100万円の税金を減らすには412万円の買い物が必要。決算間近の買い物での節税をおすすめしない理由

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利益が出た!税金がかかる!税金払うくらいなら・・・と、モノを買って税金を減らそうとするのは、おすすめしません。
買い物で節税するのは、それなりに厳しいです。
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税金を払いたくない

「納税は義務です」
「税金を払いましょう」
「税金はしかたないです」
というつもりはありません。

税理士としてあるまじきことかもしれませんが、私も税金は嫌いです。

独立する前は、上記のように思っていたところがあります。
「税金、しょうがないじゃん」と。

ただ、独立して、会社を作り、税金を払うようになると、毎回割り切れない思いがあります。
きれいごとではすまされず、税金減らしたいなぁと思う部分もあるのです。
全然しょうがなくありません。。
(やはり税金の痛みを知ってこそ、税理士だと思います。それゆえに税理士独立のサポートもしています)

今は、
・個人事業主(フリーランス)の税理士事務所
・会社
の2つの形態で仕事をしています。
(税理士は個人事業でしかできません。法人化するには2人以上の税理士が必要です)

個人事業主の方は、源泉徴収され、税金を払っている感覚が弱められています。
(これが罠なのですが)
一方で、会社は、
・利益ができなくても年7万円
・利益が出れば、30%程度の税金がかかる
というしくみで、痛みも大きいです。
会社の方は、6月決算ですので、昨日が締めでした。
日々経理をしているので、利益もほぼ確定し、税金も決まっています。
あとは細かいところのチェックのみです。
ありがたいことに、それなりの税金を払います。
(もっと払っている方に比べれば、ごくごく少ない金額ですが)

2007年に設立して、2011年6月期にはじめて会社で税金が出ることになりました。
そのとき、「いやだー」と思って、余計なモノを買ってしまったことがあります。
理屈ではわかっていても、この年だけは取り乱しました(汗)。

その後は、納得し、無駄なことはしないようにしています。

・モノを買って節税するのは大変
・余計なモノを買って税金を減らしてもトータルでは無駄なお金が出て行ってしまう
という理由があるからです。

100万円の税金を減らすなら、412万円の買い物が必要(法人の場合)

決算間近に、モノを買えば、経費が増え、税金は減ります。
(もちろん、経費として認められるものです)
税金は、収入から経費をひいた利益に税率をかけて計算するからです。

たとえば、会社の利益 412万円の場合、約100万円の税金がかかります(法人税、地方税含む。東京都の場合。税率により多少変わります)。

この場合、この100万円の税金を0にするには、どのくらいのモノを買わなければいけないのでしょうか。
412万円の利益をゼロにするために、経費を412万円増やす、つまり412万円買い物をしなければいけません。

結構大変です。
かつ、30万円以上のものは、一括で経費にできません。
減価償却というしくみで、月割りで経費にする必要があります。
412万円の車を買っても、その決算で経費にできるのは、11万円です。

ましてや無駄なものを買ってしまっては、余計に損してしまいます。

極端な例ですが、利益412万円→税金100万円のケースで、考えてみましょう。

・無駄なモノを買ってあがいた場合→税金は0円(実際にはマイナスでもかかる7万円がかかります)
・何もしなかった場合→税金は100万円
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でていくお金で考えると、
・無駄なモノを買ってあがいた場合→412万円(プラス7万円)
・何もしなかった場合→100万円
となります。

312万円は次の事業年度に繰り越され、自由にかつ慎重に、本当に必要なものに使えるのです。

この理屈を頭の片隅に置いておくと、税金に対して納得感が少しは出てきます。
私も一度はあがきましたが、この痛みを越えないと、会社にお金は残りませんし、資金繰りは改善しません。
※もちろん、決算間近に必要なモノを買うのは問題ありませんし、どっちみち買うものなら前倒しで買っても大丈夫です。

普段から、好きなモノ・必要なモノを買っておく

もちろん、そのモノが事業に必要であれば、躊躇なく買っておくべきです。

・仕事の効率化が実現する
・自分が気持ちよく仕事ができる
・新しいモノを試すことで、新しい視野を得る
・そのモノを使うことで、お客様に情報提供できる=ネタになる
といったものは、決算を待たずして、すぐ買ってもかまいません。

普段から好きなモノ・必要なモノを買い、それでも利益が出たら、税金を潔く払うというバランスが一番納得感があります。
税理士でもあり、ひとり社長でもあり、税金の痛みを感じた今の私の結論です。

モノだけではなく、他にもお金の使い道はあります。
・人(内部、外部)に払う
・自分を高める投資(書籍、セミナー、コンサル)に払う
なども、躊躇なく使うべきものです。

ただ、躊躇なく使うためには、「使っても大丈夫か(大丈夫そうか)」という安心が欠かせません。
そのために、事業の数字を日々記録し、少なくとも月ごとに状況を把握しておく必要があります。
使いすぎて、利益がマイナスになった、お金が足りなくなった・・となってしまったら、節税どころではありません。

そもそも、事業とは、利益を上げるためにやっているものであり、税金を減らすというのは相反するもので難しいものなのです。
どうしても税金を払いたくないのなら、事業で利益を出してはいけません。

お客様からいただいた収入、お金を大事にうまく使い、その結果としてお客様や社会によりよりサービスやモノを提供することを念頭におき、その流れの中で、システムとしての税金を払うということで納得しています。

「税金を払う」ことにある程度の納得感がなければ、事業をしていく上でずっと苦しんでしまうでしょう。
決算のたびに、納税のたびに嫌な思いをしなければいけません。
無駄に税金を減らそうとしない方が、納得感が出てきます。
もちろん、その一方で、徹底して節税はやるべきです。





【編集後記】
昨日は、友人の新オフィスを訪問。
JR御徒町駅集合だったのですが、勘違いしていて新御徒町駅へ。。
(オフィスは新御徒町です。言い訳すると・・・)

ランニングで集合場所に行っていて走って向かうことができたのでまだよかったです。
(勘違いはよくはありませんが)

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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友人のオフィス

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