Excelでキャッシュ・フロー計算書。会計ソフトデータ×VLOOKUP関数。

キャッシュ・フロー計算書をつくるときは、Excelを使っています。
活躍するのは、VLOOKUP関数です。
image

キャッシュ・フロー計算書とは

決算書というと、次の2つが思い起こされます。

・損益計算書(P/L)

売上とか利益とか給料とか家賃とか。
1年で区切り、その利益で税金を計算します。
売上はあるけど、原価、経費が引かれて、利益はどんどん小さくなるものです。
利益があるとうれしいけど、税金もかかる、利益を減らすと税金は減るけど・・・という悩ましい表。

image

・貸借対照表(B/S バランスシート)

現金、預金、売掛金、商品(在庫)とか買掛金、未払金、そして怖がられる借入金とか。
今の状況がどうなっているかを表現します。
資産がどのくらいあるか、重い重い負債がどのくらいあるか。
負債があるからダメというわけではありませんし、資産が少ないからダメというわけでもなく。
最もいいのは、純資産が多い会社。
安定して利益が出ていれば純資産が増えます。
(出資してもらっても増えますが、安易な出資を受けるのは危険です)

image

第3の決算書といわれているのがキャッシュ・フロー計算書です。

財務3表とかいわれることも。


■スポンサードリンク

image

キャッシュ・フロー、つまりお金の流れを表現します。

お金(現金、預金など)が増えているか減っているかは、貸借対照表でもわかりますが、その中身を細かくみる表です。
上のキャッシュ・フロー計算書だと、営業、つまり入金と経費や仕入の支払で、1,700万円のお金をうみだしています。
ここがマイナスだと、入金が遅れているか、支払が多いか、利益が少なすぎるかなどといった原因が考えられるわけです。

損益計算書で利益が出ていても、この営業CFがマイナスの場合もあります。
売上10万円で、その売上が入ってこないうちに、経費15万円がかかれば、キャッシュ・フローはマイナスです。

そして、投資キャッシュ・フローは、1200万円のマイナス。
マイナスだからダメというわけではありません。
投資だからマイナスになるのは当然です。
(そーいう理由でいろいろ買っているのは私ですが)
ただし、営業で稼いだお金(上の例だと1700万円)を超えて投資するのはいかがなものかと。
その範囲内で投資し、投資したものがお金になって返ってくるならOKでしょう。

上の例では、営業CFの範囲内なのでOKです。
何か固定資産を売ったときは、この投資CFがプラスになる可能性があります。

そして、財務CF。
財務で代表的なものは借入。
お金を借りると、ここがプラスになります。
そして返すとマイナス。
マイナスだと借金が減っているということなので、いいことです。
借りたお金をうまく使うなら、ここをプラスにして、さらなるお金を生むことができるでしょう。
(独立当初、借りたお金はうまく使えなかった=無駄にしたのは私です)

もともとのキャッシュ・フロー計算書は、こんな感じのものです。

なにやら文字や数字だらけですが、これをつくるのにもExcelは使えます。
会計ソフトでも出るのですが、あってんのかいな・・と思うものもありますし、自分で仕組みを理解するにはつくるのがおすすめです。

ex-it_04

Excelでキャッシュ・フロー計算書をつくるために必要なもの

キャッシュ・フロー計算書は、1年間のお金の流れがどうなっているかを表現するものですので、1年の最初と最後の数字があればできます。
つまり、最新の貸借対照表・損益計算書と前期の貸借対照表と損益計算書が必要です。
ここでは、2期の比較をしたいので、前々期、前期、当期の数字を準備します。

私がキャッシュ・フロー計算書をつくっているシートです。
会社によって項目が違ってきます。
image

3期分の数字をVLOOKUP関数で連動して、その差額を出しておきます。
差額、つまり1年の動きをキャッシュ・フロー計算書に反映するわけです。

image

これらの数字をキャッシュ・フロー計算書に連動していきます。
当期純利益だと、セルJ3。

image

この位置の数字を持ってきます。

image

キャッシュ・フロー計算書は、当期純利益からスタートし、そこを基準に最終的には、キャッシュ(お金)と一致すればOKです。
この19,696は、

image

貸借対照表のキャッシュ(現預金合計、お金)と一致します。
image

利益、つまり、損益計算書の概念からスタートして、キャッシュ、つまり貸借対照表の概念にたどり着くわけです。
だからこそ、貸借対照表と損益計算書があれば、キャッシュ・フロー計算書をつくれます。


