独立前からのスキル・独立後に身につけたスキル。独立前に何ができるか。

独立前には、どんなことができるか、やっておくべきか。
自分の独立前後のスキルを整理しつつ、考えてみました。

EX IT 2
※Keynoteで作成 iPhone X

勤めてから10年、独立してから10年

私が勤めたのが1997年4月、独立したのが2007年8月、今が2018年3月。
その間、だいたい10年です。
※1972年生まれで1997年に就職なので、計算が合わないかと思いますが、就職浪人(簿記検定や公務員試験を受けていた)が2年あるためです。

1997年→2000年 公務員(総務省統計局)
2000年→2001年 税理士受験専念
2001年→2003年 税理士事務所2箇所
2004年→2005年 IT企業の経理
2005年→2007年 税理士事務所
といったキャリアで、独立前後に問わず、「スキル」を意識していました。
・自分に何ができるか
・何を提供できるか
・そしてそれが他の違いになるか
というのを考えていたわけです。

独立後は、そのスキルを提供することになります。
直接的にしろ間接的にしろ、スキルを身に着けて、磨いていかなければいけません。
独立前後のスキルを整理し、独立前、独立後にどんなスキルが必要かとまとめてみました。

独立前後のスキル体系

まとめてみたのがこの図です。
写真は、公務員のころ、1999年のものを掘り出してきました。
研修中で、適当な格好しています。

EX IT 2

独立前後ずっと磨いているスキル

独立前後にかかわらず磨いているスキルは、ExcelやIT系、効率化、メンタル、コミュニケーションです。

就職と同時に身につけた(身につけざるを得なかった)のは、Excel、マクロ、プログラミング、PC、IT関係。
パソコンを持っていなかったので、仕事でパソコンを使わせてくれそうなところばかり選んでいました。
こういう基準が正しいかわかりません。
配属されると目の前にPCがあり、それに対してはワクワクしたことを覚えています。
ただ、Excelといっても使ったことがなく、誰が教えてくれるわけもなく、日々の仕事が始まり、必死で覚えました。
本を書く余裕も気持ちもなかったので、Excelのヘルプを見て勉強する日々。
ネットも就職後半年ほどは、部屋で1台しかつながっていなく、今みたいに検索することもできません。
昼休みにそのパソコンで調べて、それをフロッピー(古い)に入れて、自分のPCに取り込むなんて技を覚えたのもこの頃です。

マクロやプログラミングは、仕事で使う場面もあり、「こりゃ仕事が速くなる!」と実感し率先して覚えていきました。
この仕事を速く終わらせるというのも至上命題だったのです。
当時25歳で遊びたいざかり(といっても帰ってスーパーファミコンやプレステをやりたいだけでしたが)。
しかも残業していると飲み会に巻き込まれます。
17時半(就業時刻)から部屋で飲む慣習があり、いると巻き込まれるか、ひとまず飲んでから残業するという雰囲気があったのです。
それが嫌で効率化の腕は磨きました。


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こういったIT系、効率化のスキルは今も役に立っていますし、仕事にしています。

メンタルは、独立前後で意味合いが変わってきますが、重要なスキルです。
折れちゃダメだけど、踏ん張りも大事というバランスはとってきています。
自分のコントロール、欲のコントロール、やる気の維持というのもこの分野のスキルです。

コミュニケーションスキルというほど、得意ではありませんが、人との関わりが欠かせないのは、独立前後で変わりません。
独立前のスキルが今も役に立っています。

そして、家計簿、お金を管理するスキルは、税理士業界に入る前からやっていました。
これがあったから、退職、受験専念という道を選べたともいえます。
『税理士になるくらいだからもともとスキルがあったのでは?」と思われるかもしれませんが、そんなことはなく、生涯、簿記検定3級は不合格、簿記検定1級も不合格、税理士受験のときも簿記が一番苦手でした。
家計簿ができたのはExcelスキルがあったからでもあります。
今も、簿記が得意なわけではなく、IT(会計ソフト)Excelを使えるだけで、電卓も苦手、暗算も苦手、わりかんはExcelがないとできません。

独立前のみのスキル

独立前のみのスキルもあります。
・上司、部下との関係性のつかず離れずの保ち方
・通勤電車内の過ごし方
・邪魔をされずに仕事をする方法
・定時に帰りつつそれなりの評価を得る方法
・めんどくさい人の対処方法
・しれっと内職するテクニック
・社内での仕事のとり方
・社内でのポジショニング
・上司のコントロール
・めんどくさい仕事が来ないようにする方法
・職場の辞め方
・転職のときに気をつけるべきこと
・面接でアピールすべきこと
・ブラックかどうか見抜く方法
・話の合わせ方
・ランチの時間の過ごし方
・仕事のことを忘れるには
・弱さも見せる方法
・ストレス最高潮になったときに逃げ方
など、1冊本が書けるくらいの工夫はしていました。
今となっては、使わないスキルです。

