税金に対するリテラシーを高めよう![源泉徴収票]講座

そろそろ会社から源泉徴収票を受け取る時期です。
(受け取るのが来月の場合もあります)
この源泉徴収票とは何なのか?何が書いてあるのか?についてまとめてみました。
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※写真はサンプルです。

源泉徴収票には何が書いてあるのか?

源泉徴収票には、今年1年の収入と支払った所得税が書いてあり、その他、所得税の計算に使う情報も載っています。

税金の計算過程が書いてあるものと思ってください。

何気なくもらうこの源泉徴収票は個人の税金に対するリテラシーを高めるのにも最適です。
自分のことですので興味があるでしょうし、理解にしやすいといえるでしょう。

経営者の方にとって役立つのはもちろんのこと、会社員の方も源泉徴収票を読めるようにしておくと、起業や投資をしたときに役立ちます。

源泉徴収票は何に使う?

源泉徴収票は、次のような用途に使われます。

1 収入の証明

家を買うときや、なんらかの審査のときに源泉徴収票を提出することを求められたことがあるかと思います。
これは源泉徴収票を収入の証明として使うためです。
(確定申告をした場合には、確定申告書の控が収入の証明となります)

2 年末調整の資料

転職や就職したときに提出するときは、収入、社会保険料(健康保険、年金など)、所得税を証明するために使います。
1年間の収入を合計しますので、それぞれの源泉徴収票が必要なのです。
同時に2カ所で働いていないのであれば、年末に在籍する会社の年末調整で、税金の計算が済みます。
そのために前職の源泉徴収票を提出するのです。
前職の源泉徴収票がない場合は正しく税金を計算できず、ときには損をすることがあります。
必ず請求しましょう。
(もし年末調整に間に合わない場合は、自分で確定申告する手もあります)


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------※この記事は、投稿日現在の状況、心境、法律に基づいて書いています。---------

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3 確定申告

給料以外に収入がある場合(年金、事業など)や医療費・寄付金の申告をする場合には、確定申告の際に源泉徴収票を使います。
やはり収入の証明となるのです。

4 住民税の計算

源泉徴収票と同じ内容の書類をそれぞれの市区町村に提出します。
これを元に住民税を計算し、来年6月からの支払っていきます。
1〜12月分を6月から1年間にわたって払っていくのです。
(個人で支払う場合は、原則として年4回で納税します。)

源泉徴収票の読み方

では、源泉徴収票の基本的な読み方を解説します。

1 年収

[支払金額]に書いてある金額は、この1年の年収です。
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源泉徴収票は、会社が作成し会社が交付するものですので、主体が会社であるものとして表記されています。
[受取金額]や[収入]と書いているのではなく、[支払金額」と書いてあるのはそういった理由があるのです。

「こんなにもらっていないけど・・・」と思われるかもしれませんが、この金額は、税金や社会保険料が天引きされる前のもので、いわゆる額面金額といわれるものです。額面金額=年収と思ってください(他に収入がない場合)。

1月〜12月の給与明細(賞与を含む)の支払金額を合計したものと一致します。

2 税金の対象となっている金額

税金の対象となっている金額が[給与所得控除後の金額]に書いてあります。
一番難解な部分です。
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[給与所得控除後の金額]は、給与所得控除をした後の金額という意味です。
[支払金額]から[給与所得控除]を引いて計算します。

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給料・賞与の金額は、その金額で税金を計算するわけではありません。
「会社員の方もこれくらいは使うだろう」という金額を差し引くことができます。
スーツ、バック、飲食など、仕事中に負担していて、会社からは支給されないものもあるはずです。

次の表により、給与所得控除を計算することになっています。
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事例の[支払金額]は600万円ですので、「360万円超660万円以下」に該当し、給与所得控除は、次のように計算します。
600万円×20%+54万円=174万円

年間174万円の経費が認められているようなものです。
(これが多すぎると議論になることもあります)

