簿記の知識が先か?会計ソフトが先か?

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1/24  所得税をワークで学べる「源泉徴収票の読み方」勉強会 井ノ上陽一税理士事務所 

「会計ソフト」は,簿記の知識がないと使えませんか?
と聞かれることがあります。

確かに簿記の知識はあった方が好ましいのは事実ですが,
逆に会計ソフトから,簿記を覚えるのも効果があるかもしれません。

簿記の流れ
簿記は基本的に紙と鉛筆(ペン)さえあれば,できるものです。

例えば,
現金で交通費200円を支払った場合,
簿記では次のような流れで処理を行います。

1 仕訳
交通費 210 現金 210
現金 1,000  売上 1,000

2 元帳への転記
現金と交通費,売上の元帳に転記します。
(元帳は相手の科目を書きます。)

現金の元帳
売上 1,000 |交通費 210
→現金残高 790

交通費の元帳
現金210   |
→交通費残高 210

売上の元帳
|現金 1,000
→売上残高 1,000

3 試算表への転記
貸借(左と右)が一致するか確認します。

現金  790  | 売上 1,000
交通費 210  |

借方残高 1,000|貸方残高 1,000

このように一致すればOKです。
試算する表なので,試算表といいます。

4 決算書の作成
試算表から決算書を作成します。

会計ソフトの場合
会計ソフトは,上記1の仕訳を入力すれば,4の決算書が完成します。
上記2の状態で入力することも可能です。

仕訳の時点で金額をチェックしますので,貸借(左と右)は必ず一致します。
転記のミスも当然ありませんし,合計金額を間違えることもありません。
会計処理としては,かなり効率的です。

もし経営者が会計ソフトを入力するのなら,単に作業と考えていてはもったいないです。
なぜ,この数字がここに来るのか?この数字は何を集計したものなのかを意識しながら,
会計ソフトを使うと,より効果的です。
自然と決算書の読み方も身につきます。
もちろん,経営者が会計処理に時間を割くのは好ましくありませんが,
こういったことを理解してから,会計ソフトの入力を社内・社外に依頼するのもいいでしょうね。

私が開催している勉強会では,クラシックな簿記を取り上げていますが,
会計ソフトを使いながら,簿記を理解する勉強会もアリかもしれません。

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【編集後記】
1月末に行われる不動産に関する税務相談会の依頼を先日いただきました!
ありがたいことに,おおむね年1回程度参加させていただいております。
2月,3月も所得税確定申告の相談会に参加する予定です。

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