・Excelマクロの事例ー給与計算ソフトー

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Excelでマクロを使う事例として、給与計算ソフトをご紹介します。
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Excelで給与計算をする理由

給与計算ソフトを購入すれば、Excelで給与計算をしなくてもすみます。
ただし、毎年更新をしなければいけないケースも多いです。
すべての会社、個人事業主で導入するのは難しいでしょう。
特に1人〜数人の会社では、負担感が大きくなります。

一般的な給与計算ソフトは細かい部分の融通が利かないことも多いです。
(これは一般的なソフト全般に言えることですが)

そのためコストがかからずカスタマイズができるExcelを使っているのです。

(まあ、開発、改善コストが実際にはかかっていますけどね)
Excelの機能(関数、数式)に加えてマクロで操作を自動化しています。
当事務所では、数社に導入済みです。

 

 

基本的な機能

給与の支給控除一覧表を完成させ、その一覧表から給与明細を作るという仕組みです。
他にもやり方はありますが、汎用性をもたせるため、分かりやすくするためにこの方法にしています。
月ごとにシートが分かれており、給与明細は別ファイルで作成されます。

基本的な機能は次のとおりです。
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入力する部分

支給金額、16歳未満の扶養親族数、社会保険料(健康保険料、厚生年金、介護保険料)、住民税、その他控除(財形など)は入力します。
社会保険料は、計算することもできますが、そうそう変わるものではないので、入力にしています。

 

自動計算する部分

次の部分は自動計算されます。
・合計→SUM関数で計算しています。
・部門ごとの計→SUMIF関数で計算しています。
・雇用保険料→「加入」しているかどうかを入力し、IF関数で判断し、計算しています。
・源泉所得税→課税対象額とあらかじめ入力した扶養親族数からVlookup関数で計算します。
・扶養手当→会社の規程に応じて、人数から計算しています。
・欠勤控除→欠勤日数を入れると、欠勤控除額を自動的に計算します。
・時間外手当→時間外の時間数を入れると、時間外手当を自動的に計算します。時間数をIF関数で判断しています。休日手当も同様です。

 

マクロを使っている部分

ボタンを設置し,マクロで自動的に行う部分です。
・給与明細の作成
給与明細を別ファイルに作成します。
動画で作ってみました。
社員がいくら増えても同じように作ることができるのが、マクロの魅力です。

・繰越
シートをコピーし、シート名を次の月に変更します。
その際に、時間外、休日、欠勤等のデータはいったんクリアします。

・年末調整用データ
全データをマクロで集計します
年末調整用のソフトにそのまま取り込めるようにしています。

・会計ソフト取込用のデータ
給与計算に関する仕訳を会計ソフトに入力しなければいけません。
ただ、この仕訳が結構めんどくさいのです。
そこで、Excel上で計算、チェックし、会計ソフトに取り込むマクロを作っています。
次の事例は部門別に集計したものです。
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・賃金台帳
各人別の賃金台帳はマクロで集計しています。

 

その他手続き用の資料

・源泉所得税納付用データ
源泉所得税を納付するためのデータを集計します。(毎月納付の場合)
このデータをe-Taxソフトに入力しています。
毎月納付する場合、毎回このデータを作るのはめんどくさいのです。
数字は、「=」で参照し、人数はCOUNT関数で数えています。
報酬部分は入力します。
特例(半年に1回納付)の場合もマクロで対応する予定です。
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・社会保険料、労働保険料関係
申告用のデータの集計や、年齢による控除の有無を判断する機能を入れています。

 

 

毎月やること

毎月やることは、次のようなものです。
・時間外、休日等変動するものを入力

・その他変更になる部分を入力

マクロを実行

給与明細をプリントアウト

その後、「繰越」のマクロを実行すれば翌月に繰り越されます。

 

 

カスタマイズ事例

各社、それぞれの事情により次のようなカスタマイズを行っています。

・支給、控除金額を会社ごとに作成
・有給休暇のカウントを行い、給与明細にも表示
・一部を現金支給する場合、金種表を作成
・時間給で計算する場合、時間を入れると自動計算
・時間給で通勤手当を出勤日数分支給する場合、カウントして自動計算
・個人売上に応じてインセンティブを支払う場合、売上を入力すると自動計算
・部門別に集計
・給与明細にロゴを追加
・グラフを作成
・時間外手当の推移を集計

そのうち、配布や販売を考えていますが、今のところは当事務所のお客様専用にしています。
毎月、ご要望によりバージョンアップしている状態です。

このファイルで使っているマクロの基礎は次回のセミナーでも取り上げます。
給与明細を作るマクロは、1枚のシート(支給控除一覧表)にあるデータを社員ごとに複数のシートに分けているという仕組みです。

2/19(日)経理&会計のためのExcelマクロセミナー 入門コース

基礎の「1枚のシート→複数のシート」という事例ができれば、その応用でできるようになります。
(注)今回はあくまで基礎を伝えるセミナーですので、必ずしも即このマクロを作れるようになるわけではありません。

セミナー参加者には、このファイルを配布します。
(前回のセミナー参加者の方、もうちょっとお待ちください。マクロを整理してからお送りします。)

 

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【編集後記】
昨日は甥っ子2人(6歳と3歳)の面倒を2時間ほど見ていました。
妹たちがリッツ・カールトンのアフタヌーンティーに行くというイベントがあったからです。
なかなか子供向けの場所がなく、2人の性格も違うのでかなり苦戦しました(^_^;)
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