会計処理を発生主義で行う場合のメリットとデメリット

会計ソフトに入力する場合、発生主義というものが意外とくせものです。
混乱する原因の1つともいえるでしょう。
今回は、その発生主義について解説します。
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何がなんでも発生主義にすべきか

発生主義とは、取引が発生した時点(売上が確定した時点)で、売上を計上する考え方です。
その時点とは、
・商品を出荷した
・サービスを提供した
・商品を引き渡した

などといったタイミングをいいます。(会社側で妥当な基準を決めて継続することになります)

例えば、3月14日に売上100が確定し、その入金は4/30である場合、次のように仕訳を入力します。
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3/14 売掛金(未回収の代金) 100 / 売上高 100
→ここで売上が発生、回収しなければいけない代金はきちんと記録しておく。

●3月の業績(A)
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結果、3月の売上高は100となります。

4/30 普通預金 100 / 売掛金 100
→売掛金を回収、代金は回収したので、売掛金は消えて、預金が増える。

●4月の業績(B)
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●3月〜4月の業績
トータルで考えると、累計の業績はこうなります。(他に取引がないものと考えます)
(A)と(B)を合わせた場合、売掛金は左と右に同じ金額がありますので、これを消します。
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結果として、3月〜4月の業績は次のようになります。
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発生主義を使うメリット

発生主義を使うメリットは3つあります。

1 月々の業績を正しく反映できる

上記の例だと、3月の売上高は100です。


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入金したときにのみ仕訳を入力すると、

4/30 普通預金 100 / 売上高 100

となり、3月から4月の累計で考えると、次のようになり、発生主義とは変わりません。
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ただ、月々の業績がずれてしまうのです。
上記の処理だと、3月の売上は0、4月の売上が100となってしまいます。

発生主義で記録すれば、正しく月々の業績を把握でき、月々の意思決定に使うことができるのです。

2 納税予測ができる

税金の計算は、発生主義で行います。

3月決算で、3月に売上が発生した場合、その入金が4月であっても税金の額は変わりません。

入金のタイミングで税金が変わるのなら、節税は楽にできます(^_^;)
当然、許されていないわけです。

税金上発生主義ということは、納税額を予測するには発生主義で記録しておく必要があります。

そうしないと精度の高い納税予測ができず、有効な節税策をとれないのです。

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3 残高管理ができる

3/14 売掛金(未回収の代金) 100 / 売上高 100
という取引を入力すると、

3月末には、売掛金が100残ります。これを売掛金残高といいます。
もし、4月末に入金がなかった場合、4月末にも売掛金残高100が残ります。
4月末に残高をチェックして、もし残高が残っていれば、入金されていないということがすぐに分かります。
入金の催促もすぐにできるわけです。

売掛金がまだ残っているケース→入金がない

●3月から4月の業績
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他にも次のようなケースが考えられます。

4月末の売掛金残高が40のケース → 入金が60しかなかった

●3月から4月の業績
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4月末の売掛金残高が-20のケース → 入金が20多かった

●3月から4月の業績
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こういった場合にすばやくアクションを起こすことができます。

代金を回収してはじめて取引が完結しますので、売掛金の管理は必須です。

発生主義を使うデメリット

一方、発生主義にはデメリットもあります。

なんといっても、経理の手間がかかることです。

発生主義だと、2つの仕訳を入れなければいけません。
3/14 売掛金  100 / 売上高 100
4/30 普通預金 100 / 売掛金 100

発生主義を使わなければ、1つの仕訳で済みますが、上記のメリットが失われます。
4/30 普通預金 100 / 売上高 100

また、ミスの可能性も増えます。

例えば、3/14の仕訳を間違えていると、残高がおかしくなります。

3/14 売掛金  80 / 売上高 80
4/30 普通預金 100 / 売掛金 100

売掛金残高は-20になる

現金で入金があり、それを入力していない場合も同様です。

3/14 売掛金  100 / 売上高 100

(4/30 現金 100/ 売掛金 100が未入力)

売掛金残高100が残ったままになる

 メリットを考えると、発生主義を使いつつ、経理の手間を減らしたり、ミスを減らす工夫が必要です。
そのためには、会計ソフトでの補助科目管理、Excelの活用(会計ソフトとの連動)、請求書から仕訳に連動するしくみなどで解決する方法があります。
まともにやっていたなら私も嫌になります(笑)

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発生主義を実際に行う場合の課題と対策 | EX-IT





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【編集後記】
昨日は、英語の名刺でご挨拶する機会がありました。
ほとんど会話せずに、スマイルと握手で乗り切りましたけどね(^_^;)




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