大増税!とあおられる今こそ確認しておきたい相続税の基本・基礎・計算方法

相続税大増税!といわれていますが、そもそも何が今年(平成27年)に変わったか、基本的な知識をまとめてみます。IMG 1012

相続税という税金の基本

相続税とは、人が亡くなったときに持っていた財産へかかる税金です。

ざっくりいうと、財産×税率で計算し、財産が多くなればなるほど相続税は増えます。
ただ、残した財産すべてが相続税の対象になると、残された家族の生活に支障が出る可能性があります。
多少は残しておかなければいけません。

そこで、残された家族(相続人)の数に応じた金額を差し引いて、税率をかける仕組みになっており、この差し引く金額を「基礎控除」といいます。
スクリーンショット 2015 01 13 9 51 34

この「基礎控除」の金額が、改正後、つまり平成27年1月1日以降は減りました。
基礎控除が減ると、税金の対象が増えますので、財産が仮に同じだとしても、相続税も増えるわけです。
スクリーンショット 2015 01 13 9 55 34

配偶者(妻)と子供2人の場合で試算すると、改正前と改正後でこのくらい違います。
スクリーンショット 2015 01 13 11 17 21

改正前の基礎控除は、5,000万円+1,000万円×相続人の数で計算しますので、この場合、5,000万円+1,000万円×3=8,000万円。
つまり、8,000万円までは相続税がかかかりません。
現在は、相続税がかからない範囲は、3,000万円+600万円×3で計算し、4,800万円までとなります。
(基礎控除のみで考えた場合)

事例だと、財産が5,000万円で相続税は10万円、1億円で315万円です。

配偶者(妻)と子供1人だと、こうなり、
スクリーンショット 2015 01 13 11 19 39


■スポンサードリンク
------※この記事は、投稿日現在の状況、心境、法律に基づいて書いています。---------

■スポンサードリンク


配偶者(妻)と子供3人だと、こうなります。
3,000万円+600万円×4=5,400万円までは相続税がかかりません。
スクリーンショット 2015 01 13 11 21 08

配偶者は優遇されていて、相続する財産が、法定相続分(子がいる場合は1/2)か、1億6,000万円のいずれか多い方までは相続税がかかりません。
(財産の2/3を相続しても、それが1億円だったら無税ですし、財産の1/2でそれが100億円でも無税です。ただし、「じゃあ、全部配偶者にやればいいじゃん」と思うのが罠で、その配偶者が亡くなったときには、もう配偶者の控除はないため、思わず巨額の相続税がかかることになります)
上記の試算はそれを含めて考えています。

相続税の計算の基礎

具体的に計算の流れをみてみましょう。

配偶者と子供2人、計3人が5,000万円の財産を相続する場合です。
スクリーンショット 2015 01 13 11 30 38

①まず、基礎控除を引きます。

3,000万円+600万円×3=4,800万円
財産5,000万円から4,800万円を引いた、200万円が対象となります。

②財産を法律どおり相続するとして分けます。

法律では配偶者が1/2、子供が1/4ずつ分けるので、
(配偶者)200万円×1/2=100万円
(子A)200万円×1/4=50万円
(子B)200万円×1/4=50万円
と分けることになります。

今回は法律と実際の分け方が同じです。
遺言があったり、相続しないこととなったり(自ら放棄)した場合、法律と実際が異なります。
ただし、それぞれが法律どおりの分け方の1/2の権利は持っていますので、「子Aには財産を残さない!」ということはできません。
1/4のさらに1/2の1/8を相続する権利はあるのです。

③②の財産ごとに税金を計算し、合計します。

■スポンサードリンク

それぞれ②の財産ごとに相続税を次の表で計算します。
たとえば、3,000万円だったら、計算式は3,000万円×15%ー50万円です。
スクリーンショット 2015 01 13 11 38 19

(配偶者)100万円×10%=10万円
(子A)50万円×10%=5万円
(子B)50万円×10%=5万円
合計 20万円

④合計した相続税を実際に相続した割合ごとにわけます。

(配偶者)20万円×1/2=10万円
ただし、法律どおり1/2を引き継いでいるので、税金は0円です。

(子A)20万円×1/4=5万円
(子B)20万円×1/4=5万円
これが最終的に払う相続税です。
(未成年の場合その他の控除はあります)

スクリーンショット 2015 01 13 12 18 08

よくある相続の問題点

こう書くと、計算は簡単なようですが、実際はそうではありません。
次のような問題があります。

・財産と一口にいうけど、たとえば、口座がどこにいくらあるか正確に把握しているかどうか?
・不動産が財産に含まれる場合、その金額をどう計算するか?
・上場企業の株を持っている場合、どこにいくらあるかがわかるか?
・中小企業(上場していない会社)の株を持っている場合その金額をどう計算するか?
・会社に貸しているお金も貸付金という財産に含まれる
・隠し子がいた場合、どうする?
・入籍していないが、事実上一緒に生活している人は?
・生命保険の受取人は誰か?生命保険がきちんと支払われるか?
・不動産を相続した場合、相続税を払えるかどうか?価値が1億の不動産を相続しても現金がない場合が多い
・財産よりも借金を残していた場合、どうするか?
・お金を残して入れば、1/2、1/4とわけられるけど、不動産はわけられない
・誰の取り分が多い、少ないで残された家族がもめる

「基礎控除の範囲の財産しかないから大丈夫」というわけでもなく、いろんな問題がからんできます。
基礎控除以下なら相続税は発生しませんが、相続は発生します。
財産を把握し、どう分けるかは考えておかなければいけません。

大増税!と各方面がちょっとあおりすぎな傾向にありますが、慎重に行動しましょう。

相続税に限らず節税案は、
・税金を減らすため【だけ】に意思決定しない
というのを判断基準にすべきです。

税金が減ってもお金が目減りしたり、もめごとが発生したりしては意味がありません。

「相続される側」と考えると、誰もが考えておくべきです。
その第一歩として、財産の把握と記録はやっておきましょう。
私はパスワードをかけたファイルに記録し、毎月見直しています。
「万が一ファイル」のすすめと5つの効果 | EX-IT





■スポンサードリンク
【編集後記】

昨日、千葉県神崎町の寺田本家という酒蔵ツアーに参加しました。
池袋のオーガニックバー『たまにはTsukiでも眺めましょ』で出しているお酒が、この寺田本家のお酒です。
お酒をそれほど飲まない私でもおいしく飲めます。
いろんな気づきや出会った方々(60名参加)からの刺激も受けました。
お土産に麹も買ってみたので、使ってみます。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

寺田本家
あるもんで
とーじ舎
麹を買ってみた




■スポンサードリンク


■ブログEX-ITの購読 →feedlyを使って無料で読む
→Twtterで読む
Facebookで読む

1日1新 Instagram
井ノ上陽一のVALU
■著書
ひとり税理士のIT仕事術―ITに強くなれば、ひとり税理士の真価を発揮できる!!
フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本
新版 ひとり社長の経理の基本
毎日定時で帰っても給料が上がる時間のつかい方をお金のプロに聞いてみた!
『ひとり税理士の仕事術』
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ』
『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』