あるかどうかわからない税務調査に向けて必要最低限準備しておくこと

税務調査は、税務署の方が実際にレシートやデータを見に来るもの。
あるかどうかはわかりませんが、必要最低限意識しておきたいことがあります。
それをまとめてみました。

※隠岐の島の税務署の看板。「あなたにとっても、イータックス」……。 by Nikon Z9+Leica 50mmF1.4

1 隠さない・でっちあげない

税務調査とは、
・法人だと3%、個人だと1%の確率(ただ、形だけの法人、フリーランスも多いので実質的にはもっと多い)
・業種、怪しさ、地域、数字などによって調査するかどうかが決まる
・フリーランスでもひとり社長でも、赤字でも、売上1000万円以下でも税務調査はありうる
・税務署の方が1名または2名で自宅またはオフィスに来る
・事前に電話があり(電話のみ)、日程調整。だいたい1日〜3日。それぞれ10時から16時ごろ(昼休憩1時間)。
・通常は過去3年分の書類やデータをチェック(レシート、請求書、総勘定元帳など)し、不明点(怪しい点)は質問
・修正すべきところがあれば、その後、修正して、追加の税金と罰金を払う
といったものです。

毎年あるわけでもありませんし、10年で一度もないということもよくあります。
ただ、税務調査は、独立した方すべての方が備えておきたいもの。

必要最低限の備えを3つ挙げてみました。

1つは、隠さない・でっちあげない。
売上は隠さないようにし、経費はでっちあげない(ないもの・払っていないものを経費にしない)ようにしましょう。
バレたときのダメージが大きいですし、数字が不自然になります。
もし隠していることやでっちあげていることがバレたらいいわけはできません。
罰金も増えます。

また、変にごまかすと、経費は増えていても売上が減っているということも起こるものです。
結果、税務調査が入りやすくなります。

・現金の売上をなかったことにする
・別口座(個人口座)に振り込んでもらいなかったことにする
・領収書だけ適当にもらう
・自分が払っていないレシートだけもらって経費に入れる
といったことはしないようにしましょう。

税務調査うんぬんというよりも、マイルールにしておきたいものです。
お客様からいただいた大切なお金を、売上をしてなかったことにするのは、お客様に対しても裏切りとなります。

経費の基準も含めてマイルールを磨きつつ、しっかり節税して、ごまかすことなく、どんと構えておきましょう。
ルールづくりは単発相談でも承っております。
単発税務相談 井ノ上陽一税理士事務所
いざ税務調査となったときにはこちらで。
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2 売上、経費のタイミングを今一度チェック

税務調査で問題になることの1つは、売上、経費のタイミング。
たとえば、売上100万円が、2022年に入れるのか、2023年に入れるのかで、税金のタイミングも変わります。
決算月(個人の場合、年)の終わり近くの売上や経費には気をつけましょう。

・まだ入金がなくても売上
・払ったけど経費にならない
というものもありますし、逆に
・入金があったけど、今回の売上ではない
・払っていないけど経費になる
というものもあり、これらを間違えると損をします。

また、クラウド会計ソフト(通常の会計ソフトも含む)を過信してはいけません。
会計ソフトにチェック機能はほぼありませんから(責任も持ちたくないでしょうから)。
「ひとまず終わった」という程度ですので(どんなに派手な宣伝をしようと)、チェックは欠かせません。

・ネットバンク(預金)は実際と合っているか
・ダブって記録していないか
・貸借対照表に、金額がちょろっと残っていないか、マイナスになっていないか、特に売上でまだ未入金の「売掛金」は正しいか
・前回の数字と比較して、大きな違いがないか、あるとしたらそれは正しいか
・自分の感覚と数字は合っているか
などをチェックしましょう。

細かいところまで合っているのが理想ですが、細部を気にしすぎて、大きなミスをしたら意味がありません。
10万円、100万円単位で、まずはチェックしましょう。

これも税務調査に関わらず、ご自身の仕事の成果を測り、それを活かすためにしておきたいことです。
1年に1回のチェックじゃ足りません。
ましてや丸投げしていては……。

3 書類・データを整えておく

税務調査には、書類(紙)・データが必要です。
・総勘定元帳(預金、売上、消耗品費など科目別に日付、内容、金額などが記されたもの)
・請求書、レシート、領収書、契約書等
などを揃えておく必要があります。

これらをなくさないようにしておきましょう。
総勘定元帳は、会計ソフトから出すことができます。
会計ソフトのデータをなくしてしまっても(バックアップしそこねても)、最悪、総勘定元帳があればいいのですが、会計ソフトのデータも取っておくようにしましょう。

弥生会計だと、過去3年分しかデータを持てず、このあたり注意しなければいけません。

電子帳簿保存法という法律があり、電子帳簿=データでとっておき、税務調査の際にそれを見せるということもできます。

・会計ソフトのデータをデータのまま保存
・紙をスキャンしてデータにして保存
・データで受け取ったものをデータのまま保存
と、すべてデータというのも不可能ではありません。
税務調査でプリントアウトをお願いされることもありますが。

すべて紙(または言われたプリントアウト)でもOKではあります。
(一時、データで受け取ったものはプリントアウトしちゃいけないという法律でしたが)

ただ、「データで受け取ったものをデータのまま保存」は効率的なので、やっておきたいものです。

こういった準備をしておきましょう。

上記3つのうち、これだけは税務調査用です。
ご自身でデータ活用するなら、会計ソフトまたは会計ソフトからExcelしたデータを使うことになります。
総勘定元帳を見ることは、紙であれPDFであれ、する必要はありません。

必要最低限だと以上です。
「多い」と思われるかもしれませんが、独立後は攻めの営業とともに守りの経理は欠かせないもの。
「必要最低限」のハードルも上がらざるを得ません。
といっても、工夫次第で経理は効率化できます。
時間をかけても意味がありませんので。
(営業も)

その経理を効率化しつつ、税務調査を視野に入れてやっておきましょう。
税務調査を視野にするくらいの余力を持っておきたいものです。



■編集後記
昨日は、オフ。習慣のみ。
新セミナー告知も。
5/24 消費税インボイス入門セミナー
5/31 仕事の減らし方入門セミナー
雨だったので、近場で過ごしました。

夜は、娘とマリオ。
なかなか手ごわい……。

1日1新Kindle『1日1新』
8K60で動画撮影
PayPayカード

■娘(6歳)日記→Kindle『娘日記』・ Kindle『娘日記Ⅱ』
朝、公園に行こうとしましたが予報通り雨。
帰宅して、どこもいかないつもりでしたが、パパのスタバについてきました。
本屋で、しずくちゃん(最近はまっている本)の続きと漢字辞典を。
漢字辞典はすみッコだったので。