国家公務員から税理士(0から5科目受験)のメリット・デメリット

「公務員から税理士」というキーワードで検索してこのブログをご覧いただいております。
そのメリット、デメリットをまとめてみました。

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※ホテルから見た国会

公務員→税理士というキャリア

私は、1997年4月(24歳)から2000年6月(27歳)まで国家公務員二種をやっていました。
勤めていたのは、総務省統計局というところ。
完全失業率に関する仕事がメインでした。

「公務員から税理士」というと、「ああ、あれか」と思われるかもしれません。
税務署やその他の役所に一定期間勤めると、税理士試験の一部または全部が免除されます。;
税理士試験は5科目です。
(10年または15年で一部免除、23年または28年ですべて免除)

私の場合は、まったく関係のない職場かつ、そもそも3年3か月なので、そういったメリットはありませんでした。

税理士試験は、1年に1科目から3科目を受験するものです。
(それ以上は現実的に合格できません)

単純に考えても、3科目、2科目合格したとしても2年かかります。
7つそろわないと意味がないドラゴンボールと一緒で、5科目そろわないと税理士になれません。

公務員を辞めると決めた2000年4月から、その試験に挑戦しました。
その後、2003年12月に5科目がそろい、資格をとり、独立し、今に至っているわけです。

辞めた理由は、こちらに書きました。


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公務員から税理士のメリット

公務員から税理士(免除なし)のメリットを考えてみました。

1 人生を変えられる

公務員になれば、基本的にやめなくてすみます。
悪いことをするか、日本で大変革が起き、公務員を減らすとでもならない限り。

これがいいようで悪いのです。
普通の会社だと、辞めても転職すればいいやと思いますが、公務員の場合は、自らその安定を捨てなければいけません。
その決断は重く、そうそうかんたんにはできないでしょう。

それでも辞めれば人生を大きく変えることができます。
私はそもそも安定しているからという理由で公務員を選んだわけではありません。
就職浪人して何も持っていなかった当時の私がレールに戻るには、試験を受けて資格なり公務員なりにならなければと思っていたからです。

ただ、そのレールが私には合ってなかったため、レールから外れることにしました。
辞めるまでは重いのですが、外れてしまえば、あとは自分で選べます。

なお、公務員から税理士になり、税理士事務所や税理士法人、企業に勤めるならやめておいたほうがいいかと。
組織が嫌で公務員を辞めても、また違ったおかしさがある税理士業界や企業で、同じことになるでしょう。
独立を考えてこそ、そのリスクを負うメリットがあります。

2 真剣に勉強できる

公務員を辞めるという大きな決断をした以上、自分が選んだ道に突き進めないわけにはいきません。
上司にわかっていただき、家族も泣かせてまで選んだ道です。
大きなものを捨てたからこそ、税理士試験を真剣に勉強できました。

税理士試験は、大人になってからの試験。
仕事もありますし、そうそう力をそそげません。
さらには、税理士業界に入ってしまうと、低賃金・長時間労働。
試験を受けられる環境でないこともあります。
そのため、長期化してしまうのです。

私の場合、捨てたものが大きかったので、真剣に勉強しました。
プライベートも捨て(ゲームとF1はやってましたが)、朝から晩まで勉強尽くしで、税理士業界に入ってからも土日はなく、飲み会もおさえ勉強し続けることができたのです。
なんせ、ここでふんばらないと、逃げっぱなしの人生のなってしまいますので。

これは、メリットだといえます。

3 同じ道の方からの仕事の依頼をいただける

そして独立後。
プロフィールにも元公務員であることを書いていることもあり、「私も公務員でした」「おんなじです」という方から仕事の依頼をちょくちょくいただいております。
役所は違えど同じ道ですので、そういったつながりもあるのです。

4 役所組織を知ることができる

税理士として独立すると(独立前でも)、役所と接します。
役所組織のあれやこれやを知っていることが地味に役立つのです。
「あ、これを求めてるんだな」
「こうせざるを得ないんだな」
「大変そうだな」
と。

以前、税務調査のときに、「わかるわかるよ」みたいな話をしていたら、心を開きすぎてめちゃくちゃしゃべりだした若者がいて、かえって困ったことも……。

5 ネタになる

独立後、「元公務員」「公務員を捨てました」というのはネタになります。よかれあしかれ。
私の場合は統計局という数字を扱う仕事だったのでいい効果もありました。
そこでPCやネット、Excel、マクロを使えたのは今にも残る財産です。

国家公務員は、試験に受かった後、希望する省庁へ面接に行きます。
そのときに私が選んだのは、数字とPCを使うような省庁でした。
(会計検査院、国税専門官も受けました)
ふらふらしているようですが、一応、一貫して数字とPCの仕事をしています。


