税理士として独立するために必要な戦略ー税理士試験合格・実務経験証明取得・独立時ー

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税理士として独立するまでに必要な戦略についてまとめてみました。
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税理士試験時の戦略

試験のしくみとその戦略

税理士になるには、原則として、試験に合格しなければいけません。
試験は、11科目あり、そのうち5つをとれば合格です。

○必ずとらなければいけない
簿記論・財務諸表論

○どちらか1つを必ずとらなければいけない
法人税法 所得税法

簿記論・財務諸表論+法人税法or所得税法で、3科目。
残りの2科目は、
消費税法、相続税法、固定資産税、住民税、事業税、酒税法、国税徴収法
のうちから選びます。
(消費税と酒税法、住民税と事業税はいずれか1つしか受けられません)

試験は、年に1回、8月に行われます。
学習期間は、1科目につき1年間。

5科目を1年で受験し、合格するのは、ボリューム的にほぼ不可能ですので、合格まで最低でも2年かかります。
1年に2科目から3科目を受験するのが現実的です。

私は、
2001 簿記論(合格)・財務諸表論(不合格)・消費税(合格)
2002 財務諸表論(合格)・法人税法(合格)
2003 国税徴収法(合格)
と受けてきました。
(2000に3ヶ月の勉強期間で国税徴収法を受け、不合格でした。。税理士の道に進むと決めたのが4月だったので、ひとまず受験したのですが、これはこれでよかったと思っています。)

2001年は、1年間勉強に専念していたので3科目受けることができていますが、働きながら受験するなら1年に1から2科目というのが無難でしょう。

2科目・2科目・1科目でも、1科目、2科目、2科目といったふうに3年で合格をいう戦略を立てておくのが現実的です。

組み合わせとして、できれば税法科目(簿記論、財務諸表論以外)を2つ組み合わせないのをおすすめします。
暗記や法律の理解が必要となる税法科目は、試験前に負担がかかるからです。

どの科目を選ぶかは悩みどころではあります。
独立時の仕事スタイル、興味がある科目、ボリュームで考えましょう。
受験しない科目も、どっちみち勉強しますし、合格した科目も毎年新しい論点が出てきます。
簿記論・財務諸表論は必須で、法人メインにするなら、法人税・消費税、資産税メインにするなら所得税、相続税を取り、あとの1科目は好きなのを選ぶという感覚でいいかと思います。

勉強時間確保の戦略

勉強時間をどう確保するかという戦略が必須となります。
高校受験や大学受験と違い、税理士試験は、勉強にだけ専念できません。
仕事をして、食べていかなければいけない状態の方がほとんどだからです。

月から金まで残業で、土日だけ勉強して合格するのは至難のわざですので、やはり平日どれだけ勉強できるかが勝負となります。

・残業のない職場を選ぶ
・残業しないようにする
・仕事の合間にも勉強
といった工夫は必要です。

残業だらけだと、2科目、3科目でとまってしまいます。
勉強する暇がないので、5科目合格までたどりつかないのです。
税理士事務所業界で、もっとも好まれる人材は、「仕事ができて試験に受からない人」と言われています。
そんなことは雇う側の都合ですので、自分の夢をかなえるために、そのもくろみを打破しましょう。

私は、受験時代、2カ所で働きましたが、条件が悪くても残業がないところを選びました。
残業がなく、かう、経験が積めるところとなるとなかなかありませんが、時間の確保に全力をつくしましょう。

ある意味、わりきりも必要です。
試験に合格するために、友人、職場の付き合い、職場の評価、プライベート、など、切り捨てるべきもあります。
1年でも早く受かることで、道がひらけますので(楽な道ではありませんが)、全力をつくしましょう。

