・会社は年末調整をやらなければいけないのか?

「会社から『今年から自分で年末調整するように』と言われたんですけど・・・」
今日,お会いした人に聞かれたことです。
よくよく聞いてみると,会社で年末調整をしないから,自分で,やってください。今の時期から準備しておいてくださいね。という意味でした。
これには3つの論点があります。

1 年末調整は会社が行うもの
年末調整とは,毎月給料から預かっている税金を年末に再計算することです。
例えば,30万円の給料で1万円の所得税を差し引くとします。
この1万円は,ほとんどの場合,多めに差し引かれています。
そこで,年末に扶養親族や社会保険料(健康保険,年金など),製麺保険料などを考慮して,税金を会社が再計算します。

2 年末調整を会社が行わない場合

年末調整を会社が行わない場合,従業員個人で年末調整を行うことができません。
なぜなら,年末調整とはあくまで会社や個人事業主,つまり給料を支払う側が行うものだからです。
この場合は,個人が翌年に確定申告をしなければいけません。
3 年末調整は義務なのか?
この年末調整は会社の義務なのか?というと,法律上義務とされています。
↓法律の一部抜粋です。

第190条 給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、第1号に規定するその年中に支払うべきことが確定した給与等の金額が2千万円以下であるものに対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする場合(その居住者がその後その年12月31日までの間に当該支払者以外の者に当該申告書を提出すると見込まれる場合を除く。)において、第1号に掲げる所得税の額の合計額がその年最後に給与等の支払をする時の現況により計算した第2号に掲げる税額に比し過不足があるときは、その超過額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収すべき所得税に充当し、その不足額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収してその徴収の日の属する月の翌月10日までに国に納付しなければならない。

年末調整の会社側から見た処理は,こちらを参照してください。
ただし,年末調整を会社側でやらない場合,現実的には罰せられることはありません。
年末調整では,税金が還付されることが多く,年末調整をやらない場合は国に納める税金が多くなります。
そのため,年末調整をやらないことは国側に有利,納税者側に不利なことなのです。
実際,年末調整をやっていない例を聞くことはあります。
今回のように,急にやらなくなる例ははじめてですが・・・。
私が昔勤めていたところでも,年末調整はなしでした。会計事務所ですが(^_^;)
上記2で見たように,年末調整をやらない場合は,各個人が確定申告をしなければいけません。
手間と,ある程度の知識が必要となります。
その結果,税金を納めすぎという状況が発生していまいますので,年末調整は会社で行う,又は税理士事務所等に依頼するべきものです。
しかし,税金への意識を高めるため,また,個人情報の保護のためには年末調整は好ましくありません。
さらに,会社がこの業務を無償で行わなければいけないこと(税理士事務所等に依頼するとしても有償)も問題点として挙げられます。
今後,年末調整は廃止される可能性もありますし,法律の改正案では年末調整をするかしないかを選択できる制度も検討されています。
今回聞いた会社は,その流れを先取りしたのでしょうか・・?

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【編集後記】
初トライアスロンに向けて,今日の夜荷造りしました。
明日,仕事の後,そのまま横須賀に向かうからです。
クライアントの創業記念パーティーに参加し,そのままホテルに行きます。
忘れ物がないようにしなければ・・・。




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