住民税の制度とケース別の取り扱い

所得税は,毎年の収入に対して計算される税金です。
(会社員の場合は,毎月の給料に対して,計算され,天引きされます。)
収入が増減すれば,所得税も増減し,収入が0ならば,所得税も0です。
一方,住民税は,所得税とは制度が異なります。
収入が増減しても,住民税は増減しません。
住民税の制度は理解しづらく
・転職した場合
・転居した場合
・起業した場合
に質問が多い事項です。
今回は,その住民税の制度とケース別の取り扱いについて,取り上げます。
住民税の制度
住民税の納税方法は2つあります。
1つめは,毎月の給料から天引きして,会社が納税する方法です。
この制度を特別徴収といいます。
2つめは,個人が自分で納税する方法です。
この制度を普通徴収といいます。
1 特別徴収
特別徴収は,前年の収入により計算した住民税を
6月から翌年5月までの給料から天引きし,翌月10日までに支払う方法です。
図にすると,次のようになります。
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例えば,
2008年の収入により計算した住民税は,
2009年6月~2010年5月の給料から天引きします。
2 普通徴収
普通徴収は,前年の収入により計算した住民税を
年4回(6月,8月,10月,翌年1月)に支払う制度です。
例えば,
2008年の収入により計算した住民税は,
2009年6月,8月,10月,そして2010年1月に支払います。(自動振替制度あり)
ケース別の取り扱い
1 転職した場合
特別徴収により納税していた方が転職した場合は,次の3つの選択肢があります。
・転職先でも特別徴収を継続する。(会社側で後述する手続きが必要)
・普通徴収に切り替える
・退職時に一括で支払う
2 転居した場合
転居した場合は,どこに住民税を支払うのでしょうか?
住民税は,1月1日現在の住居がある市区町村に支払います。
例えば,2009年1月1日に千代田区に住んでいて,
同年2月に新宿区に転居した場合,
2009年6月以降の住民税の支払先は千代田区です。
3 起業した場合
特別徴収により納税していた方が,起業した場合は,その起業の形態により,
手続きが変わってきます。
・個人事業主として起業した場合
普通徴収に切り替え,個人で支払います。
・会社を設立して起業した場合
後述する手続きを行えば,特別徴収に切り替えることも可能です。
普通徴収か特別徴収か?
特別徴収だと,翌年5月までにすべての住民税を支払うことになります。
一方,普通徴収だと,翌年1月までにすべての住民税を支払います。
個人の立場からは,
特別徴収の方が,支払いを先に延ばすことができるため,
可能であれば,特別徴収にしてもらいたいものです。
ただ,会社側の手続きが必要です。
個人で納税するのは,負担感も大きく,支払期限のメリットもあるからです。
会社の立場からは,
天引きすることにより手取額が減ってしまう,事務負担が増えるという見方もありますが,
前述の個人への負担感・支払期限の観点から,
特別徴収への切り替えも選択肢として考えられます。
なお,従業員が常時10人未満の場合,年2回(6月,12月)の支払いにできる特例もあります。
当事務所では特別徴収への切り替えのご要望があれば,手続きを行っています。
具体的には,個人宛に来た住民税の納付書と申請書を所定の市区町村に送付します。
年2回払いにする手続きも同時に行うようにしています。
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