自主開催セミナーの売上は前受金で | 前受金のシンプルな経理。

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自主開催セミナーは、セミナー参加費の受取、チェック、そして経理(記録、分析)も必要です。
セミナー売上を前受金にすることのすすめ、経理の考え方、具体的な処理方法について書きました。

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※『ひとり税理士のIT仕事術』セミナーにて 

自主開催セミナーは、前受金で

セミナーを自主開催すると、セミナー参加費を受け取ることも自分でやらなければいけません。
受け取る方法は、3つ。

1 前もって受け取る
2 当日受け取る
3 後日受け取る

それぞれ次のような特徴があります。

1 前もって受け取る

・入金時期を前倒しできる
・キャンセルリスクを減らせる
・キャンセルの場合の手続きの手間がある
・入金確認の連絡が必要
・カード決済の場合、手数料(約4%)がかかる
・振込、カード決済の手間をお願いすることになる

2 当日受け取る

・現金で支払ってもらえる
・事前の手間がない
・当日現金受け取りの手間が増える
・おつり、現金の管理の手間がある
・領収書が絶対必要(現金受け取りなので)
・代金が5万円以上の場合、印紙が必要
・キャンセルリスクが高まる(回収は実質困難)

3 後日受け取る

・事前の手間がない
・請求書発行、請求の手間がかかる
・入金が遅い
・入金がない、遅れるリスク、最速の手間。
・キャンセルリスクが高まる

自主開催セミナーは、前もって受け取ることをおすすめします。
私はすべて前もって受け取っています。
デメリットもありますが、ひとりで自主開催する場合は「当日の手間は減らせる」ことが大きな理由です。
参加者の方にも手間をかけてしまいます。

セミナーと同様に、個別コンサルティングも同様です。

セミナー売上のタイミング

セミナーの売上はいつ記録すればいいのでしょうか。

原則としては、セミナーを開催した日の売上です。
たとえば、参加費1万円で3人のセミナーを9/29に開催すれば、9/29に30,000円(10,000円×3)の売上となります。

売上は、9/29に記録し、9月分の売上は30,000円です。
EX IT

これを入金の都度、売上にしていると、こうなります。
EX IT 2

8月に10,000円、9月に20,000円の売上になってしまうのです。
「結局は、30,000円記録してるんだし、別にいいじゃん」という考え方もあるでしょう。
確かに、ガーッと記録して、税金を計算するだけだったら、それでもかまいません。
しかし、税金を計算するためだけに経理をやっていたら、元は到底とれないものです。

経理の後、数字をみる単位としては、年、月があります。
その「月」の売上がずれるということは、数字を見る上で大問題なのです。
この事例では1万円ですが、今後セミナー業をやっていくなら、数字は増えていきますし、月に複数のセミナーをやることになります。
少ないうちから、経理の基礎を固めておきましょう。

こんなふうに、10年間の比較をできるわけです。
独立した2007年、そして2008年の不甲斐なさが身に染みます。
セミナーやりたい!と思いつつ、開催もしていなかったわけですから・・・。
こんな反省もできます。
反省するなら、数字が一番です。
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前受金の経理

前受金の経理は次のように考えましょう。

8/31、9/5、9/15に入金があったときに、次のように処理します。

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9/29には、どういう状態になるかというと、
・預金 20,000円
・SPIKE  10,000円
があって、
・売上高 30,000円
がある状態になります。

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入金時から9/29のセミナー開催日の状態になるまでに、何か処理が必要です。

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前受金は、前もって受けたお金を記録しているものですので、セミナー開催日には、前受金が売上に変わります。

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ブロックの左(前受金3万円を受け取った)と右(前受金3万円が売上になった)に同じものがあれば消せますので、
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結果的に、預金とSPIKE、売上高が残ることになるわけです。

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入金があったときは、前受金を増やし、開催日には前受金を売上にする処理をして、
最終的には、
・預金 30,000円
・売上高 30,000円
が残ります。
前受金は残りません。

具体的な処理方法として考えられるのは次の2つです。

最終結果をチェックする方法

振り込まれた(またはカードで決済された)場合、その都度記録はしません。
銀行(またはカード決済システム)に記録されているからです。

この場合、最終結果を月末にチェックします。
年に1回(決算のとき)にチェックするのは、確認という意味では遅すぎるので、月に1回はチェックしたいものです。

私は、申し込みがあった時点で、
9/29 前受金 / 売上
という記録(入力)をします。
(セミナーの日付で入力します)

