源泉徴収制度|支払う側と受け取る側

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税理士にとって,この時期は,源泉徴収に関する業務が多くなります。
源泉徴収とは,
給料,報酬・料金を支払う際に
その金額を差し引いて,税務署に納める制度です。
報酬・料金には,
原稿料,講演料,芸能人への報酬などがあり,
さらに税理士等に支払う報酬も含まれます。
例えば,
税理士に支払う報酬が10万5,000円だとすると,
源泉所得税は10万円(消費税抜き)の10%である1万円です。
※原則は消費税込みの金額を対象としますが,
消費税が明確に区分されている場合は,消費税抜きの金額,
つまり,本体のみを対象にすることができます。
実際に支払う際には,
10万5,000円(図の①)-1万円(図の②)=9万5,000円を支払います。
この1万円(図の③)を支払った日の翌月10日に納付します。
※毎年1月10日(20日)及び7月10日に納付する特例もあります。
上記の例を税理士側から見ると,
売上が10万5,000円ですが,実際に入金されるのは,
源泉所得税1万円を差し引いた9万5,000円です。
この1万円は,税金を前払いしたことになり,
確定申告の際に,
1年間の収入に係る所得税と通算して納税という流れです。
もし源泉徴収された所得税が多い場合は,還付です。(図の④)
例えば,
1年間の所得税が50万円であり,
前払いをした金額=源泉徴収された金額が10万円
だとすると,
税理士が納税する所得税は,50万円-10万円=40万円になります。
まとめるとこうなります。
Newtype税理士 井ノ上陽一のブログ|
※支払額が100万円を超える部分は,②の徴収は20%です。
実際は,上記の例のように①と②は同時に行われます。
(10%差し引いて支払う)
この時期は,
お客様の②の集計や③の納付の準備
私自身の報酬,原稿料,講演料といった
④のための集計を行います。
この源泉徴収制度ですが,
もし,支払った側が④の確定申告をしなくても
国としては,③で徴収できているわけです。
しかも,早めに徴収できます。
例えば,2008年1月に
源泉所得税を国に1万円納付するとします。
その1万円を確定申告で精算するのは,
2009年1月以降です。
逆に
確定申告で精算をしなかったとしたら,
そして,精算できることを知らなかったとしたら,
余分に税金を払っていることになります。
源泉徴収の制度は,
その都度差し引かれているので,
前もって納税しているという意識が薄れてしまうのが難点です。

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