ふるさと納税について考える その2

住民税の10%程度を「ふるさと」に納税するふるさと納税。
 まずは、住民税の申告及び納付についてご説明したいと思います。

 平成19年6月から平成20年5月の住民税は、平成18年の所得によって決定されています。
 去年の12月又は今年の1月に源泉徴収票というものを会社から受け取ったかと思いますが、この源泉徴収票に平成18年の所得は記載されています。

 会社では、この源泉徴収票と同じフォームのものを平成19年1月1日現在の住所の役所に提出しています。(名称は給与支払報告書といいます。)
 30人の会社だと、最大30箇所に送付しなければならないので、結構な事務負担ではあります。

 役所では、この給与支払報告書に基づいて、12枚の納付書(平成19年6月-平成20年5月分)を作成し、今年の5月ごろに会社へ送付しています。この納付書の金額が、給与から差し引かれる金額です。

 6月25日に給与を支払った会社は、その給与から差し引いた住民税を翌月の10日までに銀行等で納付します。

 この手続が住民税の特別徴収といわれるものです。

 これに対して、個人事業主の方は直接送付されてくる納付書により、自分で納付(銀行引落)しています。しかし、自分の住んでいる市区町村には、自分の所得を教えていないはずなのにと思われる方もいらっしゃるかと思います。
 実は、所得税の確定申告の際に、住民税も申告しているのです。所得税の確定申告書は3部提出していますが、その3部は、税務署用、市区町村用、本人控となっています。


 こちらの手続きは、住民税の普通徴収といわれるものです。
 会社は原則として特別徴収をしなければならないのですが、普通徴収で行っているケースもあります。この場合は、給与支払報告書提出の際に普通徴収である旨を届け出ています。


 さて、ふるさと納税をこの一連の手続に組み込むとするとどうなるでしょうか?

1 特別徴収の場合
 ふるさと納税用にもう1部給与支払報告書を作成し、提出することが考えられます。
 現状はPCのソフトウェアで作成していますので、今年の秋に決定してからソフトウェアで対応するのは難しいでしょう。
 1月1日時点の住所の役所にもふるさと納税の情報を記載する必要があります。税額の10%は他の市区町村用なのですから。
 各市区町村の事務負担は、今までの約2倍になります。居住地、「ふるさと」双方に提出する必要がありますし、社員の「ふるさと」の把握もしなければならないからです。

2 普通徴収の場合
 やはり所得税の確定申告時に申告することになるでしょう。こちらもソフトウェア等の対応が問題となります。

 他にもいろいろなケースが考えられますが、今後の動向を注意深く見守りたいと思います。
   
 
 
 
 


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