経理業務にPCを使うようになってから、「伝票」は必須のものではなくなりました。
伝票を使う意味
経理業務で「伝票」を使うのは、昔の名残です。
昔は、PCや入力する機器が少なく、手書きで経理業務を行っていました。
(そんなに昔のことは私も知りませんが・・・・・・)
手間もかかるため、経理業務は分業で行われることが多く、伝票を書く人、伝票を確認する人、伝票を入力する人と担当がわかれていることもあったのです。
経理業務の流れとしては次のような感じでした。
実はこの「伝票」は法律上必要とされているものではありません。
請求書、領収書等は法律上保管が必要とされていますので、これらがあれば十分なのです。
「伝票」が使われていた背景には、経理業務の流れという事情があったのではないかと思います。
今はPCで会計ソフトを使うため、分業の必要は少なくなりました。(作業量の多い大会社なら別でしょうが)
経理業務の流れとしては次のようにシンプルなものになっています。
請求書・領収書から、直接、会計ソフトに入力するのです。
伝票を手書きで作り、それを会計ソフトに入力するという2段階の作業は必要ありません。
ましてや、伝票を作り、Excelの資料を作り、会計ソフトに入力するという、3段階の処理をやっていてはいつまでたっても仕事は終わらないでしょう。
伝票をなくし、会計ソフトとExcelの連動(Excel→会計ソフト、会計ソフト→Excel)を使えば、かなり楽になりますし、ミスが格段に減ります。
・Excelから会計ソフトへデータをインポートする場合のメリットと注意点…
・Excelデータを会計ソフトにインポートするデータ形式【弥生会計の場合…
・経理担当者・会計事務所に必須のExcelスキル8+1 | EX-IT
経理業務のチェックのタイミング
「伝票を使わないとチェックができない」「会計ソフトへの入力を間違ったらどうする?」という声もあるかもしれません。
別に伝票でチェックしなくてもかまいません。
会計ソフトに入力した後にチェックすればすみます。
経理業務のチェックのタイミングも昔とは少し違ってきています。
当事務所でやっているのは会計ソフトでチェックし、さらに確認しておきたいものは請求書・領収書で確認するという方法です。
(会計ソフトだけのチェックは危険です。必要があれば請求書・領収書【も】確認すべきでしょう)
会計ソフト上でチェックしやすいように、科目の設定、摘要の入力を工夫する必要があります。
「現金を使わない」というのもチェックを楽にする秘訣です。
チェックの際は、月別の推移や前年比較で異常値を見つけるという方法を使っています。
あえて使うとすれば
あえて伝票を使うとすれば、領収書等が発行されない取引があったときでしょう。
しかし、その場合も、伝票である必要はなく、なんらかの証拠を残しておけば大丈夫です。
(領収書等がない取引が認められるかどうかとは別問題ですが)
とはいえ、会社の方針、顧問税理士の方針もあるでしょう。
明確な理由があれば伝票を作る意味があるかもしれませんが、単に「昔からの慣習」「ずっとやっているから」という理由で伝票を作っているのなら、伝票をなくすことを検討してみてください。
私の著書では、「伝票」はまったく出てきません(^_^;)
昨日は東京マラソンの試走イベントに参加。
42.195kmのコースを走る予定でしたが、20kmまでにしました。
あとの半分は、自主練で走ります。
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