2014年4月から消費税率8%へ。会計ソフトの対応状況、処理方法を確認しておきましょう

  • URLをコピーしました!

2014年(平成26年)4月からの消費税率変更により、会計ソフトの処理も変わります。
今、使っている会計ソフトを今一度チェックしておきましょう。
消費税 会計ソフト

 

会計ソフトはバージョンアップしなくてよかった

税金を計算するソフトは、税金の法律が変わったり、新しい法律ができたりすると、バージョンアップの必要性があります。
まあ、ころころ変わるので、必然的に毎年バージョンアップしなければいけないわけです。

それにたいして、会計の世界は法律の改正がそれほど頻繁にありません。
中小企業ならなおさらです。
それなりのコストを払って会計ソフトを毎年バージョンアップしなくても問題ないのです。
正確には、「バージョンアップしなくてもよかった」ということになります。
(かなり前のバージョンでも問題なく使えます。うちも2007年バージョンのソフトを使っていました。今はfreee又はExcelですが)

来年、2014年4月から消費税率が5%から8%に変更になるからです。
会計ソフトが対応していなければ、新しくソフトを買うか、現状のソフトをバージョンアップしなければいけません。

 

 

消費税率を選べるか?

今、使っている会計ソフトでチェックすべきは、次の2つです。
1 取引ごとに消費税率を選べるか?
2 消費税申告書を作る機能がある場合、計算に対応しているか?

1 取引ごとに消費税率を選べるか?

たとえば、2014年3月にPCを買った場合、消費税率は5%、4月にPCを買った場合は、消費税率が8%です。
取引を入力した際に、5%消費税、8%消費税、又は消費税対象外といった区分を選べるかどうかを確認しておきましょう。
今はできなくても、今後対応できるのか、コストがどのくらいかかるのかの確認は、今からでのしておくべきです。
それによって、かかるコストも変わりますので、バージョンアップコストに比べて、新しくソフトを買った方がよければ、早めに検討しておきましょう。

弥生会計は、今の時点で対応しており、このように税率を選べます。
消費税 会計ソフト
新しくソフトを買えば、Amazon価格で33,600円です。

クラウド会計ソフトfreeeも消費税率の変更には対応します。
こちらは法人なら月額1,980円、個人事業主なら月額980円です。
月額料金を払っておけば、消費税その他をバージョンアップできます。
スマホのアプリのような感覚ですね。

 

2 消費税申告書を作る機能がある場合、計算に対応しているか?

会計ソフトには消費税の申告書を作る機能がついているものが多いです。
これで計算して、消費税の納税額を出し、申告もできます。

この機能を使っている場合、消費税率で8%を選択できても、正しく申告書を作成できないことがあります。
こちらも確認しておきましょう。
消費税の計算は、手計算でやるにはかなり複雑です。
しばらくは消費税率5%のものと消費税率8%のものが混在しますからね。
古いソフトだと、上記2つに対応していないかもしれません。
その場合、会計ソフトを変更せざるを得ないでしょう。
過去のデータはどうするか?どう移行するか?新しいソフトをどう使うか?、そういったお手伝いもやっています。
IT・業務効率化コンサルティング

 

発生で計上しないと消費税処理が大変

会計ソフトが消費税率変更に対応していても、処理の手間はかなり増えます。
会計処理の方法によっては、修正が大変でしょう。

2014年4月1日を境に、消費税率が5%か8%が変わりますが、原則として、「取引が行われた時点」で判断します。
スクリーンショット 2013-11-13 9.07.23

たとえば、3月30日にPCを買って、4月に支払う場合又は4月にカードから引き落とされる場合、通常は、3月に 「PCを買った」という記録をします。
この方法で会計ソフトに記録していれば、
・3月31日以前→消費税率5%
・4月1日以後→消費税率8%
と判断しやすいです。
(例外はあるでしょうが)

これを支払ったタイミングで、4月に「PCを買った」という処理をしていると、
・3月31日以前→消費税率5%
・4月1日以後→消費税率8%
とはいえません。
「4月に記録されているけど、3月分だから消費税率は5%」と処理する必要があるのです。

そもそも取引発生時点で記録した方が、月々の利益が正しく出ます。
小さな金額はともかく、大きな金額は発生時点で記録すべきなのです。
ただ、発生時点で記録すると、先ほどの例だと、
・3月に取引した
・4月に支払った
という2回の記録が必要です。
支払時点だけで記録すると、
・4月に支払った=取引
と1回の記録ですむのです。

ただし、正しい利益を計算するには、この手間をかける価値はあります。
私は、お客様、自分含めて、取引発生時点で記録しています。
消費税率の変更にも対応が比較的簡単です。

この問題は、4月だけでなく、5月、6月以降も多少なりとも続きます。
もし、消費税率を逐一変更する場合、会計ソフトで特定のデータを抽出して、一括して消費税率を変更できる機能があればいいのですが、私が見る限りそのような機能はありません。
Excelなら、オートフィルタで抽出(摘要に「3月分」と入れておき、「3月分」で抽出)、一括で消費税率を変更することができます。
会計ソフトのデータをExcelに変換し、一括で変更、元の会計ソフトデータを一括削除してから変更後のデータを取り込むという方法を使うと、楽に処理することが可能です。
(この方法、意外と記事にしてなかったので、後日書きます)

データ入力するときに消費税率を判断しても、逐一後から変更しても、処理は大変でしょうね。

こういう問題があることも、私がExcelベースで会計をやっている理由の1つです。

 

 





【編集後記】
昨日は、編集者さんと書籍の方向性の打ち合わせ。
今、半分くらい書いているのですが、方向性が明確になりました。
ガンガン書いていきます。
(トライアスロンもオフシーズンだし(^_^;))
的確なアドバイスに、本当に感謝です。

  • URLをコピーしました!