仕事の依頼が少しずつ絶え間なく続くようにするには

独立後は、仕事を依頼していただいてこそ、仕事ができます。
少しずつでも絶え間なく湧き出る泉のようにするための工夫について書いてみました。

R0000465※ヴィーナスフォートにて RICHO GRⅢ

「仕事の依頼をいただく」という仕事

 

いざ独立したとき、あれ?と思ったことは、仕事がないこと。
独立すれば、あんなやつ(雇い主)に負けないと意気込んでいましたが、負けないも何もやる仕事がありません。
仕事の依頼をいただくことからはじめなければいけませんでした。

 

そのとき欲したのは、「安定したい」というもの。
長期継続を考え、そういった仕事だけを考えていました。
そして、仕事がなんとなく増えてきたとき、考えたのは、これって安定かな?ということ。

たとえば、10の仕事があり、それらを継続していき、時間はいっぱいいっぱいです。
その継続は絶対に保証されているわけではありません。
契約解除もありますし、更新がない場合もあるでしょうし、お客様の変化(性格や方針も含めて)もありますし、やむを得ない事情でそのお客様が事業をやめる可能性もありますし、経済状況の変化もあるでしょうし、そしてこちらが継続したくなくなる可能性もあります。

その可能性も考えつつ、継続するための工夫も必要で、過剰にサービスしてしまい、気が気ではありません。

・電話がなったらいつでもとる
・とれなかったり気づかなかったりしたら、嫌われないか仕事がなくならないかと戦々恐々としてかけなおす
・毎回、もっと何かやらなきゃ、もっと気の利いたことを言わなきゃと焦る
と、空回りしていたのです。

その理由は、その当時の仕事がなくなったとき、別の仕事の依頼をいただく自信がなかったからでした。

 

「安定」という言葉を使わない理由

 

安定していたようで、そうではなく、むしろメンタルは不安定だったこともあり、「安定」という言葉を使わないようにしました。
独立12年ちょっとたった今もそう思っています。

そもそも独立しなければ安定なのか。
その1社が倒産したら、仕事を失います。
独立後は、複数の仕事でリスクを分散できるという考え方もあるでしょう。

公務員が安定か。
私は公務員(総務省統計局)でしたが、公務員を志したのは、「安定」が理由ではありませんでした。
就職浪人して、何か職につかなきゃと思ったときに、試験に合格すれば就職できる(実際には面接もありますが)公務員を選んだのです。
さらには、数字とパソコンを使わせてくれるところを希望していたので、安定は考えず、「3年たったら考える」と思って入り、3年3か月後に辞めました。

 

「安定」ってなんなのか、おいしいのか、私にはわかりません。
性格にもよるのでしょうが。
水が1か所にとどまればよどんでくるように、安定していることは、「固定」にもなり、いい面ばかりではありません。
私の場合、独立当初、長期継続契約(顧問契約)を前提とした税理士業のみだったので、なおさらそう思います。

ふと考えたのは、長期継続契約ではないビジネスモデルの場合、どうやって食べているんだろう?ということでした。
いろいろと調べたり勉強したりすると、1つ1つの仕事は小さくても絶え間なく仕事の依頼をいただくしくみがあったのです。
ただ、そのしくみが紹介だと、紹介していただく仕事の精度が落ちます。
必ずしも、自分に合う仕事ばかりではありません。
それでいて、紹介を断ると、その流れが途絶えてしまうので断りにくいわけです。

「少しずつ絶え間なく、自力で仕事の依頼をいただく」

というのを目指しました。

そして、今もやっています。

 

2010年から改革し、顧問契約と単発の仕事のバランスを整え、この本を出したのが2014年12月でした。

「安定」を考えすぎずに、少しずつでも絶え間なく湧き出るように仕事の依頼をいただくことをおすすめしています。
それが最大のリスクヘッジにもなるわけです。
今、仕事の入り口を複数準備し、必ずしもすべての入り口から仕事が常にあるわけではありませんが、すべてがダメになることはありません。
ひとりでやっていて3か月の入院をしていたときも売上はゼロではありませんでした。

