集中連載「鉄人への道」Vol.06 山!山!山!バイク(自転車)7時間50分 180kmの旅

2013年6月23日、フルのトライアスロン(五島長崎国際トライアスロン。バラモンキング。スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.195km)に挑戦し、無事完走できました。
備忘録と、今後トライアスロンに挑戦される方へ、「鉄人への道」を連載していきます。
第6回は、バイク180kmの話です。
(である調で書きます)

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長い旅へ出発

文字どおり命からがらスイムをクリアして上陸。
昔は、スイム後にくらくらきていたが、今は、体力だけはある。
スイムキャップとゴーグルをとり、小走りで自分のバイクバッグ(バイク道具が入っている袋)を受け取って着替えテントへ。

と、その前に、スイム途中から行きたかったトイレに立ち寄る。
トライアスロンでは、スイム中又はバイク中(ときにはラン中)にトイレを済ませる方もいる。
練習時から実は試みていたが、結局うまくいかなかった。

トイレをすませて、テントへ。
ウェットスーツを脱いでバイクの準備をする。
・ウィダーインゼリーを飲む
・ベスパ(はちみつ、アミノ酸)を飲む
・水を飲む
・ゼッケンベルトをつける。ゼッケンは後ろに。
・アームカバーを付ける
・バイクグローブをつける
・ソックスをはく
・バイクシューズをはく
・補給食が入ったウェストポーチをつける
・日焼け止めスプレーをする
・ネッククーラーを巻く
・バイクパンツをはく
・バイククリームを塗る

バイクパンツはおしりの部分にパッドが入っている。スタートからはいていたトライウェア(トライアスロン用パンツ)の上に重ねてはいた。
180kmの旅に備えるためだ。
バイククリームもおしりから股間に塗る。
180kmというと、東京から静岡。
実感はないが、とにかく長い。
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途中、チームメイトがテントに入ってきた。
固く握手し、「これからや!」とかけ声を掛け合う。
チームメイトは、私より後にスイムアップし、結局最後まで前にいた。

チーム・イオマーレのメンバーは、私より数倍仕事をこなし、成果を出していて、それでいてレースにあわせてトレーニングしてくるのがすごい。
6月はじめに100kmマラソンを走り、今週末にも100km、来週にも100km走るメンバーもいる。
今回完走できたのは、そんな仲間たちから受けるプレッシャーのおかげでもある。

「ロングのトライアスロンのトランジッション(着替え、準備)はゆっくりでいい」とは聞いていたが、よくよく考えると、私のように制限時間ぎりぎりならば、それなりに急がないといけなかったと思う。
ちょっとゆっくりしすぎたかもしれない。


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------※この記事は、投稿日現在の状況、心境、法律に基づいて書いています。---------

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ヘルメットとサングラスを手に、バイクの元へ走る。
最初は「海から上がってバイクに乗るなんて、気持ち悪いのではないか?」と考えていたが、いい感じで乾くのでまったくといっていいほど気にならない。

いよいよバイクスタート。
スイムが終わってから6分ほど経過していた。
残り時間は13時間ちょっと。
バイク8時間+ラン5時間、又はバイク7時間半+ラン5時間半の配分で考えていた。

最初は抑えめに

バイクのペースをどのくらいにするのかは非常に悩んだ。
ペースを上げて、1時間縮めても、ランで足が動かずに2時間失うこともありうる。
最近のレースどおり、バイクは抑えめにいくことにした。
小雨が降る中、比較的フラットな区間を走る。
ここで飛ばすべきかどうか迷ったが、軽めのギアで足を温存することを選んだ。

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Bタイプ(スイム1.9km、バイク124km、ラン28km)の選手にどんどん抜かれるが、焦らないようにする。
距離がそもそも違うからだ。
じっと我慢して、序盤は食べ物に集中した。

「固定物は最初の方に食べないと、後からでは食べれない」ときいていたので、固定物をどんどん食べた。
おにぎり、ワッフル、チーズドッグ、ようかんなど、普段だったらありえないくらいの量だ。

これらの食料を入れていたボックス(バイクのフレームに取り付けてある)が外れそうになり、2回ほど、止まってつけなおした。
取り付け方がいけなかったのか、モノを詰めすぎたのか、大きな失敗だった。

テープでフレームに付けたアミノバイタルもとれかけてきたので、フロントのボトル(はちみつ入り)に注ぎ込んだ。

今回投入したフロントボトルは、非常に役に立った。
ストローが出ていて、バイクをこぎながら使えるのだ。
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通常は、サドルの下辺りにボトルを2本積む。
それらを飲むときは、どうしても片手になり手間もかかる。
今回は、ボトルは積まなかった。

途中のエイドで、ボトル入りの水とスポーツドリンクをもらえるからだ。
飲み終わったボトルは、エイドの網に投げる。
オリンピックディスタンスではこのようなシステムはないが(バイクは40kmなので)、ミドル(バイク90km)では経験した。
氷が入っていて(凍っていて)、非常にありがたい。

