速報!平成28年税制改正。中小企業・個人が知っておきたい改正点まとめ

平成28年(2016年)度の税制改正案が発表されました。
現実的に関係のありそうなところをまとめてみます。
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※宮崎の実家の庭にて iPhone 6s

目玉の法人税減税は大企業向け

税制改正、つまり税金関係の法律の改正案が例年この時期に決まります。
目を通してみましたが、やはり大企業向けです。

大企業の顔色をうかがわなければいけない現状ではしかたのないことなのでしょう。

目玉の法人税減税は、「29.97%に引き下げ!」と出ていますが、多くの企業には関係ありません。
(もちろん、私の会社にも関係がないことです。。)

この29.97%とは、会社が払う税金(法人税、住民税、事業税など)をすべて含めて計算した税率です(法定実効税率といいます)。
その中で法人税の税率は、所得(利益)が800万円を超えるか、それ以下かで計算方法が違います。

現状(平成27年4月1日以降に開始した事業年度)は、
・800万円以下の部分 15%
・800万円超の部分 23.9%
です。

1,000万円の所得なら、
・800万円×15%=120万円
・200万円(1,000万円ー800万円)×23.9%=47.8万円
合計で167.8万円の法人税となります。
(その他住民税、事業税等がかかります)

今後、下がるのは、800万円超の部分です。
多くの企業、特に小規模な企業は、年に800万円も利益が出ない(出さない)ので、800万円超の部分が下がっても関係ありません。

ここ数年の法人税率、法定実効税率の推移をみるとこうなっています。
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年800万円以下の部分の税率が、18%から15%になったときは、影響があったのですが、この後の2年間は復興特別法人税(法人税の額の10%)があったので、それほど下がりませんでした。


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今回の改正案は、年800万円超の部分が23.9%→23.4%→23.2%と下がるというものですので、大企業(利益を出せる企業)向けです。
大企業は、発言権もあるのでしかたがないことではあります。

消費税軽減税率は後日

今回のもう1つの目玉、消費税の軽減税率は、後日に決定することになっています。
軽減税率とは、消費税の率をモノによって変えるしくみです。

※12/17に記事を書きました。
【関連記事】8%?10%?消費税の軽減税率導入・・。食料品の消費税率フローチャート[速報版] | EX-IT
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平成28年税制改正のポイント

平成28年税制改正で気になるポイントをまとめてみました。

・【法人】減価償却に関する増税

資産を買ったときには、減価償却という方法で少しずつ経費にしていきます。
一括で経費にすると、利益が大きく減り、税金も減るからです。

その方法には、毎月定額で経費にする定額法と、最初に大きく経費にする定率法があります。
これまで、法人だと、建物は定額法のみでした。
金額が大きい建物は、定率法だと経費が大きくなるからです。

改正後は、建物付属設備・構築物も定額法になりました。
平成28年4月1日以後に取得するものが対象です。

たとえば、500万円の付属設備を買い、15年で減価償却をする場合、定率法なら1年目に665,000円、定額法なら、1年目に335,000円が経費になります。
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差額の金額×税率分は税金が増えてしまうわけです。
(定額法も定率法もトータルの経費は変わりません)

・【法人】機械及び装置の固定資産税の減税

中小企業が機械及び装置を、買った場合、固定資産税の対象金額が1/2になります。
ただし、販売開始から10年以内、生産性が1%以上向上、1台160万円以上といった条件です。

設備を持たない業種は関係ありません

・【法人】従業員1,000人超の場合、10万円以上30万円未満の資産を一括で経費にできなくなる

中小企業は、30万円未満の資産を買った場合、一括して経費にできます。(少額償却資産)
改正後は、従業員が1,000人超の場合は、この制度を使えません。

・【個人】三世代同居住宅のリフォーム代で節税

三世代が同居する住宅のためにリフォームをした場合、節税となります。
・借入をしている場合→工事費用(最大250万円)の借入金残高の2%
・リフォーム工事をした場合→工事費用相当額(最大250万円)×10%を税金から控除

子育て支援のための制度ということですが、果たして効果があるかどうか疑問です。
離れて住んでいたら、同居は難しいですし、そもそも同居すれば子育て支援になるというものでもないと思うのですが・・・

【個人】子育て資金の贈与非課税の範囲が拡大

現状、両親や祖父母から、結婚や出産の費用をもらっても、1,000万円までは贈与税はかかりません。
(結婚費用は300万円まで)

この範囲には、不妊治療に係る費用がこれまでも含まれていましたが、改正後は、不妊治療のため薬局で処方された薬代なども含まれます。

・【個人】市販の薬で節税

今でも、医療費控除という制度で、市販の薬代が節税になる場合があります。

改正後は、薬代だけで節税になります。
(医療費控除とは別枠です)
・スイッチOTC薬品であること
・平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間
・健康診断、予防接種等を受けている
・合計額が12,000円を超える場合、その超えた部分(最大で対象となるのは88,000円)
といった要件です。

