「Excelの計算と、電卓の計算があわない」「しかたないので手打ちしてる」という声を聞きます。
その原因は端数処理であることが多いです。
Excelには、見えていない数字がある
Excelでは、小数部分は表示されないことがあります。
次の3つは見た目が同じ数字で、このままだと問題ありませんが、
計算に使うと(×10)、その違いが影響してきます。
表示と異なり、実は、こういった数字が入っているのです。
端数処理の種類
Excelで小数点以下を表示しない場合、小数第1位は四捨五入されます。
874.5717485→875
874.3184921→874
と表示されるのです。
正確に計算するために、関数で端数処理をする癖をつけましょう。
○切り捨て =ROUNDDOWN(数値、桁数)
小数第1位で切り捨てなら、=ROUNDDOWN(数値、1)
1,000円未満切り捨てなら、=ROUNDDOWN(数値、-3)
です。
○小数点以下を切り捨て =INT(数値)
私はこれをよく使います。入力も楽で、他の関数と組み合わせたときも読みやすいからです。
=INT(数値×5/105)で、税込金額から消費税額を計算できます。
ROUNDDOWNとの違いは、マイナスの数値のときです。
=ROUNDDOWN(-100.5,0)だと、ー100
=INT(-100.5)だとー101になります。
金額の場合なら問題にならないでしょう。
会計ソフトへの取り込みの際に、マイナス仕訳をしていると、端数処理後の結果が異なることもありますが、全体から見れば大きな影響ではありません。
○四捨五入 =ROUND(数値、桁数)
ROUNDOWNと同様に桁数も指示します。
端数処理をするタイミングは計算過程、計算結果の2回
この端数処理で気をつけなければいけないのは、タイミングです。
計算過程、計算結果の2つのタイミングで端数処理をしないと、電卓の計算と合わなくなる可能性があります。
たとえば、a÷b×cを計算する場合で、
実際の数字は、135.485, 87.7, 859.09
Excel表示上は、135, 87, 859
である場合を考えてみましょう。
電卓で検算するときは、Excelに表示されている数字で、135÷87×859と計算するはずです。
結果は、1,332.93103となり、端数を切り捨てて1,332と考えます。
Excelで端数処理を全くやらない場合は、1,327。
過程(a、b、cのそれぞれ)のみを端数処理した場合は、1,333
過程も計算結果も端数処理した場合は、1,332となり、電卓と一致します。
(それぞれのセルの数式は、8行目から11行目に表示しています。青いセルが端数処理をしているセルです。)
これでようやく電卓検算と一致するのです。
ミスをなくすのであれば、過程でも結果でも端数処理をするのがおすすめです。
※もう1つ、a/bを出した時点で端数処理をするケースもあります。その場合は、電卓検算時にも端数処理する必要があります。
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