・寄付に関する税金 その2 個人が寄付した場合

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先日の記事に続いて、個人が寄付をした場合の税金について解説します。

・寄付に関する税金 その1 法人が寄付した場合


法人と個人とは取り扱いが異なる点があります。
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【今日のテーマ】
・寄付に関する税金 その2 個人が寄付した場合
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原則的な取り扱い
個人の場合も、寄付をした場合は原則として経費として認められません。
しかし、一定の場合には、税金の計算上、考慮されます。
個人が寄付した場合の特例
○寄付の対象
個人の税金上、考慮される寄付金は、代表的なものとして次のようなものがあります。
・国、地方公共団体
・公益社団法人、公益財団法人等で財務大臣が指定したもの
・特定公益増進法人(赤十字、ユニセフなど)
今回、さらに特例措置が適用されます。
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm

特定の募集団体を通じて寄付をした場合も、最終的に国、地方公共団体に寄付されるのであれば、全額経費に入れることができるようになります。
該当する団体に寄付をした場合、全額が税金の計算で考慮されます。
○控除される税金
まず、前提として、個人の税金は、主に所得税と住民税(都道府県民税、市区町村民税)があります。
それぞれにつき、寄付金が控除されます(「寄付金控除」といいます。)
所得に応じて、控除額が増減するという特徴があります。
・所得税
(寄付金の額(※)ー2,000円)を所得控除
※その年の総所得金額等の40%相当額


所得税は、寄付金から2,000円を差し引いたものを控除してから、所得税率をかけて税金を計算します。(「所得控除」といいます。)
次の図は、給与所得のみと仮定した場合の計算の流れです。
給与の額により、所得が変わりますので、寄付金の限度額及び税率が変わってきます。
年収500万円の方だと、限度額は、約138万円です。この場合の所得税の控除額は、約9万5,000円となります。
EX-IT|
・住民税
(寄付金の額(※)ー5,000円)×10%を税額控除
※その年の総所得金額等の30%相当額

住民税は、税金を計算してから、5,000円を差し引き、10%をかけたものを控除します。(「税額控除」といいます。)
給与の額により、所得が変わりますので、寄付金の限度額が変わってきます。
税率は一律10%です。
年収500万円の方だと、限度額は約103万円です。この場合の住民税の控除額は、10万3,000円となります。
EX-IT|
上記を踏まえて寄付による減税額を試算すると、年収500万円で単身の方だと、次のようになります。
1万円の寄付→所得税 800円 住民税 500円 合計1,300円
5万円の寄付→所得税 4,800円 住民税 4,500円 合計9,300円
10万円の寄付→所得税 9,800円 住民税 9,500円 合計19,300円
50万円の寄付→所得税 49,800円 住民税 49,500円 合計99,300円
100万円の寄付→所得税 76,100円 住民税 99,500円 合計175,600円
※所得控除(扶養、社会保険)の額によって減税額は変わります。
さらに寄付が都道府県・市区町村である場合は、さらに控除があります。
いわゆる「ふるさと納税」です。
これについては、次回、取り上げます。
○控除される時期
平成23年(2011年)に寄付した場合、所得税は、平成23年分から控除されます。
住民税は、平成24年6月以降に納付する住民税から控除されます。
○必要な手続き
寄付金の領収書を添付して(e-Taxの場合は提出を省略することも可能)、確定申告をしなければいけません。会社の年末調整では控除されません。
来年の確定申告時期に、改めてその方法を記事にする予定です。
また、寄付金控除の金額を算出するExcelファイルも準備しています。

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【編集後記】
今朝は通常通り出勤しましたが、6時前は、平常時と同じくらいで、それほど混雑していませんでした。
(JR総武線)

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