Amazonが支払調書の古き慣習・誤解を打ち破った件

1月になると、「支払調書」という言葉が飛び交います。
この「支払調書」について、Amazonからのメールもまじえて解説します。
Amazon siharaichousho

支払調書への誤解

支払調書というと、いろんな種類がありますが、一般的に「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」というものをいいます。
文字通り、個人に報酬、料金などを支払った場合に作成、提出する書類(調書)です。
法人に対して払った場合には作りません。
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基本的に、支払った金額の10.21%の税金(所得税)を差し引いて報酬を支払います。
この場合、差し引いた税金1,021円を個人に変わって税務署に納税しているのです。
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「個人は税金をちゃんと申告しないだろうから、支払う方があらかじめ差し引いてくれ」という意図も見え隠れします。

現状、支払調書については、次のように取り扱われていることが多いです。

・支払調書を提出する側
支払調書を作成し、一定の条件をみたすものを税務署に提出
支払調書を個人に送付

・支払調書を受け取る側
支払調書を受け取り、確定申告書に添付している
添付しなくても、支払調書を確認してから確定申告署を作成。支払調書がくるまで確定申告ができない。

この中には誤解もあるのです。
ブログでもなんどか紹介してきましたが、再度、Amazonからのメールも引用して、解説します。

Amazonからの支払調書?

Amazonも支払調書を作成しています。
個人・法人向けの販売をするAmazonが個人に報酬を支払う場合があるのです。


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たとえば、Amazonへのリンクを貼り、そのリンクをクリックして商品を購入すると、そのリンクを貼った=紹介した人に報酬が入ります。
当ブログでも、リンクを貼っています。

今月だと、売上はこんな感じです。
17個の商品を買っていただき、その分の紹介料が計上されています。
この紹介料は、月にまとめてギフト券で受け取るしくみです。
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本だと一律3%、その他の商品でも8%くらいの紹介料となっています。
この紹介料が、支払調書の対象となるのです。

ただし、私は支払調書をもらったことも源泉徴収をされたこともありません。
報酬が一定以上ではないからです。

法律に、
「外交員、家内労働者等に報酬を支払う場合は、その報酬から月12万円を差し引いた金額の原則として10.21%の源泉所得税を引かなければいけない」
というものがあります。

Amazonから紹介料をもらう側は、法律上「外交員、家内労働者等」となるのです。
保険の外交員や集金人、電力量計の検針人などと同じ扱いとなります。
人数も多く処理が煩雑になることから、「月12万円以内なら源泉所得税を引かなくていいよ」という法律があるのです。

月12万円を超える紹介料をもらっている人はわずかでしょう。
もちろん、私も超えていません。
源泉徴収をされていない→支払調書もこないというわけです。

Amazonからのメールにみる「支払調書」

昨日、Amazonから「【重要】Amazonアソシエイト 支払調書の送付停止のご案内」というメールが来ました。
同様のメールが届いた方もいらっしゃるかと思います。

「Amazonは、これまで支払調書を送付していましたが、今回からは送付しません」という趣旨です。
次のようなFAQも添付されており、この内容がすばらしいものでした。
これまでの支払調書への誤解、慣習を吹き飛ばすものです。

FAQ(よくあるご質問)
(1)支払調書の交付は、支払者の義務ではないのですか?
答: 支払調書の提出について所得税法が義務付けているのは支払者の所轄税務署への提出のみに限られております。アソシエイト・プログラム参加者様への送付は法律上義務づけられておりません。(所得税法第225条)

(2)これまで支払調書を確定申告書に添付していました。今後、送付していただけないとしたら、確定申告書への添付はどのようにしたらよいのですか?
答: 支払調書は、確定申告書の添付書類として所得税法において提出が義務付けられている書類には該当しません。弊社より源泉徴収された金額はアソシエイトセントラルの支払履歴確認ページにてご確認頂けます。(所得税法第120条第3項)

(3)確定申告をしたところ、税務署より支払調書の添付を求められました。交付してもらえますか?
答: 確定申告書に添付が義務付けられている書類は所得税法第120条に列挙されており、支払調書は該当しません。