[給与所得控除後の金額]は、[支払金額]600万円から[給与所得控除]174万円を引いた426万円となります。
これが源泉徴収票に書いてあるのです。

紛らわしいので、書かなくてもいいと思いますが、手書きで源泉徴収票を作っていた昔の名残でしょうね。
せめて給与所得控除の金額(この場合は174万円)が書いてあれば、わかりやすいのですが、スペースの関係上難しかったのでしょう。

AーB=Cという計算式のAとCだけが書かれているので、余計にわかりにくくなっています(^_^;)

「フリーだと領収書を経費にできてうらやましい」「給料から差し引かれる税金が多い」という声もありますが、実は優遇されている部分もあるのです。
(来年から年収1,500万円以上は規制されますが)

給与所得控除の考え方は、個人事業主の方が法人化する場合に重要な要素となります。

3 所得控除の額の合計額

所得税を計算するには、さらに所得控除というものを引くことができます。
この合計額が書かれているのです。
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上の画像の紫の部分にその情報が載っています。
所得控除で主なものは、
・配偶者控除 38万円
・扶養控除  38万円(16歳以上のみ。19歳以上23歳は63万円、70歳以上は48万円又は58万円)
・生命保険料控除 最大12万円
・社会保険料控除 支払額全額
などです。

さらに誰にでもある基礎控除 38万円というものがあります。

事例の場合だと、基礎控除380,000円+社会保険料控除827,460円=1,207,460円です。
社会保険料控除は、1〜12月の給与明細で引かれている健康保険料、年金、介護保険料、雇用保険料などの合計と一致します。
(国民年金、国民健康保険を支払った場合はこれらも含まれます)

4 源泉徴収税額

最後が[源泉徴収税額]です。
この金額が、今年1年間の所得税の金額です。
(他に収入がなく確定申告をしない場合)
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[源泉徴収税額]は次のように計算します。
1年間の給与・賞与から差し引かれた所得税(源泉徴収税額)の合計額ー年末調整の結果還付又は徴収した金額=源泉徴収税額

給与や賞与から差し引かれる所得税は、若干多めに差し引かれています。
事例の場合だと、225,720円が差し引かれています。
年末調整の結果、計算される本来の所得税額は207,700円です。

225,720円ー207,700円=18,020円が年末調整のときに戻ってきます。
(12月の給与に含まれる場合、1月の給与に含まれる場合、現金や振込での支払の場合などがあります)

注目すべきは、戻ってくる18,020円ではなく、支払った207,700円の方なのです。
一見税金が戻ってきて得した気分になりますが、本質を見極めましょう。
本当によくできたシステムです(^_^;)
しかも会社でこの年末調整を行わなければいけません。

なお、所得税は次の表で計算されます。
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4,260,000円ー1,207,460円=3,052,000円(千円未満切り捨て)
3,052,000×10%ー97,500円=207,700円(百円未満がある場合は切り捨て)
という計算です。

住宅ローン控除がある場合は、さらに[住宅借入金等特別控除の額]を差し引きます。

5 住民税

もう1つ、源泉徴収票から読み取れるものがあります。
それは来年6月から支払う住民税です。
個人で支払う場合は、6月、8月、11月、1月の4回、給与から天引きされる場合は、6月から翌5月までの12回で支払います。

住民税の金額を概算で出すならば、[給与所得控除後の金額]から[所得控除の額の合計額]を引いたものに10%をかけてください。
事例だと、(4,260,000ー1,207,460)×10%=約30万円です。
所得税と住民税の計算方法が異なりますので、厳密にはこれよりも若干少なくなります。

源泉徴収票にはこれだけの情報が詰まっています。
大事に保管するとともに、是非、意味を理解してみましょう。





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【編集後記】

昨日、探し物をしに、有楽町へ。
ロフト、伊東屋にはなく、ちょっと戻って東急ハンズにありました。
使ってみた結果はまたレビューします。




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