支払調書の仕組み

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この時期,支払調書というものを作成します。
○概要
いろいろな種類がありますが,
そのうちの1つは,
税理士や他の士業に対して作成するものです。
会社と税理士という関係で考えると,
会社が税理士に報酬を払うときは,10%の源泉所得税を
差し引きます。
報酬が105,000円だったら,10,000円の源泉所得税を差し引いて,
95,000円(105,000円-10,000円)となります。
1月から12月までに支払った金額と
差し引いた源泉所得税を記載したのが,
支払調書です。(報酬,料金,契約金及び賞金の支払調書)

○支払調書の提出
この支払調書は,下の図のように,
支払う側(会社)が
受け取る側(税理士等)と税務署に提出します。
Newtype税理士 井ノ上陽一のブログ|
なぜこのようなことをするのかというと,
税金が適正に支払われているかの確認という意味もあります。
受け取る側(税理士等)は確定申告により,
その年の収入を申告します。
その受け取る側(税理士等)が申告した収入と
支払う側(会社)が提出した支払調書を
照らし合わせると
正確に申告しているかがわかるわけです。

○支払調書の作成
この支払調書の作成は,
支払う側(会社)が行い,税務署及び受け取る側へ提出します。
会社が行う場合もありますが,
税理士が行うことも多いです。
私の場合は,すべてのお客様について,この作成業務を
行っています。
1年間の取引を集計して作成するので,
まともに作成すると大変です。
そこで,日々の会計ソフト入力のときから工夫しています

○支払調書の提出
税務署への提出についても,私の方で行います。
また,司法書士,社会保険労務士など
それぞれの士業の方への送付についても
ほとんどの場合面識がありますので,
私の方から直接お送りしています。
○支払調書を受け取る側の処理
私の場合は,ほとんどがお客様である会社からの
報酬です。
上記の通り自分自身の支払調書を作成することになります。
お客様の会計上の数字と
自分の会計上の数字が一致しているかを確認して,
税務署への提出のみ行います。
受け取る側は,必ずしも支払調書を基に
確定申告をしなければいけないわけではありません。
請求書と会計データ(帳簿)を基に確定申告を行いますので,
支払調書は確認程度というケースも多いかと思います。
ただし,
税務署は,支払調書の金額で
収入と源泉所得税を
把握しているので,
一致しているかどうかを確認する必要があります。
○実際の支払調書
今日私に届いた支払調書で
相談会の報酬分のものです。
Newtype税理士 井ノ上陽一のブログ|-20090123113947.jpg
支払金額は8,690円 源泉徴収税額は827円。
8,690円の消費税抜金額lは,8,276円ですので,
源泉徴収税額は,8,276円×10%=827円となります。
当然,事務所の会計ソフトには入力されてますし,
申告します(笑)
○まとめ
この報酬の支払調書のように,
税務当局は,
何らかの形で収入を把握するようになっています。
株式の配当や譲渡も
保険金も同じ仕組みです。
2009年からはFXについても
この支払調書の作成が義務づけられます。

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