会社設立freee。スタバで使ってみた税理士が贈る、会社設立freee+αのアドバイス。

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会社設立の書類がオンラインで作れる「会社設立freee」、試しに使ってみました。
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会社を作る(設立する)ために必要な手続き

会社を作る場合、登記という手続きが必要です。
登記とは、所在地(オフィス又は自宅が多いです)に登録するもので、法務局という役所で手続きします。

登記関係で、現状は次のような手続きが必要となります。

1 必要な事項を決める
・会社を登記する場所
・会社名
・資本金の金額
・資本金を出す人(株主)
・代表取締役、役員
・事業年度(決算月)
・会社の目的
など

2 登記に必要な書類を作る

3 登記に必要な書類を法務局等へ提出する

4 資本金を振り込む

5 税務署等へ提出する書類を作る

6 税務署等へ提出する書類を提出する

7 その他、社会保険関係の手続き、口座開設

登記の申請手続きができるのは、司法書士という資格が必要となります。
私の資格、税理士でもできません。
会社設立の依頼があれば、司法書士を紹介する又は書類の作り方を教えるだけです。
(行政書士という資格も登記申請はできません)

会社設立freee
は、上記のうち、主に、2の「登記に必要な書類を作る」、5の「税務署等へ提出する書類を作る」をオンラインでできます(7の書類や口座開設も可能です)。
クラウド会計ソフトfreeeが運営)
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会社設立費用のしくみ

株式会社の設立には、通常、次のような費用がかかります。

・定款(会社の規程、ルール)の認証(役所で認めてもらう) 5万2,000円(若干異なる場合も)
・登録免許税 15万円(資本金の0.7%と15万円のどちらか多い方ですが、通常はほとんど15万円です)
・定款の収入印紙代 4万円

合計 24万2,000円です。

専門家(司法書士)に依頼すると、司法書士は、電子定款というものをつくるため、「定款の収入印紙代 4万円」がいりません。
合計の24万2,000円ー4万円で、実質の費用は、20万2,000円です。
これに5万円から10万円の報酬が加算されて、請求額が25万円から30万円となります。

電子定款は、自分でもできないことはありませんが、それなりの手間です。

一方、会社設立freeeでは、この電子定款手数料は5,000円となっています。
freee提携の専門家に依頼し、その専門家が代行します。
私が会社を作ったときは、電子定款のみを依頼し、あとは、自分でやりました。

自分でやる、司法書士に依頼、会社設立freeeのしくみはこのようになります。
もちろん、司法書士に依頼すれば、会社設立に関するアドバイスを受けることができますので、一概に、会社設立freeeがいいとも限りませんが、オンラインで書類がさくっと作れるのは魅力です。
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なお、登録免許税と定款認証手数料は、絶対に必要なものですので、逃れられません。
「0円で会社設立!」といっても、登録免許税と定款認証手数料は当然かかるので注意が必要です。
税理士顧問契約を条件にこの費用を負担しているところもあります。
司法書士報酬分を税理士が負担し、顧問契約で回収するというしくみです。
(私はやっていませんが)

会社設立freeeの使い方と注意点

実際に会社設立freeeを使ってみました。

1 会社名の入力

まずは会社名を決めます。
ネットで検索してみて、類似のものがないか、調べておきましょう。
HPのドメインもあわせて考えておくべきです。

2 代表取締役の情報の入力

代表取締役(通常、自分)の情報を入力します。
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自宅住所を会社の所在地として登記するには、「設立する会社の住所にも使用する」にチェックを入れましょう。
やっかいなことに、登記した場所を移転するとお金がかかります。
同じ管轄(だいたい市区町村です)なら、3万円、異なる管轄なら6万円です。
(高すぎて、なんの費用だ!って感じですが。。)
このことも踏まえて会社の所在地を決めましょう。

出資金は、会社の資本金となるものです(代表取締役の出資分という意味で、ここでは「出資金」という表現になっています)。
1円から作れますが、あとで増やすのは大変ですので、目安として100万円程度にはしておきましょう。
1,000万円にすると、「資本金が1,000万円以上の場合は、設立第1期から消費税を払わなければいけない」というルールにひっかかります。
まあ、会社設立freeeでやると、こういったアドバイスがないのですが、司法書士に依頼しても税務面のアドバイスがないこともありますので、同じといえば同じです。。

【関連記事】消費税が8%になっても、合法的に納めなくてもいい条件(個人事業主・法人両対応) | EX-IT
リンク規模が小さければ小さいほど、株主、つまり出資するのは代表者1人にしておきましょう。
友人と出し合う、知人から出し合う、という形で、他人が株を持っていると、将来亭に憂いになる可能性が高いです。
上場していない会社の株は売買が難しく、その価値を計算するのも大変ですので、いくらで取引するかも問題となります。
会社のコントロールを失わないためにも、他人が株を持つ場合であっても、過半数、できれば3分の2の株は持つようにしましょう。

3 事業目的の入力

事業目的とは、定款や謄本に載る、こういったものです。
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定款にのっていない事業をやってはいけないということにはなっていますが、厳密にそれをとがめられることはまずないでしょう。
とはいえ、きちんとしておくことにこしたことはないので、多めに書くのが通例です。
(許認可が必要な事業は除く)

会社設立freeeでは、業種を選ぶと、
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それに沿った目的が出てくるので選べば、
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それらしいものができあがります。
これで十分です。
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4 株数を決める