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最初からバイクにボトルを積んでおくと、そのボトルをすてなければいけない。
そのため、ボトルを積まずにスタートするのだ。

ちなみに最後にもらったボトルは、記念に持ち帰れる。

最初のエイドは、20kmすぎ。
ボトルを2本受け取り、サドル下のラックに積む。
以降、オレンジ、バナナ、クッキーなどをもらえる。

水が欲しいのか、スポーツドリンクが欲しいのか、オレンジが欲しいのか、を声に出してボランティアの方から受け取るのだ。
毎回、スポーツドリンク、オレンジ、バナナをもらう。
受け取りは、減速して、ときには止まって、慌てないように気をつけた。

スポーツドリンクは、フロントボトルに入れ、次のエイドまでに飲み干す。
小雨で、それほど暑くなかったのが幸いしたが、1時間に500ml(ボトル約1本)を積極的に飲むようにした。

その他、1時間に1回、ジェルをとり、30分に1回、炎熱サプリ(塩)をとった。
本の受け売りだ(^_^;)

バイクからは、最近やっているあいさつ作戦でいった。
今回もゴールまで続けることができた。
応援されたときに、「あざっす」「ありがと〜」と答えるのだ。
感謝の意を示したいこともあるが、これくらい声を出す余力、心拍の安定があった方がいい。

トライアスロン中やマラソン中は、この応援が本当にありがたい。
中には選手名簿を見て、名前を呼んでくれることもある。
雨の中、傘もささずに応援しくれる方、2時間後に周回してもまだ応援してくれていた方、家の中から応援してくれていたおばあちゃん、手をたたいて応援してくれた子どもたち、着ぐるみを着てリズムをとりながら応戦してくれた女の子などなど、今でも思い出すとうるっとくる。
島全体で応援してくれている感じだ。

沿道の応援の方だけではなく、ボランティアスタッフの方の応援も熱かった。
通行止めや誘導の方でも両手をたたいて応援してくれていたのだ。

サッカーや野球のように、ゴール後、応援してくれた方に挨拶してまわることができたら…と思う。
感謝しつつ、しっかり力を出し切ることがわれわれ選手の使命でもある。

折り返しでチームメイトと会う

最初の40km近くで、折り返し地点がある。
そこでは同じユニフォームを着たチームメイトとすれ違った。
これが本当に元気が出る。

この時点では、スイムが遅い私が最後尾だったが。
結構差が付いていたがあせらずに自分のペースを守った。

この辺で、最初のトイレへ。
バイクをこぎながらしたいところだが、うまくいかない。
長丁場だし、トイレに行きたくなったらいくことにした。
トイレを我慢してタイムをかせがなければいけないくらいなら、完走レベルになかったということだろう。

山!山!山

いよいよ本格的な山道に入る。

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坂には2タイプの上り方を使い分けた。
1つはギアを最大限軽くして座ってこぐ方法、もう1つは、ギアをちょっと重くして立ちこぎ(ダンシングという)。
同じ登り方をしないようにし、体を硬直させないようにした。
足に負担をかけないようにも気づかう。

のぼりは重心を前に、くだりは重心をうしろに。
マンツーマンレッスンでやったことを忠実に守った。
くだりではペダルをこぎつづけることも忘れてはいけない。
くだりで脚をとめると、乳酸がたまり、つらくなる。
結構これをやっていない選手も多い気がする。

直前に、バイクのギアをチューンナップし、より軽くしていた。
これがなかったらもっとつらかっただろう。

このあたりから、大雨が降ってきた。
アームカバーをしていたこと、ノースリーブではなく半袖を着ていてよかった。
ただし、ランバッグにソックスを入れていなかった(もう履き替えられない)のは失敗だ。

そもそも雨が降るとは予想してなかった。。。

のぼりはいいのだが、くだりが怖い。
雨でブレーキのききがわるく、へんな音もする。
時速50,60kmで激突したら、ただではすまないだろう。

くだりのコーナーには畳が設置されていたが、効き目はあるのだろうか・・・・

雨のレースは2012年の石垣島で経験していたが、それでも難しい。

途中、激突してホイールがぐにゃぐにゃになっているバイクもあったし、救急車もみかけた。
1ミスでリタイアの可能性のもあるのだ。

ユニフォームがぼろぼろになり、血を流している選手も2人みかけ、ますます注意深く走った。

雨で視界も悪い。
サングラスを外して走った。
このときしていたサングラスは、2012年のトレランでもらった景品。
ウェアにかけていたが、途中で落としてしまった。
次のレースまでにあたらしいのを買わなければいけない。

約60kmの山道を2周する。
最初の区間の30Kmとあわせると、ようやく90km。半分だ。

スクリーンショット 2013 06 29 20 25 21ペースを抑えていたおかげでまだまだ元気だった。
セントレアのミドル(バイクは90.1km)のとき、後半にペースを上げてガンガン選手を抜けた。
自分のペースよりも、相手のペースも落ちるからだ。