■スポンサードリンク
■井ノ上陽一のプロフィール

image

減価償却費は特殊で、経費なのですが、このキャッシュ・フロー計算書の期間には、お金は出ていきません。
お金が出て行ってないのだから、この期の税引前当期純利益に足します。
入ってくるお金、出ていくお金の動きを反映するのがキャッシュ・フロー計算書です。
税引前当期純利益は、減価償却費を引いたあとのものなので、お金の動きを反映するために、引いてしまった減価償却費を足しましょう。
image

これ以降もお金が増えるか減るかで、数字を入れていきます。

たとえば、売掛金。
売上があったけど、まだ入金がないものは、お金的に考えるとマイナスです。
現金や振込なら、今手に入るのですから。
それが、翌月支払いやカード決済や、いわゆる「ツケ」だと、お金は入ってくるのが遅れるわけです。
だからこそ、キャッシュ・フロー計算書では、売掛金が増えていたらマイナス、減っていたらプラスします。

この例でいうと、売上債権の増減なので、売掛金を連動しなければいけません。
手打ちしたら大変なので、

image

連動する科目をE列に「売掛金」と入れて、H列から「売掛金」を探し、見つけたら、当期ー前期の「5,568」を表示させるようにしています。
これは、売掛金、ツケが556万円増えたということですので、お金的にはマイナスです。

image

そのため、F列にある―1をかけて、マイナスにしています。
売掛金が増えすぎてもしかたない、お金が大事というのをイメージしましょう。

そのツケを払ってもらえなかったら、そこのかかった経費や時間が無駄になります。
ツケはほどほどにというのが学べるのがキャッシュ・フロー計算書です。

一方で、買掛金や未払金は支払いを遅らせることになるので、キャッシュ・フロー計算書ではプラスになります。

連動していき、最終的な残高が貸借対照表と一致すればOKです。
image

多少はずれますので、多少だったら、「その他」という欄で調整しましょう。

これくらいのずれなら調整してしまったほうがいいです。
image

Excelでキャッシュ・フロー計算書をつくる流れ

もともとの数字はどうするか。

私は、会計ソフトのデータを使っています。
推移表(試算表でもいいのですが)を会計ソフトからExcelに出し、それを連動させるわけです。
年間合計の部分だけ使います。
image

このデータをキャッシュ・フロー計算書だけに使ってはもったいないです。
私は、会計ソフトのデータを、まず年次推移に連動しています。
image

年次推移とは、1年(期)ごとの数字の推移です。
過去の分はあらかじめ準備し、最新月のみ会計ソフトから連動しましょう。
(最初につくるときは大変ですが、次から楽になります)
image

10年分のデータのうち、3年分をキャッシュ・フロー計算書に使います。
その他のデータも、Excelでグラフにしたり、

image

ときにはパワポにしたり。

image

2期分のデータを使って、1枚で業績を表現したり。
image

貸借対照表の比較表やグラフをつくったり

image

損益計算書の比較表やグラフをつくったりすることもできます。

image

会計ソフトのデータをうまく使っていきましょう。
鍵となるのはVLOOKUP関数での連動です。

こちらのカテゴリにまとめてあります。
Excel VLOOKUP入門 アーカイブ | EX-IT

Excelでつくるとしくみがわかるので(わからないとつくれないので)、おすすめです。


■編集後記

昨日は、早朝から長崎出張。
現地で、決算・税務申告の仕事でした。
そのまま泊まっています。

■昨日の1日1新
※詳細は→「1日1新」
長崎園 カステラ
長崎 ANAクラウンプラザホテル ランチビュッフェ

■昨日の娘日記

昨日は寝顔とLINE通話だけでした。
LINE通話で、はやめに「ばいばい」されると凹みますが。


■スポンサードリンク ■井ノ上陽一のプロフィール
■スポンサードリンク



井ノ上陽一のVALU
■著書
【監修】十人十色の「ひとり税理士」という生き方
ひとり税理士のIT仕事術―ITに強くなれば、ひとり税理士の真価を発揮できる!!
フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本
新版 ひとり社長の経理の基本
毎日定時で帰っても給料が上がる時間のつかい方をお金のプロに聞いてみた!
『ひとり税理士の仕事術』
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ』
『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』