法人税の計算のしくみ

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昨日,会計事務所職員向けの法人税の研修講師を務めました。
今週と来週の2回,それぞれ6時間で行います。
6時間で法人税全部というのは,時間的に厳しいものがありますので,
ポイントを絞ってお話ししました。
そのポイントの1つは法人税の計算の全体的な流れ。
法人税は,会計上の利益を基に計算されます。
会計上の利益は

収入-費用=利益
という数式で表すことができます。
この利益に次のようなものを加減して,法人税法上の利益(所得といいます)を計算します。

法人税法上の利益(所得)=会計上の利益+加算するもの+減算するもの
加算するもの
 A 会計上 費用       法人税法上 費用ではない
 B 会計上 収入ではない 法人税法上 収入
減算するもの 
 C 会計上 費用ではない 法人税法上 費用
 D 会計上 収入       法人税法上 収入ではない
最も注意すべきなのはAです。
Aは,会計上費用として計上しても,法人税法上認められないものです。
例えば,
交際費の一部,一定の限度を超えた減価償却費,貸倒引当金繰入,役員へのボーナス
があります。
数字で具体例を挙げてみます。
収入が1,000,費用が400であり,その費用のうち役員へのボーナスが100含まれている場合を
考えてみましょう。
収入-費用=利益
1,000-400=600
会計上の利益は600です。
しかし,費用のうち,役員へのボーナス100は法人税法上認められていませんので,
利益に加算することになります。
※利益が出そうなときに役員にボーナスを支給すると法人税を減らすことができます。
それを防ぐために法人税法上役員へのボーナスは認められていません。
利益(600)+役員へのボーナス(100)=700
この700が法人税法上の利益,所得です。
この所得に税率をかけて法人税を計算します。
法人税法上,いくらまで費用として認められるかをを計算したり,
上記のような調整を行ったりすることで法人税の申告書を作成します。
今日は引き続き法人会のよく分かる税法説明会の研修講師です。
法人税のうち,租税公課,保険料,海外渡航費,損害賠償金
についてお話しします。
今日は2時間の研修です。

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