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公務員から税理士のデメリット

一方でデメリットもあります。

1 給料がなくなる

安定した給料がなくなります。
定年まで保証された給料が。
心理的にも大きなデメリットです。

2 年金がなくなる

公務員は年金制度も優れています。
辞めるときに、「定年までいれば、いっぱい年金もらえたのに」と係の方に言われ、「そんなんいわんでいい」と思いましたが。

3 家族を(一時的に)泣かせる

「やっと就職できた。公務員なら安心」と家族も思ったところ、「おら、税理士目指すよ」といきなり言い出したので、そりゃ泣かせます。
(上司、先輩も泣いてくれました)

父からは、「お前じゃ公務員は無理じゃろとおもっちょった」というコメントでしたが。

当時、独身でしたし、子供もいませんでしたので、泣かせたのは両親だけでしたが、それなりに重いもので、そこはきちんと説明したつもりです。
・お金は1年間もつ。1銭も借りない・もらわない
・1年は受験に専念する
・そのあと税理士業界に転職して、あとは働きながら受験。
・2年で合格することを目指す
と。

(実際は3年でしたが)

ただ、私の母方の祖父が税理士をやっていたことも逆にネックでした。
(私が8歳の時に亡くなり、税理士事務所も消滅)

税理士試験の厳しさ(なかなか受からない)、税理士業の厳しさ(忙しすぎる)のを両親は知っていたからです。
いずれにしろ、公務員から税理士になるときに、家族への説明は越えなければいけません。

結婚していればむこうの両親にも話は通しておいたほうがいいでしょうね。

4 転職活動時に変人と思われる

私のように税理士と関係ない役所だと、税理士として登録するのに、税理士事務所や経理での2年勤務が必要です。
(まあこれが、勤務の証明を出さないとか出したくないとか魑魅魍魎なんですが。私は出してもらえました。快く。たぶん)

そのため転職活動をしなければいけません。
その転職活動の履歴に、「公務員」があると、変人と思われます。
公務員でもやっていけなかったのかと。
世間では定時で上がって楽なイメージもありますから。

面白がってくれるところもありましたが、そうではないところもあるということです。

5 給料はガタ落ち、または0

税理士業界の給料は低く、公務員の時よりも落ちる可能性は高いです。
給料が高くても、残業だらけで勉強する時間や気力がなくなれば、税理士として独立できません。
給料が低くても残業なし(もちろん仕事を終わらせれば)というところに転職しました。

2001年8月の税理士試験が終わり(3科目受験)、2001年9月に転職した当時、28歳で、額面20万円、手取り17万円を切っていました。
ボーナスは1か月分(基本給の1か月なので10万円…)なので年収260万円くらいです。
試験に専念したそれまでの1年は、0(厳密にはゲーム売却収入がちょろちょろ)だったので、貯金を切り崩しました。

税理士業界での給料ダウンも計算に入れておきましょう。
退職金の計算も大事です。
私のときは、3年以上で、1.8か月。住民税一括払いで結構消えましたが。

ボーナスのタイミングも重要です。
3月、6月、12月とあり、私は結局最速の4月で辞めました。
12月まで続ければ、貯金も増え、12月のボーナスももらえたのですが、税理士試験は、9月から翌年の8月はじめまでが勉強期間。
しっかりと9月からはじめたほうが有利です。
繰り返しますが、税理士試験は9月からしっかり勉強し、正月もなくやるのが合格への近道です。

また、6月に辞めれば、その5月から勉強はじめた国税徴収法に受かる可能性がありました。
結果、ダメでしたが。
参考までに、受験履歴です。
2000年(5月~8月に勉強。6月末退職後専念)→8月に国税徴収法受験→不合格
2001年(9月~8月に勉強。専念)→8月に簿記、財表、消費を受験→簿記、消費合格
2002年(9月~8月に勉強。9月から税理士事務所。4月に辞めて専念)→8月に財表、法人受験→財表、法人合格
2003年(9月~8月に勉強。10月末から税理士事務所。)→8月に国税徴収法受験→合格

メリット、デメリットありますが、私は公務員から税理士になってよかったと思っています。
自分で選んだことだからです。
「自分で選んだことに失敗はない」は座右の銘ですので。

同じ道を選んだ方、選ぼうとしている方、「自分で選んだことに失敗はない」ので、自信をもってかつ着実に独立を目指しましょう。
オラ、もっと強くなってお待ちしております。


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■昨日の1日1新

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はじめてのクラフトビールいろいろ
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■昨日の娘日記
この1か月、保育園を休んでいません。
強くなりました。


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