経理は利益を生まない?

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昨日,クライアント訪問後,事務所に戻る途中に,
以前勤めていた会社(税理士事務所以外に会社に勤めていた時代があります。)の同僚と
秋葉原でばったり,会いました。
通常なら御徒町で降りるのですが,たまたま買い物のため,秋葉原で降りたのです。
これもたまたま早く仕事が終わり,久しぶりに秋葉原で降りたということでした。
こういう偶然ってあるものです。
彼はまだその会社にいます。
当時は,彼が請求書発行・入金管理部門,私が経理全般の担当者でした。
いくつか話をするうちに,
「会社の経理体制」について思い出したことがありますので,それについて書きます。
会社にいたときは,胃を壊すくらいの戦い(?)でした。
入社時
 入社時に言われたのは,「月次決算ができてないんです・・・」ということ。
そこそこの規模の会社でしたが,まあ,なんとかなると思って,入社しましたが,
そう簡単にはいきませんでした。
現金管理
私の持論の「現金管理は経理の基本」は,ここでも当てはまりました。
会計ソフトの残高と,実際の残高が一致しません。
原因は,現金の出し入れが多いこと。
・社員それぞれが使った経費をその都度,現金で精算
・仮払い(前もって経費を払う)もその都度行う。
 しかも出張してきた社員に3万円渡してそれっきりというように
 支払ったままで精算していない残高がある。
・営業担当者が現金で売上を回収してくる。
現金の出し入れが多ければ,合わせることは難しいです。
結局,○○万円の残高が合いませんでした。
その後は,現金支払いのシンプルなルールを作り,このようなことをなくしました。
売上管理
一応,システムは入っていたのですが,いつ何をいくら売り上げたのかわからない状態でした。
・複数の部署から請求書を発行している
・一度出力した請求書の内容を変えることができるシステム
・○月分の売上というくくりで一覧表を出せない
・顧客管理が曖昧。あるときは会社名,あるときは部署名,担当者名で請求。
という状態でしたので,売上を確定させるのに一苦労でした。
しかたなく,請求書控をExcelに入力してもらうという本末転倒なことをして,
売上を確定しています。
多額の売上請求もれもあり,びっくりすることの多い会社でした・・・。

入金管理
当然ながら,そのシステムでは,入金の管理もできません。
・入ってきたお金がいつのどの売上か分からない。 
・請求書どおりに入金されているかが分からない。
・営業が入金管理をしていない。
預金のデータのみが頼りでしたので,
先ほどの請求書データと預金データを自動でマッチングさせるマクロを作り,
何とか合わせていました。
ある程度は自動化していましたが,
請求書の名称と預金の振り込み名義が全く違うと,手作業です。
幸か不幸かこの会社でExcelスキルがかなりアップしました・・・。

支払管理
支払管理は,請求書が来たものを払う(チェックは必要ですが)だけなので,
そんなに問題はありませんでした。

経理は利益を生まない?
「経理は利益を生まない。経理に時間をかけるくらいだったら,売上を上げることを考える」
よく聞く言葉です。
半分は,正しく,半分は間違っていると思います。
確かに「利益」への直接的な貢献は少ないのですが,
その「利益」を確定するためには,正しい経理が必要です。
経理に手間をかけ過ぎ,細かい数字合わせにこだわっても意味がありませんが,
基本的な事項はしっかりおさえておく必要があります。
経理とは,何か?
というと,結局はお金のことです。
経理体制が甘いと,社内,社外ともに悪い影響があります。
どんなにいいモノやサービスを提供しても,その影響で台無しになってしまってはもったいないです。
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