社長のための給料計算のしくみ。社会保険料(健康保険、厚生年金)・所得税の計算

起業すると、自分で自分の給料を計算しなくてはいけません。
「社長のための給料計算」としてまとめてみました。

給料明細書

税金上気をつけるべき社長の給料

給料は、会社から見ると経費です。

売上ー経費=利益

※個人事業主の場合は、経費になりませんし、給料を自分に出すこともできません。

 

中小企業、ひとり社長の給料は自分自身で自由に決めることができます。
つまり、経費を自由に増やせるのです。

利益から税金を計算するため、経費が増える=利益が減ることは、課税する国から考えると、好ましくありません。
当然、規制がかかります。

社長の給料は、税金上次のような規制があります。
・給料(役員報酬)の金額を変更できるのは、事業年度がはじまってから3か月以内(1月始まりなら3月末、4月始まりなら6月末)
・毎月定額
・給料の変更には、株主総会又は取締役会の議事録が必要
・社長へ賞与を出してもいいが、経費にはできない
・社長の配偶者は、役員でなくても、同じように規制される。

まとめると、「年に1回だけ変えることができ、賞与は出さない」ということになります。
給料計算上は、非常に楽です。

 

 

給料から差し引くものの計算

会社員の時は、給料からいくらか差し引かれて振り込まれていたはずです。

その差し引きを自分で計算しなければいけません。

社長の給料から差し引くのは、
・源泉所得税
・社会保険料(健康保険、年金等)※加入している場合
・住民税 ※会社で天引きするようにしている場合
です。

・社会保険料

社会保険料とは、健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険をいいます。
会社の場合は、本来必ず加入しなければいけません。
(加入していないケースもあるかと思いますが、本来は加入すべきものです)

基本的に、4,5,6月の給料+通勤手当で決まります。
通勤手当が含まれることに注意しましょう。
会社から自宅が遠くなればなるほど、保険料が高くなるのです(^^;)

4,5,6月の給料+通勤手当の平均額に応じて次のような表で、保険料を計算します。
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健康保険料は都道府県ごとに異なり、厚生年金保険料は、どこでも一緒です。
40歳以上の場合は、介護保険料がかかります。
表は、こちらからPDF、Excel版をダウンロードできます。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h25/1992-119695

例えば、給料+通勤手当の平均額が200,000円の場合で介護保険がかからなければ、健康保険料は9,970円、厚生年金保険料は16,766円となります。
(折半額を差し引きます。同じ金額を会社が負担します)
これらを給料から差し引くのです。

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この表は、毎年3月、9月に変更となる可能性があります。

その他、給料+通勤手当が上がった場合、その月から4か月後に社会保険料が変わります。
(4か月後なのは、3か月の平均をとるからです。)
ただし、この変更をする必要があるのは、社会保険料の表で、2段階(2行)上がった場合のみです。

 

・源泉所得税

源泉所得税は、
・社会保険料を引いた後の給料
・扶養親族の人数
により、計算します。

先ほどの事例だと、社会保険料を引いた金額が173,264円ですので、扶養親族が0の場合、源泉所得税は3,840円となります。
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※表はこちらからダウンロードできます。
(PDF、Excel)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2012/01.htm

給料、社会保険料が変わらない限り、源泉所得税は一定となります。

 

 

支払はどうする?

社会保険料、源泉所得税を差し引いた金額を、個人名義の口座へ振り込みます。

自分の会社だからといって、現金支給だと形跡が残らないので振込の方が理想です。

給料日も月1回、設定しましょう。

 

給料をいくらに設定するかは悩ましいところですが、設定後は、自分で設定した給料を毎月支払える(業績を上げる)ことを目指しましょう。

 

 





【編集後記】
昨日も海練。千葉の保田へ。
片道2時間半。帰りの電車は1時間に1本という場所で、かなりの時間を使いましたが、有意義な練習と海の幸を楽しんできました。
やるべきことはやり、あとは、じっくり休息と準備をして、来週のトライアスロンに臨みます。