・欠損金の繰越控除制度

先日、こういうニュースがありました。
企業が欠損金を翌期以降に繰り越して課税所得と相殺できる制度について、課税所得の「半分まで」に利用を制限するのが柱。(日経新聞)
このニュースがどういうものかを2回に分けて解説していきます。
今回は、欠損金の繰越控除制度についてです。
上記のニュースにある「企業が欠損金を翌期以降に繰り越して課税所得と相殺できる制度」は欠損金の繰り越し控除といいます。
欠損金とは、マイナスの所得(税金上の利益)です。
損益計算書の当期純利益がマイナスの場合は、通常所得もマイナスとなり、欠損金が発生します。
この欠損金は翌年以降に繰り越すことができるのです。
たとえば、2010年に欠損金が400万円発生したとします。
※12月決算の会社と考えてください。
その翌年、2011年は所得が400万円発生したとします。
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この場合に前年の欠損金400万を使うことができるのです。
所得400万円から欠損金400万円を差し引くと、2011年は所得が0。
税金がかからないこととなるわけです。
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では、2011年の所得が50万円のときはどうなるでしょうか?
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この場合は、前年の欠損金400万円のうちの50万円を使います。
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2011年の所得50万円から2010年の欠損金50万円を差し引き、所得は0となります。
欠損金の残りの350万円は2012年以降にさらに繰り越すことができます。
では、一度大きいマイナスを出しておけば、ずっと税金がかからないということになるのでしょうか?
やはりこういう場合は制限があります。
この繰り越しは7年間が限度となっています。
2010年に発生した欠損金は、2017年までに使い切れない場合は切り捨てられます。
次の図のように、2012年がマイナス20万円、それ以降が0万円と仮定すると、7年間で欠損金の350万円を使いきることができず、2017年時点でなくなってしまうのです。
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なお、2012年に発生した欠損金20万円は、さらに7年間繰り越せます。
申告書では、このように発生した年度ごとに欠損金を管理しているのです。
以上が欠損金の繰越控除制度の概要となります。
冒頭のニュースは、この制度に制限を加えるという趣旨です。
これについては次回取り上げます。
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たしか独立して秋葉原に事務所を構えたときから、工事をしていたと思うのですが、秋葉原駅の駅ビル工事がようやく終わりそうです。
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