赤字になったら会社はつぶれる? 会社の赤字、2つの意味。

「赤字になると、会社ってどうなるの?つぶれちゃうの?」という質問を友人から受けました。
赤字と倒産について解説してみます。
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赤字になっても会社は続く

赤字になっても会社は続けられます。
そもそも赤字とは、

支出が収入より多いこと

をいいます。
(デジタル大辞泉より)

たとえば、支出が100、収入が40だったら、支出が収入より多くなるので、赤字です。

こうなったとしても、倒産にはなるわけではありません。
手元にお金が残っていれば事業を続けられます。

「赤字」「黒字」は、通常ある一定の期間のことを指していうものだからです。
(もちろん、会社設立から今までの累積で赤字というケースもあります)
たとえば、今年の4月1日から4月30日までを区切って、支出が収入より多かったかどうかで、赤字となるかが決まります。

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4月だけが、赤字(支出>収入)だからといって、すぐにお金がなくなるわけではありません。
それまでの蓄えがあれば、会社は続くのです。


------※この記事は、投稿日現在の状況、心境、法律に基づいて書いています。---------

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スポーツにたとえるとわかりやすいでしょう。
サッカーで、8月からリーグ戦がスタートして、3月末までで、25勝4敗だったとします。
4月は不調で、4ゲームを1勝3敗で終わりました。
4月だけでみると、負け越し、つまり赤字なのですが、トータルで考えると、26勝7敗で勝ち越し、つまり黒字です。

年で考えても同じことが言えます。
2013年までの通算で黒字であれば、2014年がある程度の赤字であってももちこたえられます。

赤字イコール倒産ではないのです。
(赤字の額にもよりますが)

2つの赤字

経理の赤字

「赤字」というと、もう1つの意味で使われることもあります。

たとえば、収入ではなく売上が100 支出ではなく経費が120かかっていたら、20の赤字です。
この場合の赤字(ここでは「経理の赤字」と呼びます)は、お金には関係ありません。
経理や決算では、売上も経費も、お金が入ってくる、出て行くのにかかわらず、確定したものを計算に入れます

多くの場合、お金の赤字と、経理の赤字は一致しません。
たとえば、商品200円の売上があり、受け取りは来月末といった場合、経理上は売上200ですが、収入は0です。
経費40があり、支払いは今月末といった場合、経理上経費は40、支出は40となります。

まとめると、今月は、お金は赤字、経理は黒字です。
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お金の赤字、経理の赤字の違い

お金が赤字の場合は、手元のお金が確実に減ります。倒産へ近づいているといってもいいでしょう。
経理が赤字の場合は、お金が減るとは限りません。

こう考えると、お金が赤字かどうかを気をつけていればいいように思えますが、そうではありません。
経理の数字は、金融機関への提出や税金の計算に使います。
税金は経理の数字で計算しなければいけません。
経理の数字(=決算の数字)が赤字だと、法人税は0円です(ただし、都道府県には最低でも年7万円払う必要があり、消費税も払う可能性があります)

税務署や金融期間、取引先のためには、経理が黒字か赤字かが重要であり、自分が生き残るためには、お金が黒字か赤字かが重要となります。
両方大事なのですが、前者を重視しすぎている傾向も多いです。

ケース別にみると、次の4パターンがあります。
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①お金も経理も黒字
健全な状態です。

②お金が赤字・経理が黒字
いわゆる黒字倒産(黒字なのに倒産する)です。
先日ニュースになった六本木の方も、このケースに近いでしょう。
黒字になると、税金が発生します。お金が赤字だとその税金を払えなくなってしまうのです。

また、このケースは、「経理の数字があっているか?」という観点が欠かせません。
経理が間違っている可能性も高いのです。

ときには、あえて間違っている=粉飾(黒字のように見せかける)こともあるかもしれません。
金融機関にお金を借りていると、経理の赤字は許されない(厳密には2期連続赤字だとNG)ので、無理に黒字にするケースも見受けられます。

③お金が黒字 経理が赤字
特殊なケースでは、こういうこともありえます。
たとえば、次のようなケースです。
・前期以前に買った資産の減価償却がある場合(資産は前期以前に買ってお金を払っているので、経費だけ、つまり経理上だけ赤字になる可能性)
・お金を借りた場合(お金を借りるのは経理の黒字・赤字には関係ありません)

④お金が赤字 経理が赤字
一番大変な状態です。

お金の赤字を埋める最終手段

会社のお金がつきても、会社が継続できる場合があります。

それは、社長個人がお金を持っている場合です。
社長に手持ちのお金があれば、それを会社に貸すことで(あくまで一時的に)、会社は倒産しなくてもすみます。

会社経営の場合(とくにひとり社長)、社長個人のお金も含めて考えなければいけません。
(理想は、きっちり切り分けることですが)

その社長個人のお金はどうするか?というと、給料で会社から支払います。
(会社のお金は減りますが、税金・保険料を引いた後の残りは個人に残ります。)

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いざというときの秘密兵器として、社長の給料は残しておかなければいけないのです。
極端な話、社長の給料が多すぎて、会社が経理の赤字・お金の赤字になったとしても、社長個人が黒字になっていれば問題ありません。
(会社の借入がない場合を除く)

会社の経理、お金ともにそこそこ黒字で、個人もそこそこ黒字というのがいいバランスで、それ以上増やすのならば、税金を払いつつ、お金をためていくしかないのです。

会社、個人の経理、お金をそれぞれコントロールするのが理想ですが、少なくとも、会社と個人のお金がいくらあるか、前月と比べて増えているのか減っているかは確認しておきましょう。





【編集後記】

地元宮崎の新聞、宮崎日日新聞の「やっちょDO!」に掲載していただきました。
宮崎にゆかりがあり、東京で活動している人のコーナーです。
結構大きく取り上げていただき、感謝しています(^_^)
ちょっとは親孝行できたかもしれません。
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※詳細は→「1日1新」

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