1つずつ見ていきます。

(1)支払調書の交付は、支払者の義務ではないのですか?
答: 支払調書の提出について所得税法が義務付けているのは支払者の所轄税務署への提出のみに限られております。アソシエイト・プログラム参加者様への送付は法律上義務づけられておりません。(所得税法第225条)

「支払調書って法律上、義務じゃないの?」という質問への答えです。
たしかに、法律では、「税務署長に提出しなければならない」とだけ書いています。
慣習上、送っているケースもあり、一概にやめましょうとはいえないところですが、業務量も多く、やめるのを検討する価値はあるでしょう。
お客様でもケースによっては送っていないこともあります。

(2)これまで支払調書を確定申告書に添付していました。今後、送付していただけないとしたら、確定申告書への添付はどのようにしたらよいのですか?
答: 支払調書は、確定申告書の添付書類として所得税法において提出が義務付けられている書類には該当しません。弊社より源泉徴収された金額はアソシエイトセントラルの支払履歴確認ページにてご確認頂けます。(所得税法第120条第3項)

「確定申告書に添付してたのに、どうすればいいの?」という質問への答えです。
支払を受ける側の話ですね。

慣習上、添付していることも多いのですが、支払調書を確定申告書に添付する義務はなく、支払調書を待って確定申告することも必要もありません。
私の確定申告の場合、毎年数字を確定させるのは1月1日又は2日、提出するのは、国税庁のシステムが使えるようになった1月上旬です。

支払調書が来るのは、1月下旬から2月。それらも待ってもられませんし、こないところもあります。
もっとも支払調書で税理士報酬に関するものは、当然お客様に作ったいただくことはなく、私が作っています。
雑誌の原稿料、書籍の印税、講演が支払調書の対象です。
支払の都度送ってくださるところも多いですね。

支払調書がこないと売上がわからない、経理ができないというのは避けましょう。
自分で売上を把握することは欠かせません。
ときどき、源泉所得税をひかれているのかひかれていないのか微妙なところもありますので、その都度確認しておきましょう。

仮に支払調書の金額が間違っていても、自分の数字があっていると確信できれば、自分の数字で申告してかまいません。(もちろん、指摘してもいいのですが)
支払調書の金額を集計するのは結構大変で、手計算だと間違いも多いです。
自分の数字をきちんと計上しておきましょう。

(3)確定申告をしたところ、税務署より支払調書の添付を求められました。交付してもらえますか?
答: 確定申告書に添付が義務付けられている書類は所得税法第120条に列挙されており、支払調書は該当しません。

この事例は聞いたことがありません。
一般的に、税務署は、税理士に接するときよりも直接個人に接するときは厳しくなります。
売上の根拠はあるのか?という意味で、支払調書を出すように言われたのでしょう。
そもそも添付する義務はないのですが、何かしら確認したいということでしょうから、売上のデータなりを提出すれば十分です。

ーーーまとめーーー

冒頭で、支払調書の取り扱いとして以下のものを取り上げました。

・支払調書を提出する側
支払調書を作成し、一定の条件をみたすものを税務署に提出
支払調書を個人に送付

・支払調書を受け取る側
支払調書を受け取り、確定申告書に添付している
添付しなくても、支払調書を確認してから確定申告署を作成。支払調書がくるまで確定申告ができない。

このうち、本当にやらなければいけないのは、
・支払調書を提出する側
支払調書を作成し、一定の条件をみたすものを税務署に提出
だけです。

慣習上、やっていることで、一概にやめることはできないでしょうが、支払者・支払を受ける側双方、そして税理士側で考え直してみてはいかがでしょうか。
税理士側でも当然のこととして、誤解のあるまま続けているケースもあります。





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【編集後記】
昨日は、実家宮崎で通常営業。
夕方は、明後日のフルマラソンにむけて整体&最終調整ランをしました。
夜は友人と鶏料理。やはり地鶏のたたき、炭火焼きがおいしいです(^^)