起業に関して税理士がよく受ける質問10

最近、起業の相談を受けることが多いです。
起業に関してよく相談されることを10個、まとめてみました。
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1 個人で起業すべき?会社で起業すべき?

起業には、主に個人事業主と会社(法人)の2種類があります。

個人事業主のメリットはコストがかからないこと。
今すぐにでも起業できます。
なお、個人でも屋号をつけることは可能です。
屋号とは、「井ノ上商店」や「井ノ上コンサルティング」などをいいます。
私自身も「井ノ上陽一税理士事務所」と税理士登録名と同じ名称にしています。
(税理士法では、氏名+税理士事務所で登録します)

「法人でないと取引ができない」という条件があるなど法人である必要性がある場合以外は、個人で起業すべきでしょう。

もちろん、起業初年度から大きな利益が出る場合は、法人で起業すること、個人から法人にする(法人成り)ことも考慮すべきです。
個人事業主は自分自身に給料を出す(=経費にできる)ことができませんが、法人は自分自身に給料を出すことができます。
この違いは税金上大きいです。

個人事業主と法人の違い | EX-IT

・会社から自分給料を支払う? | EX-IT

個人事業主の場合の給料 | EX-IT

2 個人と法人の税金の違いは?

それぞれ税金の計算方法、必要な書類が異なりますが、利益がマイナスの場合の税金、いわば維持コストが違います。

個人事業主の場合、1年間の利益がマイナスであれば、税金はかかりません。
法人の場合、1年間の利益がマイナスでも、年間で最低7万円の税金がかかります。
(金額は地域により異なります。私が確認したところ、高いのは熊本市(合計81,000円)です。)


------※この記事は、投稿日現在の状況、心境、法律に基づいて書いています。---------

井ノ上陽一のプロフィール
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個人事業主が法人化する場合の10のメリット | EX-IT

個人事業主が法人化する場合の6つのデメリット | EX-IT

3 役所に届出は必要?コストは?

個人事業主の場合、税務署、都道府県、市区町村に届出書を提出します。
コストはかかりません。

法人の場合、まず登記が必要です。
法務局にて、法人の所在地、代表者、事業の目的などを法的に登録します。
株式会社の場合、コストは25万円ほどです。司法書士に依頼すると報酬込みで30万円ほどかかります。
合同会社(LLC)の場合、コストは10万円ほどです。司法書士に依頼しても報酬込みで10万円ほどです。
もちろん法人も税務署、都道府県、市区町村へ届出書の提出が必要です。

・起業時に必要な届出書・申請書 | EX-IT

起業にかかるコストー会社を設立する場合・しない場合ー | EX-IT

起業のコストー手続きにかかるコストー | EX-IT

4 開業の日はいつにすればいい?

法人の場合は、登記の日が開業の日、会社設立の日です。
個人事業主の場合、明確な日付はありません。
ただし、7にも挙げる起業前の経費の関係上、早めに決めて届出書を出しておくべきでしょう。
1月1日〜12月31日までの期間で税金を計算しますので、1月1日に届出をしても、12月31日に届出をしても変わりません。
起業すると決めたら、その日を開業の日として届出書を提出しましょう。

5 今までもらった給料の税金はどうすればいい?

年の中途で起業した場合、それまでの期間、給料をもらっていることが多いでしょう。
その給料からも所得税は差し引かれています。
会社員であろうと、起業していようと、個人の税金の計算は、1月1日〜12月31日の期間で行います。

会社員時代の源泉徴収票を忘れずにもらってください。
個人事業主の場合、給料、個人事業主の収入・経費を確定申告時にあわせて計算します。
法人の場合、原則として、法人で年末調整をします。

・会社をやめるときに考えるべき所得税・住民税・社会保険 | EX-IT

6 健康保険、年金はどうなる?

健康保険、年金は、2つの選択肢があります。
1つは、会社で入っていた保険を継続する方法、もう1つは、国民健康保険、国民年金に切り替える方法です。
どちらが得かはケースバイケースですので、会社、役所にそれぞれいくらになるかを聞いてみましょう。
役所でも、収入を伝えれば教えてくれます。

7 起業前に使った経費を入れても大丈夫?

起業の日が3月21日の場合で、それ以前に使った経費があるときは、その経費の当然入れることができます。
ただし、「起業のための準備に使った」という名目が必要です。
「3年前から起業のために準備していた」という名目ではちょっと厳しいでしょう。
起業前の経費は、あまり無理をして落とさない方がいいでしょうね。
個別判断になります。

8 経費はどのくらいまで落としてもいい?

「経費に入れる限度額はいくらですか?」とよく聞かれます。
限度額はありません。売上高が100万円で、経費が1000万円でもかまいません。

ただし、「その経費が事業のために使ったものとして適正であるか」が問題となります。
確定申告時には、経費の詳細まではチェックされません。
提出後に申告書や決算書で判断され、怪しいと思われたら、実際に税務署が見に来ます。
これが税務調査です。
この税務調査で経費が否定されれば、罰金とともに追加で税金を支払うことになります。
限度額はありませんが、無茶な経費は入れない方がいいでしょう。

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9 最初の1年に売上がなくても大丈夫?

起業当初に売上が0でも、事業の結果であればいたしかたありません。
経費のみを申告することになります。

ただし、個人事業主の場合は、「本当に事業なのか」が問題になることもあります。
会社員の副業などの場合、マイナスがあっても、給料と通算して計算できない場合もあるのです。

10 その他税金で気をつけることは?

起業時に気をつけなければいけないのは、住民税です。
住民税は、1月1日〜12月31日の収入に対して計算され、翌年の6月以降に支払います。
毎月の給料から天引きされているうちは意識していませんが、起業したとたんに大きな金額の請求が来て驚くことになります。
気持ちの上でも資金繰り上も把握しておきましょう。

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【編集後記】
昨日、千葉の下総フレンドリーパークで行われたデュアスロン(ラン4.5km→バイク30km→ラン4.5km)に参加しました。
デュアスロンは予想以上にきつかったです。
バイクで脚がつったり、脇腹痛くなったり、2回目のランのペースががた落ちだったり、さんざんでしたが、いい練習になりました(^_^)
1時間57分で100人中66位でした。

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