志半ばだけど、税理士試験合格者に伝えたいこと

昨日、税理士試験の合格発表がありました。新たな税理士に伝えたいことをまとめてみます。

 

独立しよう!

合格された方、おめでとうございます!
税理士事務所に勤めている方、企業に勤めている方、受験に専念されていた方など、いろんな方がいらっしゃるかと思います。

即、手続きして税理士登録し、独立しましょう。

私は、税理士試験合格後、独立を躊躇しました。当時30歳(その数日後に31に)、実力、お金、不安などから、検討はするものの独立しなかったのです。

その後、一般企業に転職し、さらに税理士事務所に勤めたあと、独立するのは、その4年後でした。
もちろん、その4年間は無駄ではありませんでしたが、今でも、これを悔いています。

この後悔だけではありません。税理士資格取得➡︎即独立を勧めるのは、次のような理由があります。

 

 

税理士独立をすすめる理由

独立後の経験値は桁違いだから

「え、まだまだ経験積みたい」と思うかもしれませんが、独立しないで経験を積んでも、それほど意味がありません。
独立後は、さらに多くのスキルが求められます。
たとえば、税理士事務所に勤めているときは、ボスが責任をとってくれるでしょうし(とらないそうな人も多いのですが)、自分では判断できず指示をあおぐこともあるでしょう。
事務所の方針にしたがわざるをえなく、自分がやりたいサービス、正しいと思うサービスができないことも多いです。

独立すれば、自分次第でいかようにも変えられます。
提供するサービスが正しいかどうかは関係ありません。「正しいと思うこと」「お客様のために考えたこと」を実行することが、とてつもなく大事ですし、大きな経験値となるのです。

ドラクエにたとえるなら、独立前は、スライム、ドラキー、キメラくらい、独立後はドラゴン、ゴーレムと戦うようなものです。

ドラゴンボールにたとえるなら、独立前は、ヤムチャ、天津飯、ピッコロ大魔王、独立後は、サイヤ人たちと戦わなければいけません。

ガンダムにたとえるなら・・・以下略(^^;)

私自身が感じたのは、担当者としてやること、自分が独立してやることは、雲泥の差があったということです。
担当者であろうが、意識してすばらしいサービスを提供している方もいるかもしれませんが、私は甘かったです。

現に、税理士(事務所)への不満の1つとして、担当者に対するものはよく聞かれます。

お客様はリスクを負って起業され、多くの修羅場をくぐっていきるのです。
こちらも相当の覚悟でいなければ、温度差があるのは当然でしょう。

※念のため書いておくと、担当者の時代はどうしてもありますので、受験しながら、そこで100%やれば十分です。
1年でも早く受かることに集中しましょう。

お客様のニーズに応えるため

「レシートを入力して、でてきた数字をもとに税金を計算し、書類を作成する」
といった昔ながらの税理士のスタイルをやるなら、今のままでもいいでしょう。

お客様のニーズに応えて貢献したいと考えるなら、どうしても独立は必要です。
私も、勤務時、ある程度の自由は許されていましたが(どちらかというとそうなるように努力してました)、仕事への取り組み方、時間のかけ方にはどうしても制限があります。

どういうお客様と仕事をしたいか、値段をどうするか、どれだけ深く接するかなど、自分でないとコントロールないことも多いです。
瞬時の判断も欠かせません。

今私がやっている仕事のスタイルは、絶対に勤務時はできなかったことです。
お客様の要望で、資料やExcelファイルを作る、相談に乗る、時間を度外視して取り組むことはもちろん、毎日ブログ書いてたり、セミナーやったり、PC買いかえたりしたら、ボスや上司に怒られるでしょうね。
ほとんどの税理士がやっていることで、やっていないこともたくさんあります。

お客様に喜ばれないことは、やる気もないし、意味もありません。

お金はたまらない

「そうはいっても、お金の不安が・・・」というかもしれません。
私も、合格時はそうでした。
貯金は、50万円くらいしかなかったです。

実際に独立することになった4年後も、100万弱でした。
そうそうお金はたまりません。

ましてや給与水準の低い税理士事務所にいたらなおさらでしょう。

時間の方が、経験値の方が大事です。

とっても、私は無理に仕事をとって、その場をしのぐことはしたくありませんでしたので、借入をしました。
400万円を借りたおかげで、無理をせずにすみましたし、借入の恐怖を知ることもできたのです。
金融機関のしくみを知り、担当者とのつきあいもできたことも大きな財産になりました。

