フリーランスのためのはじめての確定申告ガイド2015年(平成27年)分

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フリーランス(個人事業主)で、はじめて確定申告をする方に向けて、全体像を記事にしてみました。
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※オフィスにて iPhone 6s

1 確定申告とは

確定申告の種類

フリーランスで、事業として収入がある方は、確定申告をしなければいけません。
確定申告には2種類あり、事前に申請すれば、青色申告。
何もしていなければ白色申告です。

青色申告の方は、経理をきちんとしなければいけませんが、そのかわり65万円をひくことができ、お得です。
後述します。
【関連記事】65万円が経費になり、税金・保険料が減る!フリーランスが青色申告で得するために必要な書類の作り方・出し方[郵送・持参・ネット] | EX-IT
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やるべきこと

1月1日から12月31日までの期間の利益を計算し、それを元に税金を計算します。

利益を計算するのは、決算書。
■青色申告の場合(青色申告決算書)
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■白色申告の場合(収支内訳書)
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税金を計算するのは、確定申告書(申告書)。
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この2段階で計算するのが確定申告です。

期限

翌年の3月15日(土日の場合は翌営業日)までに、確定申告書を提出します。
税金を払う場合は、同日までに納税しなければいけません。
納税は、
・金融機関・税務署で払う
・ネットで手続きし、ATMまたはネットバンギングで払う
・口座振替
といった方法があります。

【関連記事】ネットで法人税、消費税、所得税を納付する方法 | EX-IT
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還付の場合は、確定申告書に口座情報を入れておけば還付されます。

2 税務署は怖い?

確定申告は、所轄の税務署に対して行います。
遅れたり、出さなかったりすると罰金がかかるので注意しましょう。

ただし、罰金は、払う税金に対してかかります。

きちんと提出しても税務署は中身をチェックします。
売上はちゃんと入っているか、経費が多すぎないかなどをチェックし、不審な点がある場合は、問い合わせがあり、ときには実際に見に来ます(税務調査)。

提出するのは、原則として確定申告書と決算書ですので、細かい経理の内容や領収書、請求書などは実際に見に来ないとわからないのです。

個人の場合は、税務調査の可能性は低く、売上が少なければさらにその可能性は低くなりますが、一応頭に入れておきましょう。
税務署を気にしすぎてもダメですし、全く気にしないのもダメです。

3 脱税と節税

脱税は犯罪です。
ただ、税金を減らす工夫、つまり節税はやっていいもの、むしろやるべきものです。
こちらの記事に書きました。
【関連記事】ひとり税理士が考える脱税と節税&フリーランス・ひとり社長におすすめの節税策。 | EX-IT
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4 決算書の作り方・経理

決算書は、日々の経理の積み重ねです。
こまめに経理、できれば毎日やった方が楽にできます。
後回しにすると余計にめんどくさくなり、記憶も薄れていくからです。
【関連記事】来年は「確定申告、今日の何時までに提出?」なんて考えないようにしよう | EX-IT
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【関連記事】さらば、2014年のレシート。フリーランスは2015年こそ経理を日々やってみましょう。 | EX-IT
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経理のときに迷いがちな勘定科目(どういった項目で処理するか)は、気にしすぎてはいけません。
自分で決めるものだからです。
【関連記事】経理がグッとラクになる!フリーランスの勘定科目大事典 | EX-IT
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税務署のためではなく、自分のため、自分のお金の管理のためと思って、経理をやりましょう。
私も毎日やっています。
不安定なフリーランスこそ、自分の数字を見ることは欠かせません。
経理をやってもお金はたまりませんが、経理をやることでみえてくることも多いです。

5 税金の計算

税金は、利益から控除をひいたものに、税率をかけて計算します。

たとえば、売上が1000万円、経費が600万円なら、利益は400万円です。
青色申告の場合、ここから65万円を引き、335万円。

さらに健康保険、年金、基礎(誰でも38万円引ける)をひきます。
これら控除の金額を135万円とすると、335万円ー135万円=200万円となり、この金額に税率をかけるしくみです。

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税金は税率の表により計算しますので、
200万円×10%ー97,500円=102,500円が所得税です。
(さらに復興特別所得税がかかります)

これは、200万円全体に10%がかかっているわけではありません。
195万円までは、5%、それをこえる部分は10%という計算です。
195万円×5%+5万円(200万円ー195万円)×10%=102,500円となります。

「稼げば稼ぐほど税率が上がる」といわれますが、一気に上がるわけではありません。

【関連記事】年収1,000万円の場合の税金は約15%。年収と所得の違い、税率の考え方、誤解されやすい税金のしくみ | EX-IT
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フリーランスの場合、さらに、税金がかかる可能性があります。
・住民税
上記の場合は、だいたい200万円の10%の20万円の住民税がかかります。
住民税は一律10%です。