独立ちょっと前からのスキル

独立前に、税理士業界へ大きなキャリアチェンジをしています。
その過程で、税理士試験の勉強をやり、勉強法のスキルが身につきました。
身につけないと合格できなかったでしょう。
がむしゃらにやっていても受からない試験です。

それまで、受験や公務員試験も経験していましたが、また違った、厳しい戦いでした。
ただ、このときの勉強法やメンタルは、今も役に立っています。

そして、税理士業界に来てからは、税金、経理というスキルを身につけました。
資格もありつつ、これをベースに独立したわけです。

独立後のスキル

完全に独立後に身につけたスキルも多いです。

読書は、独立後でした。
独立(34歳)まではろくに本を読まず、「お金払って本を買うなんて」と思っていたくらいです。
ファミ通とワールドサッカーダイジェストしか買ってませんでした。
読書で学ぶ方法をやり始めたのも、本を読み始めたのも独立後です。

セミナーに行ったこともなく、独立前に自腹で行ったのは独立1ヶ月前のセミナーのみでした。
「お金払ってセミナー行くなんて」なんて思っていたくらいです。

ブログも独立後です。
正確には独立が決定した7月9日(独立は8月1日)にはじめました。

セミナー、人前で話す、しかもお金をいただいてというのも独立後がはじめてです。
人前で話す自体も、独立前に1回セミナーで話したくらいでした。
異業種交流会のたぐいも行ったことがありません。

そして、営業。
モノ・サービスを売ったことがありません。
(一度だけ税理士の仕事がありましたが、その一度限り)
完全給与制です。
副業なんて考えたこともなく、独立してはじめて値段をつけて売り始めました。
商談、契約なんて道の世界です。

出版、書くことを仕事にするのも独立後ちょっとしてからはじめて経験しました。

トライアスロンも独立後2010年に始めたことで、それにともなってマラソンもやりだしたという具合です。
中学のときの陸上部をやっていて、25歳くらいでジムに行ったくらいで、運動は皆無。
体力とともにメンタルを磨くトレーニングスキルです。

IT系も独立後にはじめてやったことはやまほどあります。
Gmailは独立前でしたが、
・ネット(HTML、PHP、WordPress、MovableType、HP作成など)
・パワポ
・Mac
・スマホ
・Twitter、Facebook、Instagramなど
などは、独立後です。

税理士分野でも、独立前にやったことがないことは山ほどあります。
法律が変わり新しくなることも多いので、スキルを磨くことは欠かせません。

独立前にできること

こうやってスキルを見てみると、独立前にやっていたことで今も活きていることもあれば、独立後にしか身につかないもの、独立後だからこそ身についたスキルも多いです。

営業を仕事にする方以外は、独立後にしか営業のスキルを身につけられませんし、独立した立場だからこそ提供できるものもあります。
私の仕事、税理士でいえば、自分が独立してお金の工面をしお金が減っていく恐怖、税金を支払うもやもやを経験してこそ真価を発揮するものです。
勤めているときは、数字上、机上の空論をかざしていたに過ぎません。
(もちろん独立前もきちんとしたアドバイスができる方もいるとは思いますが)

独立前にできることは限られているので、そこで修行を積み続けることにどれだけ意味があるのでしょうか。
だからこそ、独立を決めたなら最速で!というのをおすすめしています。
(お金面、タイミングといった問題はクリアする必要がありますが)
独立後もやることはやまほどあるのですから。
会社という足かせ、蓋がなくなれば、その持てるスキルを世の中に解き放てるようになるという方も多いはずです。

そんな中、独立前にやっておくといいのではと思うこととして、次の3つがあります。

独立後の世界を見ておく

独立後の世界を見ておく、研究しておくことは大事です。
これは私は十分できてませんでした。
そのため、無防備で飛び込み、騙され、無駄なお金と時間を使い迷走しました。
舵をむりやりきって、なんとか今に至りますが、後悔しています。

私が、独立後にしかやらなかったインプット(読書、セミナーなど)、アウトプットを独立前から始めるのもおすすめです。
独立後の世界を見て、「やっぱやめとこう」と独立に対していい諦めができれば、それはそれでいい人生だと思うのです。

今は、読書、セミナーに参加する、コンサルティングを受けるというスキル(正確にはインプットをアウトプットに活かすスキル)を身につけていますので、徹底的に活用しています。

独立後に使わないスキルは磨かない

スキルという意味で、私が心がけていたのは、独立後に使うかどうかでした。
その会社特有のスキルは、独立や転職したら使えなくなります。
だからこそ、仕事を一歩二歩深くやり、根っこのスキルを身につけるようにもしていました。