税理士として、借入、融資の知識は必須ですので、勉強する意味で借りてみてはいかがでしょうか。

私が独立した当初より、ITコストはかなり下がっています。
独立当時、DropboxもMacもなかったですからね。
HP作成料も今よりも高かったです。

時代によって、有利不利はあります。
どこを選んでも同じなら、はやいほうがいいでしょう。

顧客獲得能力はどっちみち必須

「お客さんがいないから。。。」と私も思っていました。

が、そんな幸運はありませんし、1社、2社お客様があったとしても食べていけません。

どっちみち顧客獲得能力は必要なのです。
ただし、私は、「集客」という言葉は嫌いです。
だれでもきてくれればいいわけではありません。

税理士は基本的に顧問契約を結び、継続的な仕事をします。
性格があわない、気があわないとつらいでしょう。
「嫌なお客様は、担当者に任せておけばいい」という考えもあるのでしょうが、私はそれもやりたくありません。
自分が嫌な仕事を人にまかせてまでお金を得ようと、ビジネスを広げようと思わないのです。

「紹介」というのもくせものです。
紹介は、紹介者の紹介能力に左右されます。
お互いを知り、本当の意味で紹介をしてくれるケースはほとんどないでしょう。
独立当初、ありがたい反面、トラブルもかかえました。

今は、お客様の紹介しか受けないようにしています。

「紹介してくれるかも・・・」と安易に、飲み会や、税理士の集まり、士業の集まりにいくのはおすすめしません(仕事をお願いするために、信頼できる他士業とのつながりは必須です)。
ましてや、「のれんわけ」(在籍する税理士事務所から顧客をゆずってもらう)のも期待しないようにしましょう。

そもそも何人のお客様がいれば、ビジネスがまわるか考えてみてください。
みんな、1,000人と契約しようと意気込むのがよくありません。
スタッフを雇わないことを考えると、10人、多くても20人の方に選んでいただければ十分ですし、それ以上あっても仕事が回りません。

だからこそ、まんべんなくなんでもできるようにならなくてもかまわないのです。
強みを磨き、その強みが活かせる範囲でしぼりましょう。
ただ、強みなんて、自分ではわかりません。走っているうちに気づきます。私も2,3年曖昧でした(^^;)

 

 

独立の手続き

独立には時間とお金、手間がかかります。

書類も2回だめ出しされました。
結構細かいところがうるさいのです(^^;)
登録時の手間は我慢しましょう。

事務所は借りず、まずは自宅で登録し、その後考えれば十分です。
自宅だから、事務所だから、提供するサービスが変わるとは思いません。
今はそれほど気にされないことも多いですし、「自宅の税理士なんて嫌だ」という方とは縁がなかったと思いましょう。

必要なコストは、なんだかんだで、25万くらいです。

税理士登録に必要な在職証明書(2年の経験が必要)を出してもらえないかもしれない場合は、
・書面で依頼する
・税理士会に相談する
など、強気でいきましょう。

「せまい業界だから・・・」と遠慮しすぎてもいけません。
在職証明を出さないのは、出さない方が悪いのですから。

ちなみに、私は7ヶ月の事務所と、1年4ヶ月の事務所で、トータル2年1ヶ月で出しました。
面接の時に、とやかくいわれましたが、にこっと流せばいいのです。
その他のしがらみも、スルーしましょう。
税理士業界では、せっかく独立したのに、またしがらみにとらわれる、変な仲間意識に巻き込まれることが多いです。
横のつながりは、ネットでいくらでも作れます。
私もネットで多くの仲間ができました。

興味あれば、私が平日に毎日配信しているメルマガ『税理士進化論』もご利用ください。

 





【編集後記】
昨日は、RUNクラブの仲間2人と皇居ラン&焼き肉。
2人とも85kg強でランもはじめたばかりなのですが、どんどん速くなっています。
うかうかしてられません(^^;)