・税率のしくみ その2 超過累進課税の具体例

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昨日の記事では、超過累進課税について解説しました。

・ 税率のしくみ その1 超過累進課税とは

今日は、具体的な事例を交えてみます。

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【今日のテーマ】

・税率のしくみ その2 超過累進課税の具体例

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税率を下げる?
「所得が増えれば増えるほど、税率が上がる」

「じゃあ、税率が上がらないように、所得を減らせばいいじゃん!」

このような意見をよく聞きます。

例えば、事業を行っている場合を考えます。
所得が350万円だったところを、なんとか経費を増やして、330万円以下に抑えたとします。
(所得とは、原則として、収入から経費を引いたものをいいます。)

すると、税率は10%になるので、税金をグッと減らせる!ということになるのでしょうか?
単純に計算すると、
350万円だったら、350万円×20%=70万円
330万円だったら、330万円×10%=33万円

37万円の税金を減らせると言うことになります。
しかし、これは間違いです。
(そもそも、20万円所得が減って、37万円の税金が減ること自体がおかしいのですが・・・・・・)

前回の記事のとおり、あくまで超過累進課税を適用します。
(横軸の単位は[万円]です。)

350万円の場合は、350万円×20%ー42万7,500円=27万2,500円
330万円の場合は、330万円×10%-9万7,500円=23万2,500円
となります。
(計算を簡略化するために所得控除は考慮していません)

その差額は、4万円です。

つまり、350万円→330万円で、20万円減ると、所得税が4万円減ります。
(この4万円は、20万円×20%で計算します。)

確かに所得を減らせば、税金は減りますが、税率が変わってもそれほど大きく減るわけではないのです。
逆にいうと、税率が変わっても、それほど急激に税金が増えるわけではありません。

所得が増えた場合
例えば、所得が500万円から700万円に上がったとします。

500万円の場合は、500万円×20%ー42万7,500円=57万2,500円
700万円の場合は、700万円×23%-63万6,000円=97万4,000円
となります。

200万円の所得が増えると、40万1,500円の税金が増えます。
この金額は、195万円(500万円を超え、695万円以下の部分)×20%+5万円(695万円を超え700万円以下の部分)×23%と計算します。

これが超過累進課税のしくみです。

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【編集後記】
昨日は、夕方から確定申告の打ち合わせ3件。
同じ場所で行いました。
実は3名は同じ血筋。

親子2代で、ご契約いただくことは、これまでもあったのですが、3代は初めてのことです。
ありがたいことです。

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