働いていた頃はこのくらい勉強していました。
・朝、通勤時に1時間弱
・ランチ時に1時間弱
・平日は、19時から0時くらいまで
・土日は、8時間から12時間

勉強に関する戦略

がむしゃらに勉強しても勝ち残れません。

時間を確保しつつ、その時間を有効に使うことで、合格確率は上がります。

・専門学校の授業は必ず受ける
・先生にいわれたことは全部やる(ただし、ついていきたい!と思える先生を徹底して探す)
・自分のミスを記録する
・計算問題は繰り返しやる
・勉強方法を工夫する(Wordで理論を覚える、Excelで情報をまとめる)
などをやっていました。
【関連記事】今、税理士受験をするとしたら……PC活用勉強法 |EX-IT
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実務経験証明

税理士資格は、原則として税理士受験合格と2年間の実務経験が必要です。

実務経験のタイミング

この実務経験は、5科目の合格の前でも後でもかまいません。
できれば、5科目受かってしまう前に、実務経験の要件を満たしておきましょう。

5科目合格してしまうと、転職先の選択肢が少なくなります。
大きなところはともかく、小さな税理士事務所では、5科目合格した人をとりたがりません。
独立してしまうからというがあるからです。

ただ、実務経験が後になってしまったら、しかたありませんので、なんとかするしかないでしょう。

証明書取得

実務経験の証明書を、勤めていたところからだしてもらわなければいけません。
この証明書を出してくれないということも良く聞きます。
自分と同じ税理士を認めたくないからかもしれませんが、そんなときは、税理士会の税理士登録担当の方へ相談しましょう。

こちらとしてできるのは、円満退職(円満じゃなくても)しておくことです。
私は、最初の事務所の7ヶ月と、次の事務所の1年4ヶ月、計2年1ヶ月で申請を出しました。
複数の場所の証明書でもいいのです。
どちらも円満退職(ってことにしてましたが)だったので、証明書をもらうことができました。

独立のタイミング

最後は、独立時の戦略です。
独立する、つまり辞めるタイミングは、職場と調整し、最速にしましょう。
独立後の経験値は、独立前をはるかにこえるので、独立を視野にしているなら、独立前にいくら経験を積んでもそれほど意味がありません。

独立前のフィールドと独立後のフィールドはまったく違いますし、むしろ種目が違うともいえるからです。

理想的なのは、
・実務経験2年以上を積む

・税理士試験5科目に合格する
という順で、その合格日(毎年12月)の翌年に独立することです。
そのタイミングを逃した方は、この記事を見てから1年以内と決めてみてはいかがでしょうか。
私は合格後にタイミングを逃し、合格してから独立まで4年を費やしてしまいました。

翌年のうち、いつ独立するかは、職場と調整しましょう。
いなくなると困るといわれても、1年あれば十分なはずです。

円満退職にならないかもしれませんし、嫌がらせや、嫌みをいわれることもありかもしれません。
それはそれでしかたがないことです。
独立を目指して勉強して、我慢して、犠牲にしてきたのですから、独立のタイミングで躊躇しないようにしましょう。
独立を考えるような方は、もう十分その職場に貢献してきたはずです。
給料も、担当先の売上の3分の1、ときにはもっと少ない分しかもらっていないのではないでしょうか。

 

もちろん最大限の配慮は必要ですし、お金・生活をどうするか、家族がいる場合は理解してもらえるかということも大事です。

そういったバランス調整は、独立後は日々やらなければいけないことですので、試練だと思ってやり遂げ、独立を実現させましょう。
独立後にやることはたくさんありますので、ここでくすぶっているわけにもいきません。
【関連記事】受験から10年、改めて考える税理士試験。合格できた要因と試験脳の危険性 |EX-IT
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独立への後押し、独立後のリアルな心境は、『ひとり税理士の仕事術』にも書きました。

メルマガ『税理士進化論』





【編集後記】

昨日は早朝から葉山で海練。
品川駅で人身事故、途中でも車両トラブルで大幅に遅れました。。。

戻ってきて、シークレット開催のひとり仕事術セミナーの収録。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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