AIとどう付き合っていくのかを考えるうえで、「させる」というキーワードがあります。
※自宅にて Pixel 3
「AIに帳簿チェックさせませんか」
AIという言葉を見かけると、どんなサービスかと見に行っています。
なるほどーというものもあれば、「これがAI??」と思うようなものも。
そもそもAIという言葉の定義はあきらかではないので、しょうがないといえばしょうがないです。
最近見かけたのは、「AIに帳簿チェックさせませんか」という言葉。
帳簿チェックとは、帳簿をチェックすることではあるののですが、「帳簿」自体が今はもう古い言葉ではあります。
帳簿とは、デジタル大辞泉によると、「 金銭・物品の出納など、事務上の必要事項を記入するための帳面」、ようは紙です。
いまや経理を紙でやることが珍しくなった時代。
帳簿という言葉はそのまま使われ、今ではPC内の会計ソフト、会計データを指します。
その帳簿チェックをAIに【させる】ということです。
嫌いなことが多いことと、日々文章を書いていることからか、違和感がある言葉が多く、この【させる】にも違和感があります。
「させる」は正しいのか
そもそも、「AIに帳簿チェックさせる」のAIを人や従業員に変えても違和感があります。
「人に帳簿チェックさせる」
「従業員に帳簿チェックさせる」
そして、
「税理士に帳簿チェックさせる」
も。
人が、人に何かを【させる】という表現が好きではないのです。
正しいかどうかでいえば、儲けるのであれば、【させる】のほうが正しいでしょう。
人を雇って、お金を払っているんだから、仕事をさせて当然。
むしろ、させなきゃ損、給料以上働いてもらわなきゃというのが普通です。
もちろん、適正な給料を払っていて適正な時間でならそれはそうかもしれませんが、【させる】という言葉には、その適正さは感じられません。
【させる】が長時間労働を生み出し、ブラック企業を生み出しているのではないでしょうか。
働き方改革なんて、逆の方向性です。
人に仕事をさせて、その人が足りなくなってきたから、AIに……というのは、どうなのか。
疲れを知らず、文句もいわず、24時間365日働くAIなら、仕事をいくらでもさせることができます。
法律上の規制もありません。
人は疲れがあり、文句を言う可能性もあり、法律上の規制もあり(破っていますが)、ときには辞めたり、病気になったりもします。
そんなはかない人ですら、【させる】という感覚で働かせている経営者なら、AIに仕事をさせるなんてわけもないでしょう。
AIにどこまで任せられるか、AIを管理する人が必要なのか、犠牲が今よりも減るだけなのかはわかりませんが。
仮にAIに仕事をさせることができたとして、人がその【させる】から解放されればいいのでしょうが、【させる】という感覚がある以上、それこそ「人にしかできない仕事」をさせられるでしょう。
正しいか、より、合うかどうか
世の中、正しいかどうかというものははっきりしないものです。
「正しい」は、過去のことだったり、多数派がやっていることだったりもします。
独立後、何かしらの基準を求めるのであれば、「正しい」よりも、「合う」かなと。
自分に合うかどうかで決めていれば、それなりに道は開けます。
(雇われている)会社が正しいのかどうかわかりませんが、合うか合わないかはわかるでしょう。
上司が正しいかどうかわかりませんが、合うか合わないかはわかります。
世の中でいいと言われているもの・成功と思われているものが正しいかどうかわかりませんが、合うか合わないかはわかるのではないでしょうか。
私にとって合う・合わないでいえば、【させる】は合いません。
それができないから、独立後11年たった今も、人を雇っていないわけです。
かんたんな仕事、めんどくさい仕事、自分が嫌な仕事、【させる】のが正しいのかもしれませんが。
仕事を依頼するときも【させる】と思っていませんし、その言葉を使うこともありません。
AIに対しても【させる】と思っていませんし、現状のIT、RPA、Excelにも仕事をさせているつもりは皆無です。
「ボールはともだちだ」の感覚で、一緒にやっているという感覚でいます。
プログラミングも、【させる】という感覚はなく、指示でもなく、【伝える】という感覚です。
そして、自分が仕事の依頼を受けるときも【させる】という感じであればしないようにしていますし、それよりもそういった仕事がこないようにしています。
そもそも、仕事をさせる、ときには仕事をさせてあげているという環境から逃れるために独立しました。
「AIに仕事をさせる」という感覚で接しないほうが、AIとよりよく付き合えるかと思います。
といっても、このブログをお読みの方はそういった感覚の方はいらっしゃないかと。
それが合う・合わないです。
私が【させる】を合わないと感じたように、それが正しいようなものであっても大多数であっても、合う・合わないを大事にしていきましょう。
昨日は、新宿で買い物しつつ甥っ子宅へ。
Switchのスマブラを甥っ子たちとやりましたが、歯が立たず。
まあ、それほどやりこんでないのでという言い訳はありますが、もうちょい鍛えようかと。
バーチャファイターだったら負けない自信ありますが。
■昨日の「1日1新」
ユーハイム 年賀ショートケーキ
甥っ子たちと4人でスマブラ
■昨日の娘日記
新宿から甥っ子宅に行く途中で寝てしまい、しばらくして起きました。
起きると元気に遊び、いちごをたらふく食べてご機嫌。
上の妹の旦那さんになつき、2人で静かに遊んでいました。
パパと系統が似ているからかもですが(奄美大島生まれの濃い顔)
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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「繁忙期」でもやりたいことを諦めない! 税理士のための業務効率化マニュアル
ひとり税理士の自宅仕事術
リモート経理完全マニュアル――小さな会社にお金を残す87のノウハウ
ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
税理士のためのRPA入門~一歩踏み出せば変えられる!業務効率化の方法~
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AI時代のひとり税理士
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【監修】十人十色の「ひとり税理士」という生き方