税務署に関係なく、いつの売上にするか・できるか。

2025年6月1日

経理・会計入門

独立後の売上は、カード払いだったり、前もっていただいたり、後からの振込だったりさまざまなタイミングがあります。
それをいつの売上にするか。
注意点とともにまとめてみました。

※今日の売上　by　Nikon Zf+14-24mmF2.8

1 いつの売上か？
2 決算のときに売上がもれてなければオッケー
3 決算以外はいつの売上にしても、自由

いつの売上か？

いつの売上かというのがなぜ大事かというと、そのタイミングによって税金が変わるからです。
決算書の売上の金額も変わるのですが、独立後、通常は、税金＝税務署の目を気にしなければいけません。
たとえば
・5/20にご契約いただいた6/1の仕事で、ご入金は5/25
という場合、いつが売上になるか。
契約の日（5/20）かご入金いただいた日（5/25）か仕事をする6/1か。

税金上はどうかを、まず考えてみましょう。

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決算のときに売上がもれてなければオッケー

税金上は、この事例の場合、決算が12月(個人の方を含む）だと、どれでも問題ありません。
5月だろうと6月だろうと1年間の売上は変わらないからです。

もし法人で、5月決算の会社だったらどうか。
5月に売上があれば、つまりもれていなければ問題ありません。

逆に6月の売上なのに、5月に売上があると、こちらがその分の税金を損するというわけです。
損する分には、基本的に、税務署からのお咎めはありません。

では、逆に5月の仕事で6月に入金がある場合、6月に売上が入っていると、税務署としては、見逃せないこととなります。
（き、金額にもよりますが）
売上がもれているということで、そこに罰金がかかるのです。

どっちみち、売上に入れているんだから関係ないだろうと思われるかもしれませんが、違いがあります。
（5月決算の場合）
・2025年5月の売上→税金の期限は、決算から2ヶ月後の2025年7月末
・2025年6月の売上→税金の期限は、次の決算から2ヶ月後の2026年7月末

6月に売上を立てていると、2026年7月にその分の税金が払われることになります。
1年も税金が先延ばしになるということは税務署としては許されないわけです。

売上の考え方としてはこのように捉えておきましょう。
じゃあ決算で関係ないんだったらいつ売上にしてもいいのかどうか。
いいといえばいいということになります。

決算以外はいつの売上にしても、自由

基本的には仕事をしたとき、売上にしますが、これは教科書通りの話であって、ご自身の感覚としてはいつの売上がいいか。
ご入金いただいた5月の売上にしたほうが感覚と合うなら、それでもかまいません。
6月の売上でも5月にご入金したいただいた時点で、売上でするということです。

その場合5月決算だったら決算のときに、その分の売上を調整することはできます。
たとえば5万円で、全体の売上が1200万円だったら、5万円を引いて、売上が1195万円になり、それで経費と合わせて税金を計算することになるのです。
具体的には
売上高　5万円/ 前受金　5万円
という処理です。

これを6月になったら、
前受金　5万円/　売上高　5万円
と処理します。
これでもいいわけです。

めんどくさかったらそのままにしておいて税金を多めに払うというのも問題ないといえば問題ありません。
そのほうがシンプルでわかりやすいという判断もできます。

逆に5月の売上で6月に入金があって、6月に売上にしているなら、5月までの売上が足りないということになりますので、別途追加します。
具体的には,
売掛金　/　売上高　5万円
という処理です。

日々の経理はご自身の感覚に合わせておき、決算のときは税金用に数字を修正することもできます。

私はどうしているかというと、仕事をしたときに売上を記録しています。
5月の仕事だったら5月、6月の仕事だったら6月です。
ただし、
・1年間まとめてお支払いいただく場合（税務顧問）
・6回分まとめてお支払いいただく場合（個別コンサルティング）
・6ヶ月分まとめてお支払いいただく場合（ひとり税理士道場）
といったもののもあり、そのときには最初のタイミングで売上にしています。
それを1ヵ月ずつ6ヶ月、12ヶ月経理するのはめんどくさいからです。

ただし、税金をむげに払う必要もないので、決算のときには、今回ご紹介したような形で前受金という処理をしています。

お客様の経理の場合は、打ち合わせしながら決めており、それぞれです。

前もって受け取ったほうが、仕事の流れもシンプルになります。
仕事の後に請求となると、入金のタイミングも遅れますし。
ただ、経理はやや複雑になるので、どういうパターンにするか、決めておきましょう。
ある程度の選択の幅はあります。