融資してもらうか?出資してもらうか?

会社の資金調達のためには,
主に
融資してもらう(借入をする)
出資してもらう
という方法があります。
これらについて,どのような特徴があるか比較してみました。
貸借対照表
まずは,調達したお金は,決算書のどこに表示されるかを確認してみましょう。
貸借対照表を図解すると,次のようになります。
Newtype税理士井ノ上陽一 大人の数字力を高めるブログ|
貸借対照表の左側の「資産」は,お金の使い道
右側は,お金の調達方法を示します。
ということは,融資をしてもらった場合も出資をしてもらった場合も,
その調達したお金は貸借対照表の右側に表示されるのです。
さらに,右側のうち,
「負債」は,調達したお金で返済しなければいけないもの
「純資産」は,調達したお金で返済しなくていいもの
を表します。
調達コスト
お金を調達する場合,その調達したお金に対してコストがかかります。
ただでお金を調達することは基本的にできません。
(助成金等を除く)
そのコストについても融資と出資を比較してみましょう。
融資してもらった場合
銀行や知人から融資してもらった場合,つまり,お金を借りた場合は
「借入金」という科目となります。
「借入金」は返済しなければいけませんので,貸借対照表では,「負債」です。
調達コストは,「利息」。
借入をするには,利息を支払う必要があります。
この利息は,「支払利息」として,損益計算書の費用として,計上されるのです。
銀行からの借り入れは,今だと2%~3%の利息を支払います。
出資してもらった場合
出資してもらった場合,つまり自社の株式を買ってもらった場合,「資本金」という科目となります。
「資本金」は,返済しなくてもいいので,貸借対照表では「純資産」です。
調達コストは,「配当」。
出資者=株を持っている人に対して,配当金を支払います。
この配当金は注意が必要です。
配当金は費用になりません。利益を出し,税金を支払った残りから支払う必要があります。
配当で支払うか,給料で支払うか
利息の場合
(収益-費用-利息)×税率=税金
会社のお金-税金=最終的に残る会社のお金
配当の場合
(収益-費用   )×税率=税金
会社のお金-税金-配当=最終的に残る会社のお金
また,出資してもらう場合は,さらに注意点があります。
出資してもらう場合の注意点
1 意志決定権がある
自分の会社に出資してもらう=自分の会社の株を持っている人は,
会社のオーナーです。
株を持っている割合によっては,会社の意志決定をすべて行えることになります。
社長を退任させることもできるのです。
2 払い戻しが困難 
上場していない企業の場合,一度買ってもらった株を払い戻すのは困難です。
上場していない会社の株は値段が決まっていないからです。
(上場している場合は,市場で取引されるため,値段をつけることができます。)
当事者間でのやりとりとなってしまいます。
例えば,設立当初,ある役員に1/3の出資をしてもらった場合,
その役員は,会社の1/3の株を持っているということになります。
もし,その役員と意見が食い違い,会社を辞めることになったら,
問題はさらにややこしくなってしまうのです。
人を信用することと株を持ってもらうことは分けて考えるべきです。
まとめ
融資は,借りたお金を期限どおりに返済すればいいのに対して,
出資は,返済しなくていい反面,配当やその他の問題があります。
中小企業だと,出資してもらう機会はあまりないですし,
資金調達は,自己資金(社長の出資+事業によるもの)+融資が妥当な選択ではあります。
(少人数私募債という手段もあります)
ただ,援助してくださる側としては,
「お金を貸す」よりも「出資する」という立場を好む場合も多いので,
ケースにもよります。
===================================
【編集後記】
ひそかにスコーン作りに挑戦中です。
1度目は,膨らみすぎて,巨大蒸しパンに。
2度目の昨日は,膨らまなすぎて,フォッカッチャ風に。
見た目はともかく,味はよかったので,
3度目こそは・・・と思っています
【読み終わった本】

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」/池上 彰
¥1,365
Amazon.co.jp

著者は「わかりやすく<伝える>技術」の池上さん。
高校生に行った「マルクスの資本論」の授業をまとめたものです。
資本家と労働者の関係を描いた「資本論」の内容は,今読むと非常に納得いきます。
また,池上さんがその「資本論」を解説するわかりやすさも勉強になりました。イチオシです。

世界一わかりやすい在庫削減の授業/若井 吉樹
¥1,470
Amazon.co.jp
■スポンサードリンク

在庫の削減をどうやればいいか?を社長との対話形式で順を追って説明している本です。
わかりやすく,かつ,ロジカルに展開される在庫削減の手法は一読の価値があります。