・事業税
(利益ー控除)が290万円を超え、一定の職種(ほとんど該当します)の場合、その超えた部分に事業税がかかります。

・消費税
2年前の売上が1,000万円を超えていると、その年は消費税を払わなければいけません。
【関連記事】消費税が8%になっても、合法的に納めなくてもいい条件(個人事業主・法人両対応) | EX-IT
リンク

6 確定申告書の作り方

確定申告書を作るには次のような方法があります。

自分でやる

自分でやる場合、手書きなら、国税庁サイトからPDFをダウンロードし、印刷します。
事業の場合は確定申告書Bです。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/02.htm

税務署にも用紙はありますが、取りに行く手間を考えるとダウンロードの方が楽です。

ソフトを使うなら、次のようなものがあります。
・国税庁サイト
国税庁のサイトは使いやすく無料で申告書を作ることができます。
ただし、この場合、決算書を会計ソフト等で作らなければいけません。
平成27年分はまだ準備中です。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/h27junbi/index.htm
【関連記事】郵送提出もできる!国税庁の確定申告サイトのすすめ | EX-IT
リンク

・会計ソフト
会計ソフトを使えば、決算書と申告書を作れるので便利です。

市販のものなら、やよいの青色申告があります。
Amazonで10,714円です。

ただ、今だったらクラウド会計ソフトもあります。
インストール不要、Macでも使える、バージョンアップができるといったメリットがある一方で、月額(年額)料金がかかるというデメリットがありますが、総じて使いやすいです。

・free(月980円)
・MF確定申告(月800円)
・やよいの青色申告オンライン(初年度無料)
がありますが、現状だと、MF確定申告が最もおすすめです。
freeeは使いにくい部分があり、やよいは、処理速度が遅く最も使いにくくおすすめしません。3社の中では古い会社なのでクラウドに対応しきれてない感じです(だから初年度無料なのでしょうが)。
別途比較記事を書きます。

・教えてもらう

教えてもらいながら自分で作るなら、税務署の相談コーナーや青色申告会で無料で教えてもらえます。
ただ、教えてもらうというスタンスで責任はとってもらえません。
誰に教えてもらえるかも当日の運ですし(外れもあります)、非常に混雑することも多いです。
こういったものは、税務署の職員のほか税理士も担当します。

私も、品川の青色申告会(2/2、2/10)、品川税務署無料相談会(2/4)の担当です。

・やってもらう

税理士に依頼してやってもらうのも手です。
税理士により値段は変わります。
私は、個人の確定申告を受けていません。
教えることなら個別コンサルで受けています。

7 確定申告書の提出

自分の住んでいるところ(届出を出せば事業所)を管轄する税務署をまず調べましょう。
https://www.nta.go.jp/soshiki/kokuzeikyoku/chizu/chizu.htm

持参

直接持参して提出する方法です。
このときはただ受け付けるだけですので、まだまだ安心はできません。
納税、還付が終わってもまだです。
税務署では、手続きを先に終わらせてからじっくりチェックしています。

ネット

e-Taxを使ってネットで提出できます。
しかし、個人番号カードとカードリーダーが必要です。
住基カードをすでに持っている場合は、有効期限までは使えます。
(住基カードの新規作成は、2015年で終了です)

郵送

作った確定申告書を郵送します。
この場合、控(受領印を押してもらい、それが正式な書類となる)と返信用封筒+切手を忘れないようにしましょう。

8 マイナンバーはどうなる

マイナンバーは今回の確定申告には関係ありません。
・平成28年1月1日以降に税務署へ出す書類(開業、異動、青色申告承認など)
・平成28年分の確定申告書(平成29年3月15日提出分)
から必要となります。

はじめて確定申告をする場合、かなり大変かと思います。
むしろ「大変なもの」とわりきりましょう。
これまで習ったこともないですし、誰からも教えてもらったことがないことなので当然です。
(こういうことを習わないのが教育課程のおかしなところです。「税金を払うのは義務」としか教えませんから)

自分でしっかり時間をかけて勉強しながらやっておけば、今後が楽になります。
フリーとして一生食べていくと決めたなら、確定申告の覚悟も決めましょう。





【編集後記】

昨日、4/17の宮古島トライアスロンの抽選結果の発表。
待ち構えていたメールには、「当選」の文字がありました。
スイム3.0km バイク157km ラン42.195kmの完走に向けて、トレーニングに励みます。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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