・税理士が考える経理担当者の心得

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経理担当者と税理士は、連携、分担して仕事を行うことが多いです。
仕事の分担度合いは現在ご契約いただいている各社で異なりますが、非常に助かっています。
その経理業務についておさえるべきポイントをまとめてみました。
EX-IT

経理担当者と税理士の役割分担

私自身、経理担当者をやっていた時期(税理士資格取得後、IT企業にて)があり、Excel本を出していることからも、経理業務には親しみがあります。
経理担当者が行う経理業務と、税理士が行う業務には重なる部分は多いです。
どちらが業務をやるにせよ、負担がかからないように効率化しています。
ただし、税理士は原則月1回訪問することになっていますので、毎日、会社にいて業務を行う経理担当者の協力はかかせません。

基本的なスタイルは、税理士の訪問日までに経理担当者の方に数字を確定していただき、税理士が訪問時にチェック、分析資料の作成、アドバイスという流れとなっています。
いわゆる月次決算といわれるものです。
もちろん、ケースバイケースで、全部又は一部の会計データ入力を税理士側で担当することもあります。

 

経理担当者の心得

私が考える経理担当者の心得をまとめてみました。

1 分からない仕訳は気にしない

入力方法が分からない仕訳、勘定科目が分からないものは、そのときにメール等で質問するか、仮入力しておいておけば大丈夫です。
仮入力用の科目(未確定、仮払)を作っているケースもあります。
どの勘定科目にしているかは、税理士側でもチェックし、適切な勘定科目があれば振り替えています。
100点満点の仕訳を目指す必要はありません。
そのために税理士のチェックがあるわけですので。
徐々に覚えていっていただければ大丈夫です。

2 金額が大きいものを重点的にチェックする

当然、すべての取引を完璧に入力すべきですが、細かい部分に気を取られていて、金額が大きいものをミスすることは絶対に避けたいものです。
事業規模にもよりますが、金額として10万以上のものは絶対にもれやダブりがあってはいけません。
金額のチェックは、
・B/S残高の内訳を確認
・P/Lの推移表で異常値がないか確認
という方法で行います。
(私も必ずこの方法でチェックします)
金額が大きいものが発生主義で計上されているかもチェックすべきポイントです。
特に社会保険料の会社負担分は、金額も大きいことが多く、末日が土日祝日だと計上されないケースがあるので注意しなければいけません。

3 税法でチェックすべきポイントに気をつける

税法は、税理士の範疇ではあるのですが、経理担当者が最低抑えておくべきポイントは、次の3つです。
・交際費の課税対象
・消費税の課税対象の判定
・資産を購入した場合の取扱(30万円未満の資産を経費)
会計データを入力するときに使う知識ですので、是非とも慣れていただきたいところです。

4 パターンを自分なりにまとめる

経理業務には一定のパターンがあります。
そのパターン(ルーティン)を自分なりにまとめて、効率よくこなせるようにすべきです。
ルーティンをどれだけ効率よくこなせるかが勝負ですし、その先にやるべきことはたくさんあります。
チェックリストをつくるのもいいでしょうし、自分がやっていることをテキストデータに書き出すだけでも十分です。
例として、消費税の判定、税金(確定法人税、中間法人税、源泉所得税等)の処理、交際費の判定フローチャートなどがあります。
これらの資料は、私の方でも作って提供しています。
また、税理士側が修正した部分についても把握しておくべきです。
(あまり聞くと嫌がられるかもしれませんが)
なぜ、修正したのかは聞いておきたいですね。

5 日々の問題点・疑問点があったらメモしておく

これは経理担当者の方に今でもお願いしていることです。
日々、疑問点があったらメモしておいて、質問して欲しいと思っています。
税理士をうまく活用すべきです。
「質問しようと思ったけど、忘れてしまった」ということってよくあります。
結局は疑問点が解消できないという事態になってしまうのです。
「なぜ、こういう処理をするのかわからない」
「社員の方からこう聞かれたけど、どう答えればいいか?」
「社長からいわれたけど、ホントにこれでいいのか?」
など、いろんな疑問点があると思います。
根拠が税法によるものもありますし、実は会社側で自由に決めてもいいこともあります。
そのさじかげんは顧問税理士にまかせておけばいいと思います。

6 整理

経理業務にとって、書類の整理は必須です。
外部から来る書類、内部から受け取る書類さまざまなものがあります。
きっちり、整然と整理しておく必要はなく、必要なときに探し出せる程度で大丈夫です。
重要なのは、「捨てる」こと。
古い書類、いらない書類は容赦なく捨てましょう。
その判断基準が分からないものは税理士にきいてみてください。
私の訪問時の仕事の1つは、捨てるべき書類を仕分けすることです。

 

 
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【編集後記】
ご縁をいただき、雑誌の税理士受験勉強法の記事を書くことになりました。
書くのが楽しみです(^^)
昨日、その打ち合わせのために出版社に行ってきたところです。

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