・法人税等を計算するための8つの基礎知識

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会社が支払う税金は法人税、住民税、事業税、地方法人特別税、消費税、固定資産税、償却資産税、印紙税などがあります。
このうち、決算書の利益を基に計算する税金(法人税、住民税、事業税、地方法人特別税)について、知っておくと便利な知識を8つ挙げてみました。
1 損益計算書の法人税、住民税及び事業税は経費とみなさない
損益計算書の末尾は次のようになっています。
税引前当期純利益           1,000
法人税、住民税及び事業税(ー)     400
当期純利益               600
「法人税、住民税及び事業税」は決算日時点では未払いの経費を計上しているものです。
これは税金の計算上、経費とみなしません。
申告書上は次のように当期純利益から計算します。
当期純利益                                        600
法人税、住民税及び事業税                +400
=================
所得(税金上の利益)          1,000
2 経費とみなされないものがある
減価償却、貸倒引当金の繰り入れなどは、税金上の限度額があります。
これを超えた分は、経費とみなしません。
役員の給料を増やした分は、原則として経費にできず、また役員へのボーナスは全額経費とみなされません。
3 交際費は必ず調整しなければいけない
交際費も2と同様に限度額があります。
2の場合は限度額を超えなければ調整する必要はありませんが、交際費は最低でもその10%が税金の対象となりますので、どんなに赤字の法人でも、交際費の調整は必要です。
4 収益とみなされないものもある
経費とみなされないものがある一方で、収益とみなされないものもあります。
税金の還付金や受取配当金の一部などです。
5 受取利息の計算の必要がある
預金利息は、国税が15%、地方税が5%の計20%の税金が差し引かれています。
例えば、80円の利息が入金された場合は、20円の税金が引かれているわけです。
これを調整し、支払う法人税等から差し引きます。
もし、支払う法人税等が0の場合は、この20円が戻ってきます。
6 赤字は7年間繰り越せる
税金の計算上、赤字になった場合は、7年間繰り越せます。
例えば、前年度がマイナス1,000万円だったら、今年は1,000万円まで所得があっても税金はかかりません。
7 所得800万円で税率が変わる
所得(税金上の利益)が800万円を超えると税率が変わります。
法人税は所得が800万以下の部分が18%、800万円を超えると30%です。
1,000万円の所得だと
800万円×18%+(1,000万円-800万円)×30%と計算します。
住民税は法人税額を基に計算し、事業税も所得によって税率が変わります。
8 必ず支払う税金がある
住民税には均等割という所得に関係なく支払う税金があります。
資本金1,000万円以下、従業員50人以下であれば、7万円です。
次回のセミナーでは、これらの一連の流れを取り上げます。
10/23(土)法人税申告書作成の基礎を4時間でマスターするセミナー
参考記事
・交際費に対する税金のしくみ
・赤字でも支払わなければいけない税金7万円とは?
・決算書の利益(四角)と法人税上の利益(でこぼこ)の違い
・経費でどのくらいの税金が減るか?
・法人の所得に占める税金の割合
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【編集後記】
加熱用のカキを買ったはいいけど、使い道が・・・・・と思っていたときに適当に作ったパスタ。
タマネギとカキを炒めて、シチューのルーを混ぜてみました。
見た目はともかく、結構いい味です
EX-IT|


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