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こうしておけば、
「このセミナーの売上はいくらか」
「今月はセミナー売上がいくら」
というのがそのときどきでわかるからです。

翌月(できれば早いうちに)、預金のデータを処理して、
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残った数字をチェックします。

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会計ソフトの「試算表」や「推移表」でチェックしてみましょう。

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この段階で、前受金が残りすぎていたり、前受金がマイナスになっていてはいけないわけです。
9月にもうセミナーがないのであれば、前受金は0になるはずで、10月にセミナーがあって前受金で入金されていれば、その分が残っている状態になります。

ネットバンクで残高を連動していれば、預金データの処理は必要ありません。
連動してなくても、ネットバンクのデータを取り込むようにしましょう。
預金も入力していたら、経理は大変です。

人数が多くなるならセミナー・イベントサービス(PeatixやDoorkeeperなど)を使うのも手でしょうね。
手数料がかかる、告知ページが好みでないとの理由で、私は、WordPressでブログ内に固定ページで告知ページをつくり、申し込みフォームは、オートビズ(メルマガ配信システム)やGoogleフォームを使っています。

 

入金された前受金を振り替える方法

もう1つの方法は、入金された前受金を1つずつ振り替える方法でfreeeでできるものです。

freeeだと、取引を登録した後(※1)に、[取引]→[取引の一覧]で、
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前受金の取引をクリックし、[+更新]をさらにクリックすると、
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追加で取引を入力できます。
セミナーの日付、つまりセミナー売上を記録する日を入れ、科目を入れ、金額を入れましょう。
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こうすると前受金(※2)を1つずつ消すことができます。
確実なのですが手間もかかるのが事実で、入金チェックもありますし(※3)、大人数のセミナーだと大変でしょう。
(ひとりでやるなら、少人数高単価のほうが経理の面でもおすすめです)

私は前者の方法でやっています。
ざっくりやってきっちり合わせるのが好みですので。
ただ、残高が合わなかったとき(前受金が多すぎる、少なすぎる)は、調整が大変です。
どちらも試してみていただければ。

どうしても経理の手間は減らしたいという方は、入金の都度、「売上」として記録しても、税法上は問題ありません。
ただ、決算のときは、前受の分を「前受金」にしましょう。
売上が多く=利益が多く=税金が多くなってしまいます。
(次の年、年度に前受金を売上に振り替えます]

これもめんどくさいという方は、そのままでもかまいません。
税金が多くなる分には、まあ問題ありませんので。

※1 預金データを自動で取り込むには、[設定]→[自動登録ルール]で次のように設定しておくと便利です。
(ジャパンネットに振り込まれる場合
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※2 コンサルティングの前受金、セミナーの前受金があるときは、科目を「コンサル前受金」「セミナー前受金」「コンサル売上」「セミナー売上」とわけておくと、分析もチェックもしやすいです。
私はそうしています。

※3 セミナー売上の入金チェックは、Gmailを利用しています。
セミナー申込時にGmailにメールが来るようにしていますので、Gmailのフィルタで「登録通知かつセミナー」という語があったら「セミナー申込」というラベルがつくように設定。
申し込みがあったら、そのラベルのメールに、スター(Gmailの機能)でチェックを入れています。
こんな感じです。
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セミナー終了後、お礼&’フォローメールを出したら、ラベルを削除します。

 

 

 


【編集後記】

昨日は、港区スポーツセンターで泳いで、午後からWordPressブログ入門セミナーを開催。
(次回は10/17東京です)
楽しい懇親会が終わって帰宅して、届いていたFIFA18(サッカーゲーム)をプレイ。

バルセロナを使って2戦(コパ・デル・レイ)。
ホーム1対2、アウェイ3対1となんとか次戦へ。
今回もいい出来です。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」
1日1新インスタ

Apple Watch Series 3をプールで使用
PS4 FIFA18
目黒 ガーデン サラダ
belkin 充電スタンド

【昨日の娘日記】
MacBookが好きすぎて、突進してきます。
多少の段差は乗り越えるので、油断なりません。。

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