上場を目指すなら別ですが、そうでないから、ここは1株1万円で、発行可能が1万株くらいで十分です。
最初に資本金100万円で設立するなら、1株1万円なので、100株。1万株まで増やすと資本金1億円。
ここまで増やすことはないでしょうが、このようにしているケースが多いです。
「株式の譲渡」については、「代表取締役の承認が必要」にしておきましょう。
こうしておかないと法律上やっかいなことになる可能性もあり、そもそも上場もしていないのに、勝手に売買されたら困ります。
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5 取締役会の設置を決める

昔は、取締役会の設置が必要でした。
この場合、取締役が3人必要です。
通常は、取締役会は必要ありません。ひとり社長ならなおさらです。
株主=代表取締役なら、すべてを株主総会で決められます。
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6 事業年度

事業年度、何月を決算月にするかを決めます。
セオリーとしては、
・設立日から1年たった月にする(6/26に設立なら、5月決算。消費税が免税になるのは、設立から2期なので、1期ができるだけ12ヶ月に近い方が免税期間を多く取れる)
・売上が急激に増える月は避ける(3月、12月など。決算予測が付かず決算対策、節税対策がやりにくくなる)
というものです。

税理士事務所が忙しい3月、12月は避けた方がいいという情報もありますが、忙しそうなところなら無理に依頼しなくてもいいかと思います。
税理士事務所の都合で決算期を決めるのもナンセンスです。

なお、決算期は、費用負担なしで変えることができます(定款変更という手続。登記は必要ないので費用なし)。

7 公告の方法

会社は、決算の内容を公表しなければいけません。
法律上は。

官報という政府発行の紙面に公告するなら6万円ほど。
今は、インターネット上で公告することも可能です。

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会社設立freeeは、年1,000円でサイトでの公告ができます。
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・・・なのですが、中小企業で、この公告をやっているところはほとんどありません。。。
(大きな声ではいえませんが・・)
どうするかは個々の判断です。

8 個人の印鑑証明書を準備

登記には、代表者個人の印鑑証明書が必要ですので、別途準備しましょう。

9 印鑑を発注

印鑑社会の日本。会社にも印鑑が必要です。
(そろそろ撤廃して欲しいのですが)

通常は、代表取締役の印鑑、銀行印、角印(請求書等に使う)の3つを準備します。
(代表印と銀行印を兼ねることもあります)
これをそのまま発注できるので、特にこだわりがなければ発注してもいいでしょう。
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10 定款の認証方法を決める

前述した定款の認証方法を決めます。
freee提携の司法書士なら、5,000円で電子定款を作ってくれ、紙の定款なら4万円です。

ただし、公証役場で定款をチェックしてもらうのは自分でやらなければいけません。
住所地から役所を表示してくれるのは親切です。

司法書士の定款の手続きが終わったら、公証役場に行くことになります。
いったんここで手続きは終了です。
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ここまでは、本当にスタバでも5分で書類ができあがります。
(スタバでも会社設立できる!というような表現のニュースもありました)
ただ、電子定款を待たなければいけませんし、後日役所にも行かなければいけませんし、資本金の振り込み、法務局への提出、税務署への提出などの手順もあります。
もちろん、ささっと入力するには、会社の登記に必要な事項が決まっているのが前提です。

それでも、ここまで簡略化し、スマホやタブレットでも書類が作れるのはすばらしいことだと思います。

その後の流れについても書いておきます。

11 資本金の振り込み、コピー

資本金を証明するために、振り込みます。
会社の口座は当然できてませんので、振込先は、代表取締役個人の口座です。
そのコピーが、登記で必要となります。
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管轄の法務局の案内も表示されるので安心です。
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12 年金事務所の手続き

会社の場合、社会保険(健康保険、厚生年金)の加入は義務です。
1人でも年金事務所の手続きをしなければいけません。
ただ、現状は・・・すぐには加入していないのが現実ではあります。
設立当初は代表者への給料を払えない、決められないという現状もあるので、さじかげんが難しいところです。

13 税務署の手続き

税務署へ絶対出さなければいけないのは、青色申告の届出書です。
これを原則として、設立から3ヶ月以内に出さなければ、その年度は青色申告の特典を受けることができません。
・マイナスが出た場合にも、次の年度に繰り越せない(青色申告なら、利益が前年度-100万、今年度300万の場合、200万に税金がかかる)
・10万円以上のモノを買った場合、一括で経費に落とせない
などといったデメリットがあります。

その他の届出書も、会社設立freeeでできあがるものを出しておけば問題ありません。
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こういった届出書は、会社設立とは別に結構な金額がかかる場合もあります。
自分で問題なく出せますので、さくっと作って出しておきましょう。
税務署等に行かなくても、提出用と控、返信用封筒を入れれば郵送で大丈夫です。
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会社設立freee

おまけ
サービス提供側から、この「会社設立freee」を見ると、大歓迎です。
いい流れだと思います。
遅かれはやかれこういったサービスが出てきて、なくなる仕事は最初から手放しておくべきです。

【関連記事】ブラックボックスビジネスはもう古い。専門知識やスキルを手放そう | EX-IT
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【編集後記】

昨日、友人から酵素をもらいました。
うまくやれば、酵素を増やせるそうで、挑戦してみるつもりです。
やりやすいというレモンでやってみようかと。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

酵素の元種をもらった
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