年末調整の税金への影響額

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年末調整業務もほぼ終わりが見えてきました。
この業務は,正しい資料をもれなく回収するのが決め手です。
そのため資料のチェックは入念に行います。
記入もれがあると,それだけで税金の金額が変わってしまいますので
注意が必要です。
年末調整をする事項が
どのくらい税金へ影響があるかをまとめてみました。
(給与計算が正しく行われているかどうかも影響があります。)

年末調整の税金への影響額
 1 扶養親族の数
年末調整の用紙に扶養親族を書く欄がありますが,
ここに記載がないと,税金に影響してしまいます。
今年お子さんが生まれた方は特に注意が必要です。

もし,書き忘れると,
所得税で19,000円~152,000円
住民税で33,000円
損してしまいます。
※所得税は,収入により5%~40%の税率で,
住民税は,一律10%の税率で税金を計算します。
 2 扶養親族・配偶者の生年月日
扶養親族が16歳以上23歳未満(2009年12月31日)である場合や
扶養親族又は配偶者が70歳以上である場合は,
税金がさらに少なくなります。

この年齢は,年末調整の用紙に書かれた生年月日で判断します。
生年月日の“年”を1年間違えただけで,税金の金額が変わり,
数万円損してしまう可能性があります。

70歳以上の扶養親族の場合,同居しているかどうかによって,税金が変わります。

もし“年”を間違えると,
16歳以上23歳未満の場合
所得税で12,500円~100,000円
住民税で12,000円
70歳以上の場合(同居)
所得税で10,000円~80,000円
住民税で12,000円
損してしまいます。
 3  離婚した方
離婚した方の場合,次のような要件に該当すれば,税金上控除があります。
【女性】
・夫と死別又は離婚した後婚姻していない場合で
扶養親族又は生計を一にする子がいる方
・夫と死別した後婚姻していない場合で
合計所得金額が500万円以下(給料だと約688万円以下)の方
【男性】
・妻と死別又は離婚した後婚姻していない場合で
生計を一にする子がいる方で合計所得金額500万円以下の方
この申告がされないと,
所得税で13,500円~(合計所得金額の制限があります)
住民税で26,000円又は30,000円
損してしまいます。
その他,離婚した方は,配偶者は当然のこと,扶養親族の数が増減することがありますので,
注意が必要です。
 4  本人,配偶者(扶養の対象の場合),扶養親族が障害者に該当する場合
障害者の方の場合,税金の控除があります。
この申告がない場合,
所得税で13,500円~160,000円
住民税で26,000円又は30,000円
損してしまいます。
5 生命保険料の申告もれ
生命保険料の金額により影響額が変わってきます。
生命保険料(一般,個人年金それぞれ)が100,000円以上支払っていても,
所得税で50,000円が限度,住民税では35,000円が限度です。
例えば,年間保険料が120,000円の証明書だけ提出し,
年間保険料が50,000円の証明書を提出し忘れていても,税金は変わりません。
仮に年間保険料が100,000円の証明書を提出し忘れていた場合は,
所得税で2,500円~20,000円
住民税で3,500円
損します。

上記と比較すると影響額は少ないです。
損害保険料控除(一部の方にのみ適用)や地震保険料控除も同じくらいの影響額に
なります。
前年の資料と比較する
記入もれを防ぐ第一のポイントは,前年の資料との比較です。
・前年は,生命保険料に入っていたのに,今年はない。
・前年は扶養に入っていたのに,今年は記入されていない。
など,前年の資料と異なる部分は,念のために確認します。

上記のように,年末調整は非常にデリケートな個人情報が含まれますし,
なかなか確認しづらいこともあるのは事実です。
提出してもらった後のチェックとともに,
事前配付資料(記入方法の手引きなど)の工夫も必要となります。
すでに提出した方も,上記の事項を今一度確認していただければ幸いです。
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【編集後記】
昨日の夕飯の豚汁。
クライアントの社長お薦めの味噌を買ってみました。
(男同士ですが,料理話をすることは多いです。)
ちょっと高めの値段(500g 880円。通常は1kg300円くらい)
でしたが,確かにおいしいです。
もともと調味料には凝る方ですが,
味噌はノーマークでした。
他の種類も試してみたいですね。
EX-IT|
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