距離が倍ということもあるが、セントレアのときよりもさらにペースをコントロールしていた。
通常は、DHバーというものをつかみ、前傾姿勢でバイクをこぐ(DHポジションという)。
空気抵抗を減らすためだ。
ただ、この姿勢だと腰や背中が痛くなる。まだいい乗り方ができていないのだろう。

そこで、今回はこのDHポジションも温存した。
空気抵抗が増えようが、ペースが落ちようが、体をいたわったのだ。
このことも後半のペースアップにつながった。

昔、F1をみていたときは、マンセルやアレジが好きだったが、今やプロストみたいな走りを心がけている。
プロストはあまり好きではなかったのだが(^_^;)

山道2周目は、チームメイトを含めて選手を何人か抜けた。
股関節に痛みがでてきたので、130km地点くらいでロキソニンと胃薬投入。
クエン酸粉末も、フロントボトルにいれて飲んだ。
もっと粉末はもっておくべきだった。次回以降の課題だ。

144km地点を前に「スペシャルニーズバッグをどうしよう。。。」と考え出した。
スペシャルニーズバックには、追加の食料が入っており、89km又は144km地点で受け取れる。
89kmではスルーしたので、今回が最後だ。

何を入れたかも忘れていたが、とりあえず受け取ることにした。
中身は、
・ういろう
・ウィダーインゼリー
・ジェルブラスト
・スナック型補給食
・味噌チューブ
・マドレーヌ
など。

味噌チューブは、「疲れてくると塩気のものが欲しくなるから味噌がいい」という情報を得ていたから。
さすがに、いらなかった(^_^)

ウィダー、マドレーヌをたべ、ジェルブラスト、スナックをポケットに入れる。
あとのものは捨てざるを得なかった。
スタッフの方に渡して、再びこぎだす。

この時点でも固形物は結構食べれた。
ヒットは、チーズドッグ。チーズ味が新鮮だった。
ジェルブラストもかなりおいしい。

つらいけど楽しい!ジェットコースターコース

コースには、「1周目だったら60km、2周目だったら120km地点」といった標識がたっている。
残り60kmくらいから、「あと60!」と声を出すようにしていた。

あと40km。40kmというと、慣れ親しんだオリンピックディスタンス(スイム1.5km、バイク40km、ラン10km)の距離。
時刻はだいたい14:30。2時間かかっても16:30ごろバイクゴール、ランの時間は5時間半ある。
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このくらいの地点で、ようやくゴールがイメージできて、うるっときた。
まあ、まだ油断はできないのだが。。。
高校球児が、9回裏2アウトで泣き出すのはこんな感じなんだろう。

気を引き締め直しながら、最後の難関が近づいてきた。
「ジェットコースターのようにのぼりくだりがある」と、去年出場したチームメイトにきいていたが、本当にそうだった。

イメージ的にこんな感じ。
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まだ脚が残っていたので、くだりをフルスピードでいき、勢いでのぼれるくらいの元気はあった。
楽しい反面、徐々に疲弊していく。

「なんでこんな道、作ったんだろう。。」と思いながらひたすらこいでいった。

データをみると、かなりペースは落ちていた。
先輩チームメイトからは、レース後「もっといけたはず」といわれたが、そう思う気持ちが半分、これ以上飛ばしたらランがダメになっていたという気持ちが半分だ。
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バイクゴールからランへ

ジェットコースターコースを抜け、バイクゴール。
7時間50分。
予定の7時間半よりちょっと遅れた。

ただ、そのおかげもあってまだ余力がある。
バイクをボランティアの高校生に預け、ランバッグ(ランの道具が入ったバッグ)を受け取り、テントへ。
テントの中は水びだしだったが、気にしてられず着替え出す。
チームメイトとも出会え、健闘をたたえあう。

ヘルメット、グローブをとり、ずぶ濡れのバイクシューズとソックスをぬぐ。
替えのソックスはなかったが、これからのフルマラソンにそなえてテーピングをはるためだ。

テーピングをきり、はろうとすると、くっつかない。。。
ぬれている足だと無理だった。
タオルも入れ忘れており、完全に作戦ミス。

せめてもの処置として、ワセリンを足の裏、指に塗ってまめ予防をした。
わきと股ずれにもそなえ、ワセリンを塗る。
日焼け止めもあったが、必要ないと感じ、さっとスプレー。

ウィダーインゼリー、ペスパ、ロキソニン、胃薬をのみ、ランバッグへバイク道具をいれて預ける。
さあ、スタートというときに、バイクパンツを脱ぐのを忘れていることに気づき、脱いでからコースへ。

スタッフの方に「ゼッケンを前にするように」との注意を受け、ゼッケンを直す。

いよいよ最後のラン。

「ランまでくればなんとでもなる」
「這ってでもゴールする」
と思っていたが、これから42.195km。
そうそう楽ではない。

時刻は16時40分。残りは5時間20分ほど。
ゴールまで決して油断できない。

(つづく)

Next→集中連載「鉄人への道」Vol.07 最後のフルマラソン42.195kmを終えて、なんとか14時間41分で完走!




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