その根っこのスキルの1つが効率化やITです。
毎月やるスキルをどれだけ速く楽にできるかを突き詰めてやったり、新しい方法を試したりということをこっそりやっていました。
仕事を速くこなせれば、そういった研究もできるわけです。
これはこっそりやらなければいけません。
「根っこのスキルを身につけたい」
「新しいスキルを試したい」
「この仕事の意味を考えたい」
「マニュアルを作りたい」
「調べながらやりたい」
なんて言ったら、「そんなことはいいからこの仕事をやれ」と言われますから。

会社で与えられる仕事は、会社のため(ときには社長のため)のものです。
自分を成長させてくれるもの、スキルを磨くためのものではありません。
だからこそ、独立前も仕事を選ぶことは大事ですし、しょうもない仕事がこないためのポジショニング、裏工作は必要です。
ExcelやIT、効率化ができない部署に異動になって辞めちゃった私もどうかと思いますが。。。
(2000年4月に異動になり、この仕事を2,3年続けても意味はないと思ったのも公務員をやめた理由の1つです)

税理士事務所、経理に転職するときも、「何をやらせてくれるか」を重視しました。
税理士業務で言うと、レシートの入力をひたすら1年やって、2年目は・・ということころは申し込まないか行きません。
そのスキルは必要ないからです。
お客様と接することができず、レシートだけ見て入力しても面白くないですし、スキルは身につきませんので。
「担当を持ってもらうよ」というところにしか行きませんでした。
経理に転職するときも、大企業の経営企画室と中小企業の経理担当者の選択肢があり、迷わず後者を選んでいます。
独立後は、中小企業、個人を対象にするつもりだったからです。

税務申告書をつくるソフトや会計ソフトも勤務先によって違います。
それに慣れすぎてしまっても意味がありませんし、独立後に使わなくなりますので、汎用性の高いExcelやプログラミングスキルを磨いていました。
電卓やテンキーよりも、タイピングスキルやショートカットキー、電話よりもメール、サーバーよりDropboxといったことを選んできたのもその考え方からです。
手書きの仕事なんてのも独立後はやるつもりなかったので、スルーでした。

独立前は、与えられた仕事をこなさないわけにはいきませんが、どんなスキルが身につくかは意識しておきましょう。
独立後は現場をやりたいと思っていたので、管理職・会議も興味ありませんでした。
マネジメントスキルは、独立後に人を雇うなら必要でしょうが、そうでないならいらなくなります。
管理職どっぶりで、現場をやらなくならないうちに独立するのもアリです。

独立後、今も、仕事をする基準の1つは、スキルを磨けるか、身につけられるかにしています。
そうすると仕事をすればするほどスキルは磨かれるわけです。

牙は磨いておく

独立前、常々思っていたのは「牙を抜かれないようにしよう」でした。
牙というのは、
・もっとなんとかしたい
・変えたい(世の中を、自分を)
・まだだ、まだ終わらんよ
・もっとつぇえやつと戦いたい
・絶対勝つ!
・まだまだ成長したい!
といったものです。

毎月給料が入ってきて、ストレスはありますが、それとなく人生は続いていきます。
ただ、そこで、牙を抜かれてしまったら、独立(転職や退職)のタイミングを逃してしまうかもしれません。

公務員のときも、仲のいい人には、「丸くならないうちに辞めるわ」「もし丸くなったら背中から撃ってくれ」なんて話していました。
独立したいなと思う前も、ずっとここにはいられないな、いたくないなと思っていたので、牙は持ち続け磨いておきたかったのです。
なんとか牙を保ちつつ、方向を変えることができました。

税理士事務所に勤めていたときも同じです。
資格をとり、試験勉強しなくてよくなって、ある程度自由もあり、仕事も面白くなり、なんかこのままでもいいかなと思っていた時期もありました。
そのため、資格をとったのが2003年12月、独立したのが2007年8月とブランクがあるのです。
これは今でも悔いていることで、もっと早く独立していれば・・と思っています。

独立がすべてではなく、死ぬほどつらいので万人にはおすすめしませんが、もし「独立したい」と思うならその牙は大事にしておきましょう。
そして、独立後も牙は大事で、磨き続けなければいけません。
その牙が抜けないためにやっていることがスキルを身につける・磨くことやこのブログです。
牙が抜けてるなと思ったら、迷わず撃ってください(笑)


【編集後記】

昨日はセミナーへ参加。
連続講座の4回目でした。
次回最終回は、一品持ち寄りで打ち上げも兼ねながら。
何をつくって持っていこうか楽しみです。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

Anaconda
Jupiterbook

【昨日の娘日記】

昨日は、私とお風呂に入ってご飯食べて、食後のヨーグルト(ベビーダノン)。
が、やはりそのまま頭をさわってしまい(おいしいのポーズ)、ヨーグルトまみれに。
妻と2回目のお風呂に入ることになりました・・。


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■井ノ上陽一のプロフィール
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井ノ上陽一のVALU
■著書
【監修】十人十色の「ひとり税理士」という生き方
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