 

少しずつ絶え間ない仕事の依頼をいただく工夫

 

仕事の依頼が、少しずつ絶え間なく続くためには、仕事を複数準備し、入り口を整えることが欠かせません。

そのときに考えているのが、何を、誰に、どうやって提供するかです。

これらのかけ合わせで、無数の入り口をつくることができます。

たとえば、

IT×ひとりで仕事をしている人×セミナー
で1つできますし、

IT×ひとりで仕事をしている人×個別コンサルティング
IT×ひとりで仕事をしている人×本
IT×ひとりで仕事をしている人×ブログ
IT×ひとりで仕事をしている人×動画音声教材
と「どうやって」で増やすことができ、「誰に」を

 

IT×独立を考えている人×個別コンサルティング
IT×税理士×個別コンサルティング

とすることもできますし、「何を」を変えることもできます。

ITと一口で言っても、
・経理効率化で使うIT
・税理士業務効率化のためのIT
・営業のためのIT
・音声認識入力
・プログラミング
・パソコンの選び方
・ファイルの整理

など無数です。

「どうやって」は、メニューであり、1対1で会えるのか、聞いて学べるのか(セミナー)、読んで学べるのか(ブログ、本など)を土台として準備します。Screenshot_1
これだけなら、安定したサイト、ホームページに書ききれるでしょう。
ただ、固定されてしまいます。
「何を」「誰に」をより具体的に明かしておいたほうが、仕事の入り口になるものです。
自分がお役に立てることをすべて言語化して明かしておかないと、何ができるのかがわかりません。
どんなお役に立てるのかは、そのときどきにより変わってくるものですし、新しいことも増えてきますし、やらなくなることもあるわけです。

 

仕事の依頼は、過去の実績だけでくるものではなく、「今」何ができるか何を知っているかが大事だと考えています。
もちろん、過去の実績がすばらしいものであれば、それだけで仕事の依頼は絶え間なく続くのでしょうが、私はそうではありませんし、もしそうでないのなら、「今」を示しておく必要があると思うのです。
そして、日々成長しているはずですので、その成長も見せることで、仕事の依頼をいただける確率も上がります。
(ただ、成長している!奮闘しているというのをお客様が見たいわけではないので注意は必要です。何を提供できるかお役に立てるかに焦点をあてる必要はあります)

絶え間なく仕事の依頼をいただきたいなら、自分の絶え間なく成長してなければいけませんし、絶え間なく見せておいたほうがよく、何を、誰に提供できるのかを様々な角度から書いておいたほうがいいかなと。

 

だからこそ、日々書くことをおすすめしています。
書くことは、「何を」「誰に」をひたすら考え続け、今を出していくことです。
「何を」「誰に」は明確に判断できず、何がお役に立てるか誰にお役に立てるかはわかりません。
だからこそ、自分の今を出しておくしかないのです。
私は、今でもそうしています。

「何を」「誰に」が明確に定義できて、わかっているなら、そうする必要もないでしょうし、過去の実績で絶え間なく仕事の依頼をいただけるなら、そうする必要もないでしょうが。

売上が安定していても、なんとなく不安な状態か、売上が安定しなくても、なんとなく安心できる状態か。

売上が安定していて自信もあるのがベストなんでしょうけど、そうそうあれもこれもはできないでしょうし。

 



■編集後記

昨日は、個別コンサルティング。
法人の決算、税務申告でした。
お誘いいただき、丸の内のコワーキングスペースへ。
時間制なので、使いどころあるかもです。
場所柄、スーツの方が多かったかなぁと。

 

「1日1新」
Point 0

AKOMEYA おにぎり

Apple丸の内

 

■娘(2歳)日記

8月に観に行ったしまじろう英語コンサートで、カラスが、しまじろうのタンバリンをとっていってしまうシーンがあります。
その印象が残っていて、カラスには注意しています。
「カラス、タンバリンもってったねー」と。
「バッグとられないように気をつけてね」と一緒に楽しんでいます。