますが,税金の計算上経費とならないことをいいます。
いわゆる「経費にならない」というものです。
では,他の経費で税金の対象となるものはあるのでしょうか?
実は意外とあります。
いくつかの例をケース別に挙げてみました。
支払うとその全部又は一部が税金の対象となるもの
・交際費(社外の方との飲食費で1人当たり5,000円以下のものを除く)
・寄付金(国や地方公共団体等への寄付金を除く)
税金の対象となるが,限度額を超えないように計算するもの
法律上限度額が定められていますが,
中小企業では,税金の規定に合わせて,限度額を超えないように計算している場合が多いです。
・貸倒引当金の繰入額
・減価償却費
・繰延資産の償却(会社法上の繰延資産(開業費等)を除く)
限度額を超えた分は,税金の対象となります。
資産を購入した場合,決算書上の経費にしないのは,このためです。
実態や規程と照らし合わせて過大な場合,税金の対象となるもの
・給与
・賞与
・退職金
明確な限度額はありませんが,法律上,過大と認められる場合は,税金の対象になる旨が
定められています。
条件次第で税金の対象となるもの
・定められた期間以外に増額した役員への給与
・役員へのボーナス(事前に届出をした場合を除く)
必ず税金の対象となるもの
・法人税,法人住民税,法人事業税
・国税の延滞税などの罰金的なもの
・地方税の延滞金(一定のものを除く)
・業務中の交通反則金
・使途不明金(さらに加算する税金もかかります。)
・退職給付引当金,賞与引当金等にかかるもの

決算書上の科目との関係
これらの規定は,決算書上の科目とは関係がありません。実質で判断します。
例えば,
「交際費」に該当するものが,「福利厚生費」や「会議費」で処理されていたり,
「寄付金」に該当するものが,「雑費」などで処理されていたりしても,
当然,法律上の規定は適用されます。
経費が税金の対象になってしまうと,
支払った経費+税金分のお金が会社から出て行ってしまいます。
特に税務調査で指摘された後の延滞税などの罰金は避けたいものです。
税金は原則として決算書の利益を基に計算しますが,
どのくらい税金がかかるか?は,
これらの事項を考慮しなければいけません。
逆に決算書上は収入でも税金の対象とならないものもあります。
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【編集後記】
昨日,友人経由で,ある方から「是非,一度お会いしたい」旨のメールをいただきました。
こういう申し出を受けたときは,極力お会いしています。(明らかな営業目的の方は除く。)
こう言っていただくのもありがたいですし,友人に紹介してもらうのもありがたいことです。
【読み終わった本】

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)/ダグラス・C. メリル
¥1,365
Amazon.co.jp

非常に面白かった本。
失読症の著者が,博士号を取り,GoogleのCIO(最高情報責任者)になることができたのは
独自の情報整理術のおかげだということです。
その整理術とは,脳や社会構造,個人の制約を乗り越えるもの,そして人生を豊かに生き,
目標を実現するものという位置づけでした。
もちろん,Google,Gmail等のツールの使い方にも触れています。

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