スイッチOTC薬品とは、医療用のものを一般用に転用したもので、ロキソニンs、ガスター10(胃薬)、エスタック鼻炎などがあります。
対象となるものを5万円買った場合、12,000円を引いて、38,000円が対象となり、所得税の税率が10%だと3,800円(住民税は一律10%なので、さらに3,800円)が戻ってくるしくみです。

要件で、健康診断等を受けているというのがあるのがやっかいですが(証明はどうするのか謎です)、知っておくといい制度でしょう。
領収書の保存も必要となります。

・【個人】寄付の節税の手続きが簡略化

寄付の手続きが簡略化し、領収書はメールを印刷したものでもよくなります。

・【個人】NISAの手続きが簡素化

NISAの手続きが簡略化します。

・【法人】企業版ふるさと納税

個人でしかできなかったふるさと納税が、法人からもできるようになります。
(スタート時期はまだ決まっていません)
一定の要件はありますが、寄付をした金額の60%が節税になる予定です。

・【個人】空き家売却で節税

相続した空き家の土地を売却して利益がでたときに、3,000万円を控除できるようになりました。
適用となるのは、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの期間です。

・【個人】通勤手当の非課税枠が広がる

通勤手当は、所得税がかかりません。
給料30万円、通勤手当2万円の場合、30万円のみに所得税・住民税がかかります。
(社会保険では通勤手当も対象です)

ただし、この非課税になる通勤手当は現行10万円です。
これが、15万円に広がります。
平成28年1月1日以後ですので、すぐのスタートです。

15万円通勤手当がかかる・・というのがそれほどないでしょうが。
あったとしても払える企業はやはり大企業になるでしょうね。

・【個人・法人】自動車取得税廃止→環境性能税

自動車取得税が平成29年3月31日に廃止され、そのかわり環境性能による税金がかかるようになります。

・【個人・法人】クレジットカードで納税

平成29年1月4日以降、クレジットカードで納税ができるようになります。
インターネットでも納付できる予定です。
ただし、手数料はかかります。

現状、東京都では、クレジットカードでの納税は10,000円ごとに73円+税の手数料です。
10万円だと、788円、90万円だと7,095円。。
これをどう考えるかですね。

さらには、東京都はクレジットカード納付できるのが100万円未満です。
国税も限度があるかもしれません。

・【個人・法人】罰金制度が強化

税務調査にからんで、罰金が強化されます。
これまで、調査の連絡が来た後から調査までの間に、自主的に修正をすれば、罰金は少なくて済みましたが、そうはいかなくなります。

・【個人・法人】外国人旅行者向けの(消費税)免税の範囲が広がる

免税店で免税になる範囲が変わります。
平成28年5月1日以降です。
・一般物品 1,000円以上→5,000円以上
・消耗品 5,000円超→5,000円以上

・【個人・法人】マイナンバー対象書類の見直し

青色申告承認申請書、消費税の届出書など、マイナンバーを記載しなくてもよくなりました。
平成29年1月1日以後に提出するものという規定なので、来年は記載しなければいけないのがややこしいです。。。

年末調整時の資料(扶養控除等申告書)にも、他で番号を保管していれば、マイナンバーを記載しなくていいと明記されました。
(別途国税庁から通知が出ています。お客様には、別途管理していただいています)

・【個人・法人】スキャナ保存の要件が緩和

レシート、領収書をスキャンして、捨てることができる夢のような制度があります。
ただ、要件が厳しくて夢に終わっているのですが。。

これが多少緩和されますが、導入はやはり難しいと言えます。
(タイムスタンプの問題が解決すればなんとかなりますが)

平成28年9月30日以降の申請からの適用です。
・相互牽制が確認程度でよくなった
・定期検査は、税理士がやってもよくなった
・スキャナは、デジタルカメラ、スマホでもよくなった
【関連記事】スキャナ保存の厳しすぎる要件。3万円以上の領収書がスキャンできるようになっても中小企業・フリーランスが導入できない理由 | EX-IT
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追記:2016/2/14に次のような記事を書きました。スキャン保存できるようになりましたが、現実的には厳しいです。
平成29年1月1日からスマホやデジカメでの保存が認められるようになりますが、状況はそれほど変わらないでしょう。





【編集後記】
昨日の夕方、実家宮崎に戻ってきました。
日曜日の青島太平洋マラソンのためです。
昨日は雨でしたが、今日は快晴。
レース日も晴れるようです。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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【1日1節】
時間術の本を1日1節書く。12月22日完了予定。
72/84(+1)