・会計と税法は考え方が違う

税務の世界、つまり税理士業界に入るとき、まずは簿記(会計)を勉強することが多いです。
私もそうでした。
会計だけを勉強し、税法を勉強する前に、実務を行うと、
「勉強したことと違う!」
と混乱することがあります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【今日のテーマ】
会計と税法は考え方が違う

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

会計と税法の違い

会計と税法(税金について定めた法律)には、その考え方に違いがあります。
利害関係者を守るために、会社の状態や成績を正確に公表しようというのが会計、税金を適正に徴収しようというのが税務です。
会計にとっては、税金の徴収が適正かどうかは、あまり関係なく、税務にとっては、利害関係者を守るかどうかというのは、あまり関係ないわけです。(まったく関係ないわけではありません)
会計の基準を守らなければいけない上場会社等はともかく、中小企業では、会計(簿記)で勉強したことが、実際には行われていないことがあります。
本来は、中小企業も会計の基準に沿った処理をされるべきなのですが、財務内容を公開する義務はなく、結果的に税法に沿った処理をしているのが実情です。
金融機関や取引先に財務内容を公開することもありますので、必ずしも好ましい状況ではありませんが。
会計と税法の取り扱いが異なる点をいくつか例を挙げてみます。
会計と税法の取り扱いが異なる例

1 減価償却費

例えば、600万円の車を買った場合には、その金額を一度に費用にするわけではなく、数年間にわたって、少しずつ費用にしていきます。
これは会計の考え方です。
車は数年間は使うことができます。
そのため、600万円を一度に費用にしてしまうのではなく、その使うことができる期間にわたって費用にするわけです。
一方、税法では、「もし、減価償却費として費用にしたのなら、認めるよ」という法律になっています。
つまり、必ずしも減価償却をしなくてもいいのです。
ただし、その費用とする金額は、法律で定められています。
車(普通乗用車。新車)であれば、6年間であり、毎年費用として認められる金額も決まっています。
実務では、この税法の基準に沿った金額を減価償却費とすることが多いです。
2 消耗品費
例えば、ペンを10本、1000円で購入したとします。
もし決算日に、このうちの3本(300円)は使わないままでいた場合は、使わなかった分は、費用としません。
使いはじめた700円だけ、費用にします。
これは会計の考え方です。
使った分だけ費用にします。
一方、税法でも、原則的には同じ処理をします。
しかし、例外として、同じくらいの量を毎年買っていて、経常的に消費し、継続して購入したときに費用としていれば、認められます。
実務では、ほとんどのケースで、買った時点で費用にしています。
もちろん、「利益が出そうだ→使わないけど、大量にまとめ買いしちゃえ」というのは却下される可能性が高いです。
3 交際費
業務に必要な飲食をはじめとする交際費。
これは当然、会計上、費用とすることができます。あくまで「業務に必要な」ものです。
しかし、税法では、いくら業務に必要でも、交際費の全部又は一部を費用と認めない規定があります。
費用と認めないということは、税金がそれだけ増えるということです。
・グレーな経費は交際費に?
・領収書から見る交際費の規定
交際費の判断基準
交際費に対する税金のしくみ
税金を取る側になりきってみる
簿記を勉強して、実務の世界に入る方、税務以外の仕事をしていて、簿記・会計を勉強した方は、この違いに戸惑うかもしれません。
前述した考え方の違い、そもそもの作られた趣旨の違いを考えてみるといいと思います。
より難しいのは税法の判断です。
私が税務の判断をするときに「自分が税金を徴収する立場だったら、それを許すかどうか」ということを考えます。
ようは、税金を取る側になりきるのです。
さらに、税金を追加で取ると、臨時ボーナスをもらえると考えるとなおよいでしょう(笑)
そう考えると、税法の考え方が理解しやすいと思います。
例えば、税理士が、私用で海外旅行に行き、サッカーを見に行っているのに、それを経費に落とす、業務に全く関与しない家族との食事を経費に落とすというのは、決して許されないでしょう。
あくまで例ですが(笑)
=========================

■スポンサードリンク
【編集後記】
通っているテニススクールは、1クラス最大4名です。
昨日は、欠席も多く、私1人。
マンツーマンでレッスンを受けることができ、ラッキーでした。
常に動いていたので、少し疲れましたが。
肝心の腕前は、ようやくホームランが減ってきた感じです(^_^;)

2/5,2/19「Excelショートカットキー道場」の詳細・お申し込み




■スポンサードリンク


■ブログEX-ITの購読 →feedlyを使って無料で読む
→Twtterで読む
Facebookで読む

1日1新 Instagram
井ノ上陽一のVALU
■著書
ひとり税理士のIT仕事術―ITに強くなれば、ひとり税理士の真価を発揮できる!!
フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本
新版 ひとり社長の経理の基本
毎日定時で帰っても給料が上がる時間のつかい方をお金のプロに聞いてみた!
『ひとり税理士の仕事術』
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ』
『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』
■スポンサードリンク
###